禅とは何か それは達磨から始まった (新潮選書)

  • 新潮社 (1988年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784106003455

感想・レビュー・書評

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  • 裏表紙
    「禅とは何か」を探るため、偉大なる禅者たちの足跡を訪ねる。
    中国禅の始祖・達磨から、日本禅宗の創立者・栄西、道元を経て、一休、沢庵、白隠、良寛まで。彼らの生い立ちから、修業や苦闘、思想や悟りまでを辿り、常に時の権力や硬直化した教団組織にアンチテーゼを唱えて、日本人の生き方や美意識に大きな影響をもたらした「純禅」の系譜を明らかにする。自身も禅寺の侍者を体験した小説家が「禅とは何か」を問う名作。

  • 恐ろしく造詣の深い人が書いているから、面白いのだが、ともかく読みにくい。でも、いまどきは読みやすく書くけれど、昔はみんなこんなもんだった気がする

  • 宗教がらみの本のためやはり難解であります。
    それは仕方のないことといえば仕方のないことなのでは
    あるのですが…

    禅にかかわった宗派のそれぞれの歴史です。
    時に時代にこびざるを得ない時代もありました。
    ですが、そうでない人たちも多数いたものです。

    禅は私の家の宗派に関わっているので
    自分の宗派を知る、という意味でも
    なかなか有意な本ではありました。
    難解ですが。

  • 始祖・達磨以来の中国禅の系譜を尋ね、禅の跡を辿りつつ、禅とは何かを平易に解明する。

    今月の20日を持って、卒業論文の執筆が終わった。
    (4月から制作にかかったとして)あっという間の9ヶ月であった。最初は右も左もわからず、いったい何をどうすればいいのか迷子になってばかりであったが、今ではすっかり私も研究対象である一休さんのファンとなってしまった。

    このように、ひたすら純粋に何かを調べ、学び、勉強したことは、私にとって素晴らしい――本当に、素晴らしい経験だった。
    卒論というと、学生にとっては最後の難関であり最大の課題というのが一般の認識であろう。
    しかし、私は調べれば調べるほど、卒論を書くのが楽しくてしょうがなかった。こんな楽しいことを、大手を振ってできるのが嬉しくてたまらなかった。

    出来上がった卒業論文の題名は、こうである。
    「一休宗純の風狂 ―日常からの超越者として―」。
    以下にその結論を掲載して、私の「一年かけて一つのことを考える」のノートを<完>としたい。


    一休宗純は、禅の戒律を自ら破るようなことをしながらも、絶えず禅のために考え、行動した人であった。
    彼が遺した禅の先達に捧げる厚い敬意と、真に禅林社会の行く末を考える言動の数々が、一休の思想を代弁している。

    しかし、そんな一休の真摯な思いは、時代の波に受け入れられなかった。当時の腐敗した禅林社会の中で、一休の思想はあまりに孤高なものだったのである。
    権力に媚び、栄誉を欲する僧達が溢れる室町時代の禅林で、一休は誰に寄りかかることもなく、真の禅とは何かを追及する。

    その結果として生まれたのが、奇矯な行動の数々であり、また破戒に満ちた詩であったのだろう。
    戒律に縛られつつもその内実は堕落しきった室町社会に対して、一休は自らの言葉と行動で持って、警笛を鳴らし続ける。それらは物事の本質を突き詰めたあまり、ときに日常的な社会からの超越した言動と映り、ゆえに一休が「風狂」と呼ばれる由縁の一端となる。

    一休の存在は、日本の禅僧達の中でも異彩を放っている。その理由として、皮肉と反骨の精神に満ちた言動の数々が挙げられる。また、兄弟子である養叟宗頥への執拗なまでの罵倒や、森侍者との愛を率直に詠った恋愛詩なども、その理由として挙げられる。
    しかし、一休がその生涯をして「風狂」という代名詞で名を馳せているのは、決してそれらの奇抜な言動だけのせいではないことを忘れてはならない。
    それらはあくまで、一休の思想であり、生き方の源となっているものの表層的な表れでしかないのである。
    常に葛藤し続け、煩悶し続けた一休だからこそ、日常からの「超越」という形でそれらは表出した。そしてそれらは、彼の禅に対する、あまりに崇高な意識があってこそ成し得たものなのである。

    一休が88年の人生を通して、物事の本質を真摯に模索し続けたことは、驚嘆に値する。
    自由奔放に生きたかに見える彼の人生にはしかし、深い苦悩と絶えない葛藤があったのである。だからこそ、一休の生き方は人を引きつける。突き詰められた思想と、何ものにも囚われない生き方が、彼を輝かせる。
    一休の生涯は、彼の思想そのものであった。一休はその生涯をして、ひとつの思想を成した、稀有な存在だと言えるのである。

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著者プロフィール

少年時代に禅寺の侍者を体験する。立命館大学文学部中退。戦後、宇野浩二に師事する。1959(昭和34)年『霧と影』を発表し本格的な作家活動に入る。1960年『海の牙』で探偵作家クラブ賞、1961年『雁の寺』で直木賞、1971年『宇野浩二伝』で菊池寛賞、1975年『一休』で谷崎賞、1977年『寺泊』で川端賞、1983年『良寛』で毎日芸術賞を受賞する。『金閣炎上』『ブンナよ、木からおりてこい』『土を喰う日々』など著書多数。2004(平成16)年9月永眠。

「2022年 『精進百撰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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