劇場人シェイクスピア: ドキュメンタリー・ライフの試み (新潮選書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106004551

作品紹介・あらすじ

子供の頃シェイクスピアが見たのはどんな芝居だったのか。どのような事情で劇作家になったのか。同時代のあらゆる資料を駆使し、その生涯を再現。

感想・レビュー・書評

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  •  シェイクスピアの伝記物語ではないが、はっきりとわかっていないシェイクスピアの劇場人としての人生を描く。その手法が、資料に基づく推測といった感じの試みで、嘘と言えばそれで終わりなのだけど、ある程度本当ではないかと感じさせるような作りにはなっていた。シェイクスピアや演劇に関して僕は全くの素人なので、その事実が嘘か本当かは想像もできないし議論にも参加できない。けど、資料に基づいて一人の偉大な人物を回想してみるという試みは面白く関心を持つことができた。
     この本の中で「シェイク・シーン」=「舞台を震撼させることができる者」といったようなことが出てきたが、シェイクスピアとはそういった意味のペンネームなのかと思いきや、ロバート・グリーンによるシェイクスピアを皮肉った批判だというのが面白かった。
     この本ではシェイクスピア以外にも、マーロウについて良く触れられていた。シェイクスピアといった人物を知ろうと思うとその周りにいた多くの人をも知らなければならない、当たり前のことを再考してみた。

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著者プロフィール

安西徹雄 (あんざい・てつお)
1933年、松山市に生まれる。
愛媛大学文理学部卒業。
上智大学大学院文学研究科博士課程修了。
英国バーミンガム大学シェイクスピア研究所留学。
上智大学文学部英文学科教授を経て、現在、上智大学名誉教授。
シェイクスピアを中心として英文学の研究・教育に
あたる一方、演劇集団「円」を拠点に演出を手がける。
著書
『シェイクスピア——書斎と劇場のあいだ』(大修館書店)
『シェイクスピア劇四〇〇年——伝統と革新の姿』(NHKブックス)
『仕事場のシェイクスピア——ある伝記の試み』(新潮社刊、現在、ちくま学芸文庫)
『この世界という巨きな舞台——シェイクスピアのメタシアター』(筑摩書房)
『英文翻訳術』(ちくま学芸文庫)
『彼方からの声——演劇・祭祀・宇宙』(筑摩書房)ほか

訳書
ピーター・ミルワード『イギリスのこころ』(三省堂選書)
ピーター・ミルワード『シェイクスピアの人生観』(新潮選書)
イアン・ウィルソン『シェイクスピアの謎を解く』(河出書房新社)
ピーター・ミルワード『愛と無—自叙伝の試み』(人文書館)
シェイクスピア『リア王』(光文社古典新訳文庫)ほか

「2007年 『愛と無 自叙伝の試み』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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