知的未来学入門 (新潮選書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106004643

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  • 未来研究;いまの仕事の中でこのことを欠かすことはできない。
    いかにして未来をとらえるかは、重要である。
    ①過去の延長としての未来
    ②現在を未来の始まりとしてとらえる。未来は、現在から始まる。
    ③未来は、夢と希望の対象。しかし、ディストピアの世界も。
    ④未来は必ず現在よりよくなる。
    ⑤未来を想像する力が、未来を作る。

    問題を解決するには、全体から取り組まねばならない。
    問題を認識し、
    どう解決するかというシナリオつくりが大切である。

    未来について
    未来への関心は、人類共通のものである。
    はたして、未来がどうなるのか。
    未来をどこまで読み切ることができるのか。
    そのため、歴史や現状の分析から教訓を学び、
    未来を想像し、その達成への筋道を考え
    構築していくことが意味を持つのである。

    人間にとってもっとも大切な明日を生きる原動力になるのである。
    未来が、「望ましい、あるべき姿」を描くことが中心で、
    「おこって欲しくない。おこると困る。」
    問題には、さけてとおる傾向がある。
    われわれは、過去をかえることはできない。
    現在を瞬時にして過去に変わることを思えば、
    すべての思考や行動は未来をかえるためのものである。

    日本の限界 伝統的な価値観に対する誇りや
    戦後の奇跡的な経済の発展の幻想にとらわれる。
    情報の取捨選択がなされにくい。

    アメリカは、あらゆる分野で突発的に発生する
    価値観の激変を甘受する体質を備え、その寛容性も高い。

    「周囲の環境の変化を素早く察知する方法」や
    「一見脈絡のない出来事から隠された関連性を発見する方法」
    を教える。
    「これから起こる変化の性質を理解し、
    その変化に積極的に対応できる柔軟な思考を育てる。」
    つまり必要なことは、
    「自由で柔軟な発想とそれに基づき
    自分なりの選択を下せる能力や技法」を教える。

    未来を見つめる場合に
    ①科学・技術の進歩に全幅の信頼をよせる楽観派
    ②科学・技術の発展は、人間性を損なうという悲観派
    ③科学・技術の発展と人間性の調和をめざすバランス派
    ④技術と個人生活の対立に着目する懐疑派
    ⑤意識の変革や自然との一体化を重視するトランスフォーム派
    ⑥国際協力をモットーに掲げる地球コミュニティー派
    手法として、トレンド分析、
    ゲーム理論、システム論、シナリオ論、カオス理論がある。

    ネガティブな側面
    経済的不信、政治的腐敗、環境破壊、家庭の崩壊、
    貧富の拡大、教育の荒廃、宗教の娯楽化
    (ニューエイジ宗教の誕生)。
    そして責任転嫁と自己保存の本能。
    人々の心を束ねる価値観や救いを
    宗教界や科学界が新たに提供できない。

    座標軸の設定 「人間、自然(環境)、技術」の3者の関係
    情報処理が膨大な作業となり、情報処理を増やしても、
    結果として生産性が向上しない現象がでてきている。
    「情報過多による生産性低下現象」
    人間生活にゆとりをもたらすと
    考えられた技術の進歩が、かえって時間に
    追いまくられる生活を生み出した。

    アメリカの経営者の不満は、
    「自分の自由になる時間、効果的な判断の材料
    となる情報、友人や家族との親密な関係。」である。
    人間がいま求めているものは、「時間、家庭の愛情、健康」である。

    今日の人間の不満のあり方を明確に把握できれば、
    その解消の方向に明日の社会の姿が見えてくる。
    つねに新しい現実を人間にとって
    より快適なものにすることである。

    現状認識としての
    ①総合的な面での国際化 
    ②生産性の向上に全力を挙げていることによる過剰生産 
    ③軍需産業中心からの冷戦による仕組みの変化 

    「来世が現世よりよくなるためには、
    まず、今現在の生活をたださねばならない。」
    エジプト「死者の書」

    D・H・ウエルズ
    「多くの人々は過去の実績や歴史にばかり
    目を奪われている。
    未来のことは知りようがないといった固定観念に
    とらわれすぎている。
    過去を知ることと未来を想像することは同じことなのだ。
    人間が未来に関心を持っている限り、
    未来を知る手がかりは、
    つねに人間の中に隠されている。」

    ウエルズは、「現在を未来の始まり」としてとらえ、
    「未来とは現時点において選択できる対象である。」
    と位置づけられる。
    しかしウエルズは、第2次世界大戦を通じて、
    「人類は、教育とカタストロフィーの競争において敗れた。」
    と絶望した。

    サルトル
    「フランスの未来に責任を持つものは、
    強い意志で武装した個人主義である。」とし、
    「未来を想像していく作業でもっとも大切なのは、
    個人の自覚である。」
    というアピールを繰り返した。

    フランスのガストン・バーガー
    「夢をいくら追い求めても、
    実際の計画を立て実行しなければ、
    未来を想像できない。」
    「過去と未来が、現在でつながっていると
    いうような連続的な考えでは、
    新しい文明を作ることができない。
    過去と決別する勇気があって初めて未来に対して
    能動的に働きかけることができる。
    未来とは自ら準備し計画していくものである。」

    ハーマン・カーン
    「技術開発と戦略的思考」それは、
    「シンクファクトリー」と呼ばれていた。
    「自然科学と社会科学の融合」。

    1970年アルビン・トフラー「未来の衝撃」 
    あまりにも短期間に余りにも多くの変化を体験すると
    人間はどう対応してよいか途方に暮れる。 
    600万部。
    そして現在は、3000万部となっている。

    グレン・シーボーグ
    「未来は必ず現在よりすばらしくなる。
    それは科学技術の進歩と異文化理解を通じて得られる
    国際協力の精神によって可能となる。」

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