試行錯誤の文章教室: 書き方・読み方・訳し方 (新潮選書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106005145

作品紹介・あらすじ

司馬遼太郎、立花隆や海外作家、エッセイストなど、人生の機微に触れ、時代を描いた文章のエッセンスを豊富に引用する、すぐに役立つ新鮮な『文章作法』。

感想・レビュー・書評

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  • 第一章 文章を書く基礎力を身につける

    「ユニークであるためには、少なくともちょっぴりは異常でなければならない」 ヴィリアム・ペイリー

    『第三の波』 アルビン・トフラー  ボブ・グリーン  マイク・ロイコ  タキ  『日本語の作文技術』 本田勝一

    「他人に映画の作り方をアドヴァイスするとしたら、とにかくひたすら映画を見て欲しい、そのうち体が覚えるはずだとしか言いようがない」 ウディ・アレン

    「詩は他の詩からのみ生まれ出てくるのであって、それは小説にしても同じである。文学は自ずから形成されるのであって、外側から作り上げられるのではない」 ノースロップ・フライ

    翻訳
    夏目漱石 「草の葉」ウォルト・ホイットマン  森鴎外 アンデルセン  大岡昇平  大宅壮一 「モンテ・クリスト伯」「アラビアンナイト」  池澤夏樹  村上春樹

    「外国語を知るのは未知の一世界を発見するのに等しい」ゲーテ

    「ひとつのことをやり続けていると、それがだんだんと簡単になっていきます。それは仕事の内容が変わったからではありません。自分の能力が高まったからです」ラルフ・ウォード・エマソン

    『文章読本』谷崎潤一郎  研究社 新英和大辞典  ロングマン コンテンポラリー・イングリッシュ・ディクショナリー  World Book Dictionary  ヘミングウェイ 『移動祝祭日』  大宅壮一  草柳大蔵  オリガ・イヴィンスカヤ 『パステルナーク 詩人の愛』  伊丹十三 『女たちよ!』  神谷美恵子 『生きがいについて』  城山三郎 『一冊の本』  諸井薫『男の感情教育』  千葉敦子『寄りかかっては生きられない』  河合隼雄『こころの処方箋』

    第二章 本物の一文を書く

    犬養道子『世界の現場から』

    「民主主義は制度ではない。実際には民主主義は実績の積み重ねである」 池澤夏樹

    ロバート・ジェームズ・ウォラー『マディソン郡の橋』

    「一分ごとに観客の注意を引きつけて、絶対に気を逸らせないようにすること。それが映画作りの基本だ』ダリル・ザナック

    「作家にとっては、会う人全員が、やることなすことすべてが、何かを学ぶ機会なのです」トム・クランシー『レッド・オクトーバーを追え』

    池波正太郎『私の仕事』  堺屋太一『「大変」な時代』  野口悠紀雄『「超」勉強法』

    第三章 小さなことに注目する

    「何かある対象について書こうと思ったら、私はとにかく、その中の何か小さな事に注目するんです。そして、その小さなことについてしつこく書いて、結果的に、そこから対象の全体が見えるようにする。それが私のやり方です」ピーター・メイル(『南仏プロヴァンスの12ヶ月』)

    「作文の技術は、ライフルで弾丸を発射するのと同じくらい簡単なのだが、傑作は、背後にある際限なく大きな力を暗示している」デイヴィット・ソロー(『森の生活』)

    ボブ・グリーン『チーズバーガーズ1』  ロバート・ジェームズ・ウォラー『マディソン郡の橋』  城山三郎『もう、きみには頼まない』

    「エピソードを積み重ねて、人間くさい読み物にする」大宅壮一

    城山三郎『打たれ強く生きる』

    「自分の雑誌の寄稿者には、ひとつの記事にパーティで話題にできるような話を三つ入れるように常に要求している」ティナ・ブラウン

    『ロシアにおけるニタリノフの便座について』椎名誠  『親父の値段』  ピーター・メイル『贅沢の探求』  パトリシア・コーンウェル『検屍官』シリーズ  宮本輝『本の話』

    「現代人の悩みの多くは情緒の不安定とか寂しさといったものです。そしてそうした事柄は、映像で語ることがとてもむずかしいのです」ウディ・アレン

    「一枚の写真は何千もの言葉に値する、なんていうのはまったくの嘘っぱちだ。もちろん、それが正しい場合もある。しかし、たとえば人は、ハムレットの苦悩を260枚の写真で語れるだろうか。そこでは写真など、なんの役にも立たないのではないだろうか。人間の感情、思想、空想、そうした事柄を表現できるのは、言葉だけなのだ」アイザック・アシモフ

    「人間が繁栄を続けるためには守るべきものとして三つの原則がある。種の保存、個体の保存、そして精神の発達だ」アレキシス・カレル

    『24人のビリー・ミリガン』ダニエル・キイス

    第四章 比喩とユーモア

    比喩にはふたつの効用がある。ひとつは、伝えたいことを解りやすくすること。もうひとつは、文章に彩りを加えることだ。

    司馬遼太郎『街道をゆく』  立花隆『脳死』  野口『「超」勉強法』  堺屋太一『「大変」な時代』 デズモンド・モリス『裸のサル』  村上春樹『回転木馬のデッド・ヒート』『ノルウェイの森』  アーウィン・ショー『夏服を着た女たち』  ジェフリー・アーチェー『十二本の毒矢』

    「文章が備えるべき美徳は数えあげていけばきりもないが、そのすべてに君臨するものがあるとすれば、それは晴朗で快いという徳であろう」向井敏『文章読本』

    シドニィ・シェルダン『遺産』  伊丹十三『女たちよ!』  景山民夫『イルカの恋、カンガルーの友情』

    第五章 長い文章を書く時の注意

    『アルマジロ私想録』玉村豊男  『逆説の日本史 古代黎明編』井沢元彦  『騎馬民族は来なかった』佐原真  『賭博と国家と男と女』竹内久美子  『神々の指紋』グラハム・ハンコック  ジェフリー・アーチャー  シドニィ・シェルダン『遺産』  パトリシア・コーンウェル  『天使達の恋愛術』  『良い文章の書き方』デイヴィッド・X・マナーズ  『炎は流れる』大宅壮一  『平家物語』  カミュ『異邦人』  川端康成『雪国』  司馬遼太郎『義経』  『ヴィーナスのいたずら』  曾野綾子『湖水誕生』『ほんとうの話』

    「文章を書く時には、音楽を奏でるように書く。うまく書ければ、それは必ず耳に快く響く。奏でる音楽自体は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲でも、エルトン・ジョンの『クロコダイル・ロック』でもいい。ただし、同時にその両方であってはならない。音楽は常に流れていなければならず、飛び上がってはならないからだ。つまり、フルートとヴァイオリンのささやきの中で、エレキ・ギターが鳴ってはならないのである。」ゲーリー・プロヴォスト『素晴らしい文章を書くための七つの秘訣』

    『恋』池波真理子  『スローターハウス5』カート・ヴォネガット  長谷川伸  『無罪――O・J・シンプソン事件と21世紀のアメリカ』  『ミラノ 霧の風景』須賀敦子  『京に暮らすよろこび』寿岳章子  『底ぬけビンボー暮らし』松下竜一  『抱きしめる、東京』森まゆみ

    「大事なのは、感動し、愛し、望み、心を震わせ、生きることだ。芸術家である前に、人間であることだ」ロダン

    第六章 何を書くべきか
    『若草物語』 ルイザ・メイ・オルコット

    「文章は、今一番好きなたった一人の人に話しかけるような気持ちで書くと良いよ」太宰治

    「現代も生きている好ましい人物の紹介記事を書くときには、たった今その人が亡くなってしまったと思って書くといい」ビーヴァーブルック卿

    梅原猛『隠された十字架』

    「作家はワニでなければならない。ワニのように攻撃を仕掛けて、自転車でも何でも飲み込んで消化してしまえるほどタフでなければならない」アーサー・ミラー『セールスマンの死』

    近藤誠『患者よ、ガンと闘うな』

    「自分自身と友だちに伝えたいことだけを書け。自分の心の中の月の光の導きに従え」 アレン・ギンズバーグ

    「自分自身を喜ばせるために書け」 ハーラン・エリソン

    「私がこれまでに書いた作品の中で最良のものは、どれもみな発掘されたような感じを持っている。私は、小説家というよりはむしろ、考古学者であるように感じている。地下に埋まっている物を掘り起こし、埃を払い、そこに刻み込まれている物に目をこらすのだ。」スティーヴン・キング

    第七章 人の知らないことを書く
    『イギリスはおいしい』林望

    「人のためにと思っている限り仕事はうまくいきます。自分のことしか眼中になくなると、うまくいかなくなるのです。それは、郵便配達夫でも、美容師でも、保険のセールスマンでも、主婦でも、みな同じです」アーサー・ゴードン

    P・F・ドラッカー『現代の経営』  マルコ・ポーロ『東方見聞録』  福沢諭吉『西洋事情』  ヘミングウェイ『陽はまた昇る』  H・G・ウェルズ  アーサー・ヘイリー『エネルギー』  ジェームズ・ミッチェナー『ハワイ』  スティーブヴン・ホーキング『ホーキング、宇宙を語る』  リチャード・プレストン『ホット・ゾーン』  ハイジ&アルビン・トフラー『戦争と平和』  松本清張(古代史)  K・エリック・ドレクスラー『創造する機械』  アーサー・C・クラーク『2001年宇宙の旅』  マイヤーズ、セオドラ・コルボーン、ダイアン・デュマノスキー『私たちの奪われた未来』  アル・ゴア『地球の掟』

    第八章 読者の共感を得る
    「新しいニュースでもなければ、物書きが読者がまだ知らないようなことをいうことは、そうしょっちゅうはない。物書きの最大の喜びは、読者がすでに知っていながら、知っていることに気付かなかったことをみごとに描き出すところにある。このことによって両者の間になんともいえない暖かい仲間意識が生まれるのであり、これが物書きになし得る最大のことである」アンディ・ルーニー

    「物書きであることには、謎めいたことも魔法のようなところもなにもない。物書きとは要するに文章を書く人のことである。歯医者ではないのに、歯の治療ができる人はほとんどいないが、プロの物書きではないのに、異常に文章が上手い人はたくさんいる。このことが物書きであることが歯医者であることよりもシンドイ理由の一端を表している」アンディ・ルーニー

    東海林さだお『東京ブチブチ日記』  白石公子『もう29歳、まだ29歳』  群よう子

    「作家とは、鉱夫が炭坑に持って入るカナリアのようなものだ」ヘミングウェイ

    ジェームズ・レッドフィールド『聖なる予言』

    「偶然の一致は、何か他のもの、霊的なものが私たちの全ての行動の下に隠れていると、私たちに感じさせる」レッドフィールド

    エズラ・パウンド  M・マクルーハン『早期警報装置』  レスター・R・ブラウン『地球白書』  立花隆

    「国民の生活の基盤は家庭にあるのではない。それは幸福な家庭にこそあるのである。そしてそれは、この国の時代遅れの離婚法では実現できないものなのだ」コナン・ドイル

    「地球はそれ自体がひとつの生きた生命体なのであり、その生命体は、自らが存続するために周囲の状況を修正していく自給自足のシステムを有している」ジェームズ・ラヴロック『ガイアの時代』

    正高信男『なぜ、人間は蛇が嫌いか』  リチャード・ドーキンス(利己的な遺伝子)『延長された表現型』  ヘレン・E・フィッシャー『愛はなぜ終わるのか』  竹内久美子  ミトコンドリア共生説  瀬名秀明『パラサイト・イヴ』  植原和郎(日本人の二重構造説)『日本人新起源論』  網野善彦『日本の歴史を読みなおす』  利根川進、立花隆『精神と物質』

    終章
    「成功の秘訣?それは単純なことである。作家はおのおの自分のやり方を探り当てなければならないということなのだ。(中略)作家の人生は孤独なものである。なぜなら、この職業を選んだ者は、長い時間、厳しい、途切れることのない緊張に一人で耐えることを要求されるからである。骨の折れる、時には挫折感をともなう試行錯誤の中で、自分の道を手探りしつつ、自身の手法や文体を発見してゆくのが作家なのだ」ディーン・R・クーンツ『ベストセラー小説の書き方』

    「書物ほど大切なものはない」マックスウェル・パーキンス
    「無くして困る財産なんて、本だけさ」フランシス・コッポラ

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著者プロフィール

1956年東京生まれ。東京外国語大学卒業後、出版社勤務を経て、翻訳家に。現在、作家、エッセイストとしても活躍。

30年にわたる編集・文筆業生活のなか、いつしか歳時や祭りの見物を兼ねて東京の街をあちこち歩くように。本書は、著者が長年続けてきた「現代東京歳時記散歩」の集大成となる一冊。

著書に、『英語で読むアメリカン・コラム』(ジャパンタイムズ)、『二重誘拐』(マガジンハウス)、『モンキーアイランド・ホテル』(講談社文庫)、『アメリカ映画の大教科書』(新潮選書)ほか、訳書に『後世に伝える言葉』(小学館)、『ウディ・アレンの浮気を終わらせる3つの方法』(白水社)、『ただひたすらのアナーキー』(河出書房新社)など多数ある。

「2008年 『東京お祭り!大事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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