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- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106005510
感想・レビュー・書評
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借りたもの。
読みやすく、内容が充実している。
闘牛という生と死の遊戯、牡牛を殺す事が目的ではなく、それに至る闘牛士と牡牛の駆け引きが大きなテーマである事を指摘。
18世紀までの庶民や屠殺に関わる人々の憂さ晴らしから、洗練されていった歴史も言及。
時代とともに、闘牛士にも男性的、野性的な部分だけでなく教養が求められたり、アイドルのようになったりとその変容も挙げている。
そして現在、女闘牛士の存在についても。
闘牛士たちの歴史から現代(~1997)までの活躍を、インタビューや同行取材を交えて記している。それゆえのリアルさ。その中には日本人初の闘牛士・下山敦弘氏についても。
この本には全編を通して、パキリ(フランシスコ・リベーラ・ペレス)の死が大きく共鳴している。
それを足掛りに、闘牛における生と死という巨大なテーマが、文学(詩人ロルカ)や絵画(ゴヤ、ピカソ)に影響を与えた事を指摘してゆく。
牛の種類や、闘牛の種類についてなど、統計データも掲載されている。
闘牛と捕鯨を比較するのは、時代故か、売り言葉に買い言葉なのか……しかし、闘牛批判と捕鯨批判が、動物愛護から来ている事は確かだ。
この本、えすとえむ『Golondrina-ゴロンドリーナ-』(http://booklog.jp/item/1/4091885756)に影響を与えた本ではないかと想像する。
著者自身も闘牛のファンとはいえ、闘牛士の死(フランチェスコ)や、女闘牛士(サンチェス)など……気にしすぎか?詳細をみるコメント0件をすべて表示