秘伝 中学入試国語読解法 (新潮選書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106005602

作品紹介・あらすじ

この本は二部構成になっていて、体験編では、中学入試に対する僕たちの戸惑いや試行錯誤を出来るだけ率直に書いた。そのほうがかえって参考になると考えたからだ。一方、国語問題読解編では、著者の研究者としての分析力をフルに発揮した。「国語」に隠されている見えないルールを炙り出すという読解法は、入試国語に強くなるだけでなく、「学校」空間というものについて考える契機となるだろう。だから、この本は著者の学校論でもある。

感想・レビュー・書評

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  • 幼児の知能の発達には親よりも同年代の遊び相手とのやり取りが影響するが、中学入試の国語能力は「親とよく会話する子が絶対有利」/資本主義・金権絶対の日本では、首都圏に在住してリソースがあれば私立中学入試は挫折の可能性を僅少にしてグレートな子孫を得るサクセスフルライフラインの可能性急上昇案件/小学生に高い国語能力をもたせる、というよりも論理性解読の機序が危うくても正解を短時間に得る受験技術のように感じるのだが//「スマホ変換が便利で漢字手書きができなくなって」雑誌等の記事も短文が多くなり、国語能力低下を懸念する

  • 隠れた名作。

  • ちょっと難しい

  • 1999年刊行。

     二部構成で、前半は著者のご子息の中学受験体験記。後半は国語の中学入試問題の解説となっている。

     前半は、著者の学校制度・教育論に対する見解に共感できなれば、ついていくのは難しい(もちろん、私は著者の見解に十分納得できた)。
     一方で、ここまでご子息の内実や生活状況を書いてよいのか(学級崩壊の部分等)と思うこともあったのも事実。
     しかし、受験・小学校生活に真摯に向き合った著者の姿勢には素直に拍手を送りたい。

     さて後半の入試問題解説。
     著者のあっさりした解答解説では、普通の小学生には理解しにくく、この本で独習することは難しいだろう。
     むしろ、親が頭の体操のつもりで解き、解説を読むと面白いのではないか。

  • 納得できない答えが何問かに一問。僕にセンスがないのか、著者の解法が独断的なのか。

  • 国語教育は道徳教育であると多くの本で語っている漱石研究の著者の息子の中学受験をまとめた本。

    二部に分かれており、一部は合格体験記的なエッセイだが息子の小学校が学級崩壊を起こしたり、テストの一喜一憂したり、どの学校が望ましいかを悩んだりが赤裸々と書かれている。二部は、大学の先生である著者が、ロラン=バルトを元にした「国語」の基本形を使って、実際の中学入試問題を解いて解説するといった形である。
     扱うテーマは、二元論、言葉を読む、自然に帰ろう、トレンドを読む、子供であること、気持ちのレッスン、学校という空間、友情の法則、淡い恋、兄弟、親子である。

    中学受験を単なる合格体験記にせずに、ちょっと斜めからの体験記・批評記にしているように感じた。発行年は少し古いが、学校の選択基準、国語の基本についての考え方は変わらないと思った。

  • 商品説明

    漱石研究の第一人者である大学助教授・石原千秋が、中学受験に“はまった”異色の1冊。もっとも、著者が受験したわけではない。彼の息子が、である。本書は、中学入試に挑んだ一家の顛末(てんまつ)を赤裸々に描いた体験編「僕たちの中学受験」と、国語の入試問題の説き方を手ほどきした国語問題読解編「入試国語を考える」の2部で構成される。

    体験編ではまず、中学受験に乗り気でなかった父親が、なぜ受験を是とするようになったのかが語られる。その心変わりを追っていくと、現在の教育制度や公立学校が抱える欠陥が垣間見えてくる。だが、中学受験は生易しいものではない。模擬試験の偏差値に一喜一憂し、志望校選びに翻弄(ほんろう)される日々。それらは冷静な筆致でつづられているものの、「『中学受験は親の受験』という言葉が身にしみた」とのひと言に、著者の本音がのぞく。

    一転、国語問題読解編では、著者が文学研究者としての本領を発揮し、有名中学校の入試国語の「過去問」を徹底分析。読解のルール、ノウハウを指南する。ロラン・バルトの「物語は一つの文である」との考えをベースに、問題文の把握の仕方、設問の意味などを克明に解説する。この法則さえ会得すれば“入試国語恐れるに足りず”、というわけだが、果たしてうまくいくかどうか…。

    400ページとボリュームはあるが、一気に読ませる。子どもの中学受験を考えている親はもとより、中学受験に無縁な人にも一読を強くおすすめしたい。(清水英孝)

    内容(「BOOK」データベースより)

    この本は二部構成になっていて、体験編では、中学入試に対する僕たちの戸惑いや試行錯誤を出来るだけ率直に書いた。そのほうがかえって参考になると考えたからだ。一方、国語問題読解編では、著者の研究者としての分析力をフルに発揮した。「国語」に隠されている見えないルールを炙り出すという読解法は、入試国語に強くなるだけでなく、「学校」空間というものについて考える契機となるだろう。だから、この本は著者の学校論でもある。

    内容(「MARC」データベースより)

    学級崩壊のただ中にいた小学生の長男とともに、難関中学受験へ。二人三脚の塾選びや受験生の日常の過ごし方などを描くほか、中学入試国語の革命的な解法を、漱石研究で知られる著者が具体的に解析する。

    目次

    第1部 僕たちの中学受験(僕たちの学校 受験が始まった 入試問題とはどういうものだろうか 塾と家庭 ほか)
    第2部 入試国語を考える(隠されたルール 「国語」の基本型 二元論で考える 「言葉」を読む ほか)

    *オフィス樋口Booksの記事と重複しています。アドレスはhttp://books-officehiguchi.com/archives/3835634.htmlです。

    この本の第一部は著者の子どもさんの中学入試の経験について述べられている。中学入試を考える際、塾の選び方など参考になる部分があると思われる。第二部は中学入試の国語の問題を用いて、著者の視点で解き方などを分析している。ただし、出版された年が1999年であるため、現在の入試傾向と異なっている可能性が考えられる。今後の課題として、この本で取り上げられている入試問題の解き方が現在の入試問題の解き方に対応できるかどうか分析したい。

  • 早く読みたい

  • 08/08/30、ブックオフで購入。

  • 漱石研究の方がかかれたよ。

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著者プロフィール

1955年生。早稲田大学教授。著書に『漱石入門』(河出文庫)、『『こころ』で読みなおす漱石文学』(朝日文庫)、『夏目漱石『こころ』をどう読むか』(責任編集、河出書房新社)など。

「2016年 『漱石における〈文学の力〉とは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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