怪物がめざめる夜

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 33
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106006548

作品紹介・あらすじ

怪物に餌をやるな。今ではそう言いたい。若者のカルト的人気を得る深夜放送のヒーロー。この"創られた天才"が、突如、自己を主張し反逆を始めた。毒舌で大衆を扇動しつつ、攻撃の矛先を意外な方向にむけた…。最も今日的なに挑む小林信彦の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  •  放送メディアに関係する主人公含む人物たちが、ゴーストライターとして一人の匿名の人物を立ててした企画が見事にあたって世評を呼ぶ(たいしたアイデアでもないように思うが・・)。その当事者探しが騒がれ、窮したかれらがその代わり仕立てた(操作しようと目論んだ)人物のその邪悪に翻弄されるという噺。社会のあらゆる局面で起こる人間関係=力関係の逆転は別にめずらしくもないけれど、その人物を怪物と化した思わせるのはラジオ放送(メディア)を通して相対して聴くリスナーの心理を掌握(操作)を可能とする危険=恐さにある。
     怪物とその生みの親との関係は『フランケンシュタイン』のそれとも相似する。映画『イヴの総て』『トーク・レディオ』なども連想された。
     作中語り手がこぼす人物評・・人間観というかその才能のかたち(在り方)を洞察する部分は鋭さ(説得力)を感じさせた。怪物と化した神保へののめりこみ・・愛憎半ばする思い・・その才能に惹かれ断ち切れないでいる心境はうまく終幕の場面にあらわされている・・苦い目に遭ったもののためらいつつもまた違った才能に惹かれる(発掘する)という業界人の性(?)。

  • 001.初、並、函、帯(傷み)付き

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