デュ-ラ- (新潮美術文庫 6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106014062

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  • (2004.03.27読了)(2004.03.06購入)
    アルブレヒト・デューラーは、ドイツ・ルネッサンスを代表する画家である。千足さんは、「ラファエルロ一人、ティツィアーノ一人を欠いても、イタリア・ルネッサンスはなおイタリア・ルネッサンスでありえたかも知れない。が、デューラーなきドイツ・ルネッサンス、それは太陽なき太陽系に等しい。」といっている。
    ドイツ・ルネッサンスの画家としては、クラナッハ、ホルバイン、アルトドルファー、グリューネヴァルトといった人たちがいる。彫刻家としては、リーメンシュナイダーがいる。
    デューラー
    1571年5月21日 ニュルンベルク生まれ。父は金工、入った工房の師の娘と結婚。二人の間に十八人の子が生まれたが成長したのは3名のみ。
    1486年 15歳から4年間、画家ミヒャエル・ヴォルゲムートの下で修業。
    1490年 当時の慣例に従い遍歴の旅に。4年間。
    1494年7月7日 アグネス・フライと結婚。
    1494年‐95年 イタリア旅行。ヴェネツィア、マントヴァ、パドヴァを訪問。
    1505年‐07年 イタリア旅行。ヴェネツィア、ボローニャ訪問。
    1528年4月6日 死去 56歳。

    デューラーを初めて見たのは、デューラーとドイツ・ルネッサンス展というような1970年代に開かれた版画を中心にした展覧会だったと思う。「メランコリア」「書斎の聖ヒエロニムス」「騎士と死と悪魔」「ヨハネ黙示録」などを見て描写力の確かさと画面に漂うふしぎな雰囲気に魅せられてしまった。1974年のヨーロッパ美術館めぐりの旅では、スペインのマドリードにあるプラド美術館で「27歳の自画像」「アダムとイヴ」「ある男の肖像」。ドイツのミュンヘンにあるアルテ・ピナコテークでは「29歳の自画像」(正面向きでキリスト像のようである)「四人の使徒」。オーストリアのウィーンにある美術史美術館では、「若い娘の肖像」「皇帝マクシミリアン一世」。同じウィーンのアルベルティーナ素描館では、「野兎」「草の茂み」。等を見ている。この画集には、32点の絵画が紹介してあるが、半分ぐらいは、実物を見ていると思う。画集は、版画を取り上げていないのでそれが残念である。せっかくのカラーなので、白黒の版画を取り上げてもしょうがないということか?
    油彩もすばらしいがデューラーの真価は、版画の作品にあるような気もする。
    (参考・「大辞林」より)
    デューラー [Albrecht Dürer] (1471-1528) ドイツの画家。ドイツ-ルネサンス最大の巨匠で、優れた自然観察と写実性とによって、肖像画・風景画に荘重な深みのある精神性をみせた。木版画・銅版画にも傑作を残した。
    クラナッハ [Lucas Cranach] (1472-1553) ドイツ-ルネサンスの代表的画家。宗教画・肖像画に深い精神性を表現。ルターの友人で宗教改革の支持者でもあった。
    ホルバイン [Hans Holbein] (1497-1543) ドイツの画家。デューラーと並ぶドイツ-ルネサンスの大家。特に肖像画にすぐれる。父も同名の画家で、父と区別して小ハンスと呼ばれる。

  • ドイツ・ルネサンスの巨匠アルブレヒト・デューラーの作品解説および簡単な伝記。現状多くの作品はネット上でダウンロードできるが、簡潔な作品紹介が実にありがたい。

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著者プロフィール

千足伸行(せんぞく のぶゆき)
美術史家、成城大学名誉教授。1940年東京生まれ。東京大学文学部卒業後、TBS(東京放送)を経て国立西洋美術館に勤務。1970〜72年、西ドイツ(当時)政府給費留学生としてミュンヘン大学に留学。主にドイツ・ルネサンス美術を学び、帰国後、国立西洋美術館に復帰。1979〜2011年、成城大学に勤務、現在は広島県立美術館館長。ヨーロッパ近代、特に世紀末美術を専門とし、多くの展覧会も企画。編著書に『世界美術大全集 西洋編』『アールヌーヴォーとアール・デコ』『交響する美術』(以上、小学館)、『もっと知りたいクリムト』(東京美術)、『隠れ名画の散歩道』『ゴッホを旅する』(以上、論創社)など多数。

「2021年 『画家たちのパートナー その愛と葛藤』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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