新潮日本美術文庫 10

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106015304

感想・レビュー・書評

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  • 伊藤若冲のやつ。
    若冲はやっぱり派手なのがいいよ。ドーン!!としてる強い赤!鶏!みたいなの。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“コンクラーベ”で登場。
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/28.html


    下北沢B&Bの嶋浩一郎さんが、高所恐怖症の福田彩乃さんへ向けてプレゼンした1冊。
    『福田さん以上に日本でにわとりの観察をされた方だと思うんですよね』
    『この本を読んで、よりニワトリのものまねに磨きをかけていただきたいなと』(下北沢B&B 嶋浩一郎さん)

    残念ながら、結果は惜敗!福田彩乃さんの今読みたい本には選ばれませんでした。。


    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/teaser.php

  • 新潮日本美術文庫 10 伊藤若冲 Ito Jakuchu
    テレビのBS番組で、6時間に亘り、科学的に、解説されていたので、著名な絵画は、画面上で、拡大して、科学的に分析され、鑑賞することが叶ったが、その他の絵が、見たくて、図書館で、借りてみた。小林忠氏による解説である。
    「濃彩による細密表現」:「動植綵絵」30幅のうち、「群鶏図」など
    「水墨による略画表現=筋目描き」:「菊図」など
    「枡目による色点表現=モザイク画法」:「鳥獣草花図屏風」
    「石槢ふうの水墨表現=石槢絵」: 「石灯籠図屏風」
    「木版画の新表現=拓版画及び着色版画」:「鸚鵡図」、「乗興舟」
    こうしたユニークな奇技を駆使して、江戸時代に、享保の改革から、田沼意次の時代、天明の大飢饉を経て、1800年、85歳で没するまで、描き続けた。しかも、相国寺の禅僧、大典顕常の知己を得て、多数の作品を寄進したのも、元来青物問屋の主人でありながらも、敬虔な仏教徒とで、「草木国土悉皆成仏」のような一寸ユーモラスな「草木や植物、野菜も悉く、皆、成仏する」という釈迦涅槃図を、もじったような絵すら、深遠な「哲学的な思想性」を感じざるを得ない。それは、「写実・細密主義」という単純な枠組みにとどまらず、単に、鶏や鸚鵡や鷲や、魚や貝や、動物や糸瓜を描いただけではなくて、又、その技法が、如何に優れていたかだけではなく、その背後に存在する作者の普遍的な宇宙的な「描くこと」に対する「哲学」を感じざるを得ない。何とも、その問いかけには、すさまじいモノを、今日でも、その作品を通して感じざるを得ない。光と陰、陰と陽、黒と白、ネガとポジ、極彩色、見る人の陽の光や、陰や、部屋の陽の光の射し方にも、熟考に熟考を重ねて、描かれている手法、遠近法、絵の飾り方など、小さな紙の上の写真だけでは、その科学的な検証は、難しいであろう。ハイビジョン・カメラの番組の方が、確かに、今日、やっと評価が高まりつつある若冲の良さは、改めて、再認識されよう。言うまでもなく、有名な代表作である「動植綵絵」等も、良いが、一風趣を異にする晩年に描かれた7体の布袋を縦に並べて、描かれた「伏見人形図」は、何とも、ユーモラスであるが、なかなか、解釈の仕方が、難しいモノであり、同じく、最晩年に描かれた「岩頭猛鷲図」とは、全く、異なり、個人的には、大変興味深く感じられた。この本には、むろん、全ての作品が、表現出来る程のスペースも、大きさもないし、それを期待する方が無理ではあるが、テレビで取り上げられていた大典僧侶と淀川を下って、大坂に赴く拓版画の淀川両岸図巻、「乗興舟」の空の色を漆黒の墨で、顕した作品が、見れなかったのは、大変残念である。濃彩による細密表現や、ふぐの薄作りを思わせるような筋目画きの水墨画もさることながら、「版画」が、ネガ・フィルムのように、ことさらに、秀逸である。改めて、録画しおいたビデオを見直そうと思う。それにしても、戦後、数百万円で、幸か不幸か、プライス・コレクション等で、海外の目利きの美術愛好家らによって、散逸を免れ、生き残れたことは、日本人としては、口惜しいところであるが、何はともあれ、貴重な文化財が、どういう形であれ、今日までも、保存されてきたことは、喜ばしい限りである。

  • 小さいので持ち歩き用。

  • 狂気寸前。美とは。

  • この緻密さ。正気ではできない技だと思う。「群」という構図にも圧巻。

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著者プロフィール

1941年東京生まれ。東京大学美術史学科卒業、同大学院修士課程修了。東京国立博物館絵画室員、名古屋大学助教授、東京国立博物館調査室長・情報調査研究室長を経て、現在、学習院大学教授、千葉市美術館館長、美術雑誌『國華』編集委員。
若冲はじめ玉堂・抱一など研究対象の豊富な近世絵画、春信・歌麿・北斎らが絢爛と活躍した浮世絵、それらの研究を主導し、独自の小林史観を確立。伊藤若冲の魅力をいち早く公に紹介したり、はじめて「春画」を学術研究の対象として扱うなど、その功績は大きい。

「2010年 『江戸の絵画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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