- Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106021350
作品紹介・あらすじ
画壇の流行に背を向け、半・隠遁生活のなかでひたすら描きつづけた「孤高の画家」バルテュス。誤解と賞賛に彩られた人生の物語を、アトリエや寝室、素描帖の初公開写真と節子夫人の回想でたどる。
感想・レビュー・書評
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『バルテュスの優雅な生活』を読了。
バルテュス作品は一見するとスキャンダラスな題材でいて、
しかし官能的というよりむしろ神秘的かつ戦慄的。
さらに作品だけでなく画家本人の生き方も、
興味をかきたてられる静謐で不思議な物語のようです。
作品のみならず
タイトル通りその優雅な暮らしを伺い知ることができる
ステキ写真満載のこの本。
なんせもう、自宅がお城だからなあ… そして別荘もお城!
ストイックな美の求道者ぶりが伺われるアトリエの様子、
菩提樹の香りのコロンなど瀟洒な愛用品、
親日家らしい粋な和服姿、
そんな数々の美しい写真に心奪われます。
このステキなお城での暮らしをテーマに
バルテュス夫人である節子・クロソフスカ・ド・ローラさんが
著書を数冊出されてるそうなので、こちらを読むのも楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『ギターのレッスン』、『夢見るテレーズ』などのスキャンダラスな作品でバルテュスを知って、「少女を描き続けた画家」みたいなイメージが強かったのですが、本書に収録された彼のアトリエ風景や節子夫人の回想を見たり読んだりするうちに、印象が変わりました。バルテュスの穏やかな表情と、彼を包む美しき自然や恵まれた交友関係を知れば、このバルテュスという20世紀最後の巨匠の持つ、画家としての生き方に心を奪われます…。作品も代表作を中心に網羅されていて、陶酔の1冊です。
(個人的に驚いたのが、バルテュスとバタイユ夫妻にはドライブをするほどの交友関係があって、バタイユの娘ロランスのヌードをデッサンで描いていた、というところですかね) -
タイトルのイメージとは違うバルテュスの生きてきた轍の凄さにひかれた。「芸術家ではなく職人としての絵描きだ」と言い切っているところが揺るぎないバルテュスの凄さ・・・
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自身も画家である節子夫人の手による本書は、文書だけでなく、作品、住まいやアトリエなど沢山の写真が掲載されている。
そしてそこからは、夫婦の絆と素敵な関係が伝わってくる。
写真が多いのでサラリと読めるが、内容の濃い一冊だと思う。観て楽しめた。 -
バルテュスは少女の姿に美を発見した……とかなんとか書いているが、この人にはルイス・キャロルと同じ匂いを感じる。
ロリコンと呼ばれる人には、少女を性欲の対象にする人と、「少女になりたい」人(憧憬)に分けて考えられる。
このうちの後者。
かといって後者が前者を含まないとは言い切れないところが、根深いところ。
これ以上は言わない。しかしバルテュスの描いた絵は、とてつもなくセクシャルで謎めいていて魅力的なのは相違ない。
それにしてもエエオトコ。 -
「夢みるテレーズ」を実際に見てすっかりはまりました。彼の絵が『ロリータ』の表紙を飾っていたとは発見でした。
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バルテュスの人生を、多くの作品画像と共に追いかけたカラームック。お風呂につかりながら、それこそ優雅な気分で読みました。若い頃のスキャンダラスな作風と、人生を通じて多く描いた少女画とは別の動機から来たものだった、というのを知って「へえ〜」という感じ。
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「ギターのレッスン」「夢見るテレーズ」などの有名な絵の写真をふんだんに盛り込み、わかりやすく解説した本。
絵の解説だけにとどまらず、バルテュスの交遊録や暮らしなども紹介されており、偏りのない内容です。 -
奥さんがかわいい、あと猫のクッションがすごくいい!
バルテュスの小さい頃の写真もかわいい -
最近少女趣味の画家ばかり。。。
会田誠の作品の叫びで知った。
『私はバルテュスになる!』
そうか、この人か。
奇妙な静寂とむき出しの処女性。
これがまた、かなりの二枚目なんだよなぁ。