- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106021763
作品紹介・あらすじ
白洲正子が平明な言葉で語る、"お能のこころ"入門書。能楽写真の第一人者・吉越立雄の臨場感あふれる舞台写真とともに、白洲正子が演目や能面についての独特の解釈を展開する。小林秀雄・正宗白鳥が賛した名著が装いも新たによみがえる、1993年版とんぼの本『お能の見方』のリニューアル新版。巻末に能曲『忠度』を題材にした未発表小説「ものがたり 故郷の花」を単行本初収録。
感想・レビュー・書評
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昨年までは、薪御能など辛抱強く待てばなかなか良い席があるようなものを観に行った。
面は不思議で、こちらを向いていると、本当に目が合っているような磁力がある。
実際に観にいったうえで、改めてこの本を読むと「なるほど」と思うことが多く新鮮だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでおきたいとこだけ
白洲正子はさすがだなー
相変わらず
なんだったか、「どきどきするものだけが美しい」というのを読んで震えたものだったけども、この本でも相変わらず冴えてる
女性的なのか、ズバズバと。余計な権威を感じて、ありもしないファンタジーのようなものをつくっていくのは割と男で。
言ってみればそれだけのもの、だけどそこに捨てがたいものがある、という率直さは案外、男には持ち難いのでは。
清々しい感性だった -
-------- Yes! iPhone
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能を紹介するというより、能についての著者の考えが書かれている本。
印象に残ったのは以下の部分。
「過去は、常に現実という仮面の奥に隠れている。よくお面のような表情と言います。それは気味が悪いが、歴史の不気味さであり我々人間の不可解さではないでしょうか・・」
古典を勉強しにお能を見るなんて邪道です。
芸を見分けるのに、知識の不足謎問題ではありません。なまじありすぎて邪魔になる場合が多い・・・
美しさをただ、眼にする。見れば直ちにわかることがあるという。難しく考えなくても見れば自ずと感じるものがあるということなのか。 -
能がすごくわかりやすい。歌舞伎を下に見まくりなのは笑える
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舞台はシテ一人の場所。他は皆「舞台」の外。本来の観客は神一人であり、我々はそのおこぼれを見ているに過ぎないのかも。
古来より形を変えて継承しているため、筋に不自然なことも多いが、アバウトに楽しみ、舞台の美を感じることが最上の見方であるようだ。有名な能を写真付きで説明してあるので、入門書として最高。著者の能の知識の深さには脱帽。 -
僕は能が好きです。
歌舞伎、文楽、能、狂言のなかで
正直最も難しく捉えられるのがこの能ではないでしょうか
その難解さ故に好きになったのかもしれませんが
それよりもただただあの舞いと音に瞬時に意識がフッと入り込む
それが僕にとっての能なのです。
幼少期から能を習い、免許皆伝まで至った白州正子さん。
そんな方ならではの能についての書物
僕は入門と言わず読んでおきたいと思います。
特に
「人からぬすんだものは身につくが、
教えられたものは忘れてしまう
とはあらゆる道の熟練者がいうことです。」
という文章には能を楽しみ理解する為の本質が
隠れている筈ですから^^ -
高校生のとき以来、久しぶりに再読。通常の能楽紹介本とは違い、白洲正子さんのフィルターを通してみる能楽の世界は発見することが多い。通常の人が到底いきつかないような深いところまで白洲さんの眼には見えている。
リニューアル新版の本で、巻末に能曲「忠度」を題材にした未発表小説もおさめられている。白洲正子さんの小説を初めて読んだ。