五重塔入門 (とんぼの本)

  • 新潮社 (2012年1月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784106022296

感想・レビュー・書評

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  • 日本で五重塔が各地に建てられた理由を学ぶことができる。写真が多めで楽しい。まず、五重(五層)である宗教的な理由に納得した。確かに、インド由来の仏舎利塔(土饅頭)の先端にあるアンテナのような装飾物を見ると、5つの物体が串刺しというかお団子状に重なっている。これが理由だったのか。。。

    世界で最も古い木造建築物は法隆寺の五重塔である。地震の多い日本において、1,300年以上現存している奇跡に改めて驚かされる。その次が京都の醍醐寺であり、こちらも1000年以上の歴史がある。本書では他にも全国の五重塔を紹介しているが、いずれも古い歴史があることが分かる。

    日本の現存天守閣12棟が概ね17世紀以降に建築されたのに対し、現存する五重塔の数は多く、いずれも歴史がある。戦乱に巻き込まれず、また塔の中に入れないことが多いことも、現存できた理由だろうか。奈良時代には七重塔もあったらしく、最大で高さ100メートル近くの建築物になったようだ。古代の大工職人、とび職人の技と施工方法がどのようなものだったのか興味深い。

    そして、全国の天守閣が最大5層(5屋根)であることも興味深い。最高権力者(信長⇒秀吉⇒徳川幕府)に配慮して、5層を超える天守閣が無かったのだが、徳川幕府自身が6層以上の天守閣を建築しなかったのは何故なのだろうか。天守閣と五重塔、江戸期において双方が5層のまま巨大化しているからである。5層天守は、仏教(五重塔)と関係しているのだろうか。時間があれば調べてみたいと思った。

    今年のGWは残念ながら旅に出る余裕が無いが、「五重塔めぐり」という新たなテーマが自分の中でひそかに芽生えた一冊であった。

    • 本ぶらさん
      こんちは。ご無沙汰しています。
      蒲生氏郷の会津若松城天守は、7層くらいあったっていうのを何かの本で見た記憶があります。
      ちなみに、今ウィ...
      こんちは。ご無沙汰しています。
      蒲生氏郷の会津若松城天守は、7層くらいあったっていうのを何かの本で見た記憶があります。
      ちなみに、今ウィキペディアでみてみたら、望楼型7重(5重5階地下2階とも)とあります。
      城は小学生の頃に興味があって。あくまで、その時の知識なので確かな知識ではないと思いますけど、屋根の数を「層」、実際の階数を「重」という風に覚えていました。
      福山城の天守なんかは、屋根が5つなんですけど、一番下が2階建てになっている(ように見える)ので6重(6階建て)なんじゃないですかね?

      Sintolaさんも書いているように、天守に5層が多いのは五重塔からきているというのは聞いたことがあります。
      ただ、それもあくまで小学校の頃の知識です(^^ゞ
      2024/05/03
    • Sintolaさん
      本ぶらさん
      コメントありがとうございます!
      会津若松城について、私も調べてみました。現在の5層天守は「天守台」目一杯に立っておらず、余剰土地...
      本ぶらさん
      コメントありがとうございます!
      会津若松城について、私も調べてみました。現在の5層天守は「天守台」目一杯に立っておらず、余剰土地があるようです。蒲生氏郷時代は一回り大きい七層が立っていた可能性はありますね。
      5層天守と宗教との関係性も含め、城郭建築の本も読んでみたくなりました。ワクワクする話題のご提供、ありがとうございます!
      2024/06/03
  • 東京始発の新幹線で京都旅行に出かけ、朝一番に目指したのが東寺(教王護国寺)。壮観な五重塔を眺めたかった。その実物に刺激されて手に取ったのが本書。五重塔の仏教的由来から全国各地の現存の塔の詳細まで丁寧に解説されている。室生寺の塔の高さがその立地条件に合わせて良い加減であるといった解説にはうなずける。

  • 資料番号 : 011461118
    請求記号 : 521.8フ

  • 美しく芸術的。4.7mから56.6mまで、11塔の紹介。

  • 日本には国宝の五重塔が11基ある。これまでに行ったところはわずかに5箇所。この本を読んで、それぞれの五重塔の成り立ちや美しさの由来、それに構造的理解を再認識したが、建築史を学んだ者にしてこの様ではしようがない。一念発起全てを訪ねることを思い立った。同好の士があればなおよいのだが。

  • 国宝に指定されている11基の五重塔の工法等の解説書。大変興味深く読ませて頂きました。

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著者プロフィール

1946年長野県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は近代建築、都市計画史。東京大学名誉教授。現在、工学院大学教授。全国各地で近代建築の調査、研究にあたっている。86年、赤瀬川原平や南伸坊らと「路上観察学会」を発足。91年〈神長官守矢史料館〉で建築家としてデビュー。97年には、〈赤瀬川原平邸(ニラ・ハウス)〉で日本芸術大賞、2001年〈熊本県立農業大学校学生寮〉で日本建築学会賞を受賞。著書に『日本の近代建築』(岩波新書)、『建築探偵の冒険・東京篇』『アール・デコの館』(以上、ちくま文庫)、『天下無双の建築入門』『建築史的モンダイ』(以上、ちくま新書)、『人類と建築の歴史』(ちくまプリマー新書)、『藤森照信建築』(TOTO出版)などがある。

「2019年 『増補版 天下無双の建築学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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