ヴェネツィア物語 (とんぼの本)

  • 新潮社
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本棚登録 : 117
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106022319

作品紹介・あらすじ

「ここは色彩に溢れた織物のような街」。一千年にわたる共和国の興亡を描き尽くした塩野七生が「海の都」への想いを語り、国家と芸術家の“幸福なる関係”を解き明かす。さらに、豊饒なる美の遺産――比類のない景観、巨匠達の傑作を美術史家・宮下規久朗が徹底案内。水上の迷宮に、歴史・美術・建築からアプローチする至福の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 『ヴァチカン物語』より面白かった。美術史の流れがよくわかる。そしてヴェネツィアに行きたくなった。日本で見ることのできる西洋美術は、ほんの一握りにすぎないと改めて痛感。

  • 塩野さんの「海の都の物語」の舞台であるヴェネツィアについて,美術の観点を中心に,歴史とヴェネツィア人が創り出した作品を中心としてまとめられた作品です。半年ほど前に出版された「ヴァチカン物語」と同じシリーズです。
    最初の塩野さんのヴェネツィアに関する,美術や観光という観点から見た文章は,塩野さんとしては珍しい観点からのものだなと思って読んでいました。ヴェネツィアには,新婚旅行で一度行ったことがありますが,そのときも,塩野さんがここで書いていらっしゃる「色彩」に強い印象を持ちました。ヴェネツィアといえば,その独特の構成や,海,島,橋といったところが特色ですが,それに加えて「色彩」というのも大事な要素だということを,今回再認識できました。
    また,中盤以降の宮下規久郎さんの「ヴェネツィア美術案内」で,これまでのヴェネツィアの美術史の知識をより体型的に,深く理解することができたと思います。やっぱりヴェネツィアは,ティツィアーノ,ティントレット,ヴェロネーゼの3人の存在が大きいですね。

  • ヴェネツィアに行きたい。

  • 「塩野七生女史の新刊が出た」と思って読んでみました。
    でも実際彼女が登場するのは冒頭のほんのちょっとでした。

    この本は『芸術新潮』昨年の11月号を増補・再編集したものです。
    今回『とんぼの本』になって塩野女史に冒頭を飾ってもらったのです。

    おもな執筆は宮下規久朗神戸大教授。
    写真が綺麗でとても面白いです。素晴らしい教授。
    時々彼の姿が写っていて、「ああ、本当に好きな仕事をしているんだなぁ」と微笑ましかったです。

    芸術新潮は基本は1400円です。時々高いです。
    この回は1500円でした。
    とんぼの本に編集されて1600円。

    宮下教授が書かれた部分で、『芸術新潮』とは違っていたのは以下のとおり。

    『芸術新潮』
    コラム
    1 原風景を探して島々へ
    2 橋づくしの迷宮都市
    3 女の話あるいは共和国の “ 性 ” 治学
    4 主にお墓です 。 駆け足彫刻史

    『とんぼの本』
    ヴェネツィア彷徨
    1 共和国の原風景を宿す島々の話
    2 迷宮を繋ぐ橋の話
    3 陰日向に生きた女たちの話
    4 ヴェネツィア彫刻史

    明らかに読者のターゲットが変わったのだと感じられます。
    塩野女史に登場してもらっていますし。

    芸術新潮は完売しているので内容の確認はできませんが、こんなふうにちょっと見出しを変えると全然違うイメージになるんだなぁと思います。

    そういえば昨年『世界遺産ヴェネツィア展』を東京で見たときに
    「カルパッチョの『二人の娼婦』が切り離された絵が発見されたときに『二人の貴婦人』に変わってしまった
    そんな風にちょっとしたきっかけで芸術が180度変わってしまうのだ」と
    それに似ていると思いました。

    今京都に巡回しているヴェネツィア展に行きたくなりました。

  • 塩野女史と宮下氏の共著です。

    Veneziaへ自然と誘われます。
    Italiaに関する書籍を多く記した塩野女史だからこそ説得力があります。
    往時の周辺国の王侯貴族だけではなく、この国に縁の有る絵画や彫刻、教会等に触れる事が出来、
    この1冊でVeneziaを旅している気分を味わえます。

  • 前半は『海の都の物語』の塩野七生氏が文章を書く彼女の経験に基づいたヴェネツィアのざっくりとした歴史、後半は美術史家の宮下規久朗氏の分かりやすいヴェネツィア美術史。
    写真が美しく、うっとりとしてしまう贅沢な本でした。

  • タイトルは『ヴェネツィア物語』だが、実質的には「ヴェネツィア美術案内」といった内容。前半は塩野七生のエッセイで、スルタン・マホメット2世のもとにベッリーニを送り込んだように、「外交の武器」としての絵画、また現代では観光の核としての屈指の美術都市ヴェネツィアを語る。後半は宮下規久朗によって、やや体系的にヴェネツィア美術史が語られている。しかしヴェネツィアは、海運王国としての地位をオランダやイギリスに奪われた18世紀以降でさえ、「優雅なる衰退」などと、まことにどこまでも艶麗なのである。

  • ヴェネチア発祥のハイヒール、ゾッコリ(zoccoli)はカラフルだけど、形は歯の長い下駄みたい。ヴェネチアの写真はとても綺麗に撮れている。彫像と言うとギリシャ彫刻のように白のイメージがあったが、元首ジョヴァンニ墓廟にある黒人奴隷の像は黒く、白目だけくっきりしててビックリ。

  • ヴェネチアに行く前に読んだ本。
    ヴェネチアの成り立ちや文化、絵画などの芸術がどのように形作られてきたかが完結かつ明快に書かれている。
    写真も多く、こと芸術家に対してはかなりスポットをあてて紹介しているのでわかりやすかった。
    おかげでヴェネチアでの旅行もより一層楽しめたように思う。

  • かの塩野七生さんと美術史家の宮下 規久朗共著の歴史と美術からヴェネチアを紐解く本。貴族が政治を担い共和国が出資して建築や美術が栄えたヴェネチアと、商人や金融業者出身の貴族の競合から発展したフィレンツェとの対比が面白い。政治や観光にもその美術や歴史的建造物を利用し、トルコをも懐柔していたという逸話も興味深かった。やはり美術の栄えるところに理解ある出資者ありきなのだろうな、と思う。また塩野七生さんが個人的にホテルや映画などのお薦めも記載されていて、ちょっとお得な一冊。

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