熱闘! 日本美術史 (とんぼの本)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 102
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106022562

感想・レビュー・書評

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  • 村上隆がうねうねしてて面白い

  • 非常に読み応えのある一冊。これが休載がありながらもほぼ毎月連載されていたかと思うと震えます。
    インド美術の2章、道祖神の章が面白かった。日本各地に存在する〈性器神〉。私たちはどうも(笑)のような気持ちで見てしまうけれど、当時の人たちはどのような思いでこの像を作り、祈っていたのか。それにしても愛知県 田縣神社で毎年行われているという豊年祭に登場する藁人形のユーモラスさよ!!
    これに応える村上隆は我が意を得たり、といった風情だが、後半に連れて盛り上がる村上隆の『五百羅漢図』へのやりとりはまた違う趣きを見せている。
    伊藤若冲、長沢蘆雪、曾我蕭白、白隠…彼らを消化して貪欲に進む村上隆が、東日本大震災を目の当たりにして描いた救済とは…!?

    完成された作品を見て改めて、村上隆とそして辻先生とが『五百羅漢図』に寄せた並々ならぬ思いを感じる。そしてそれは何百年前から続いてきた祈りの形のひとつなのだ。

  • 2009年10月号〜2011年12月号まで、芸術新潮に連載した「ニッポン絵合せ」を再構成したもの。
    鳥居強右衛門(すねえもん)勝高逆磔之図の絵合せ「村上隆逆磔之図」最高!
    途中、ウソかホントか、カイカイキキの経営が傾き、連載が休止してしまうところが、日本アート界の窮状をリアルに表していて興味深い。

  • 図版を見ただけで胸がいっぱいになってしまった。
    収穫はMIHOミュージアムの二種の象と鯨図屏風の図版がはからずも載っていたこと。
    福岡伸一さんが、エッセイに書かれていたので是非見たいと思っていた。
    先日読んだライアル・ワトソン「エレファントム」に出てくる白象と鯨の出会いそのままの図。不思議!

  • 辻先生の新刊だ!読みたいけど村上隆は嫌だなぁ…とめくってみたらとんでもない18禁画像が満載で、やっぱり許容できないと感じながらも読み始める。対決…というわけではないですが、序盤は圧倒的に辻先生が優勢で、村上隆は文章も面白くないし、作品も不快。ところが、白陰のあたりから村上パートが面白くなりはじめる。磔之図やインドの女神のような身体を張った作品はかなりいい勝負。かえってインド旅行話は辻先生が意外におぼっちゃん気質だなぁとちょっと評価を下げた。芦雪の米粒みたいな作品で村上優勢。村上春樹の部にいたっては、辻先生の階段話×村上隆の映画「ノルウェイの森」話の超ボリュームにあきれつつ、春樹ファンじゃないけど引き込まれた。そして、おそらく大震災の影響もあってか、狩野一信の五百羅漢など羅漢話が連続展開され、村上隆の超巨大作につながっていく。この内容の濃い取り合わせが雑誌連載で、村上隆みたいな現代のスーパー巨匠が毎回新作を描き下ろすという企画自体も、途中、本当なのかと何度も疑ってしまった。秋の村上隆の五百羅漢展は見に行こうと思う。読み終わって感銘を受けたことに我ながら驚くことになった本だった。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授/多摩美術大学名誉教授

「2021年 『日本美術の歴史 補訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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