遊廓に泊まる (とんぼの本)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 186
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106022845

作品紹介・あらすじ

女性一人でも気軽に泊まれます。売春防止法施行から60年。地図上から「遊廓」は消えても、転業旅館や飲食店として今なおその姿を留める元妓楼があった! そんな希少な現役営業中の「泊まれる遊廓」を渾身取材。独特の意匠を誇る廓建築の内外観を隅々まで撮影し、往時を知る人々の証言を収載。奇跡のように残された20の「夢の跡」へ、ディープにご案内する。

感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    昭和33年4月、売春防止法が施行され、日本地図から「遊廓」は消え、娼妓たちは去り、建物が残った。その後、あるものは元妓楼経営者の住処となり、あるものはアパートや店舗となった。60年を経た現在、建物の老朽化が進み、取り壊されたものも多いが、いまなお奇跡的にその姿を留めているのが「転業旅館」。現在全国にわずかに残る、現役で営業中の「泊まれる遊廓」を渾身取材。独特の廓建築を内観外観ともに隅々まで撮影。往時を知る人たちの証言も収載。これぞ日本最後の遊廓の姿を伝える貴重な記録である。

    編集者の文章かもしれないが、的確な内容紹介と、本全体に漂う匂いまで伝えて名文だと思い、そのまま載せさせて貰った。

    私の一人旅のテーマは、多くは「古代と平和」なのだが、それ以外ならば「観光地ではない処」となる。遊郭なんて、もうぴったし。昨年京都に行った時は、仲良くお話した喫茶店のおばさんが「実は彼処は昔は遊郭でね」と写真映えする建物を教えてくださったのだけど、そこも御多分に漏れず引継ぎ手が居らず空き家になっていた。この本には、なんとか訪れることのできる「転業旅館」や「転業店舗」が16軒ほど載っている。是非とも行きたいものだが、東北のそれも多く、行くのに難しいところが多い。その中で、機会か有れば行きたい所をピックアップした。

    ・今や料亭になっていて、金持ちの道楽を唆すことが出来たら行きたい所。国指定登録有形文化財・飛田新地「鯛よし百番」(大阪市西成区)

    ・映画「五番町夕霧楼」の舞台。元遊郭街で経営している焼肉店「江畑」。遊女の座敷牢があるらしい。(京都市上京区四番町)

    ・京都で泊まれそうな旅館「宿や平岩」(京都市早尾町3-4 075-351-6748)素泊り4000-6000円。かつては七条新地と言われた遊郭街。元歌舞練場は現・五條会館、五條楽園を代表する遺構の本家三友は、写真映えする。

    ・多津美旅館(京都府八幡市橋本中ノ町15 075-981-0166)素泊り3000。周りの景観と共に雰囲気は最も良く残っている。橋本駅のホームから、かつての歌舞練場(検番も兼ねる)も見えるらしい。現在はアパート。

    ・西日本で唯一行けそうな宿。一楽旅館(広島市中区西平塚町2ー17 0862-244-2028)素泊り4000。原爆で焼失した後、昭和25年建築、33年のあとは連れ込み旅館、建築労働者の長期利用館、外国人安宿と生きてきた。様々な意匠に発見がありそう。

    何処もホームページはない。電話で連絡して行って欲しい。

  • 売春防止法の施行によりすべての遊郭は廃業しましたが、その後、旅館業へと転身しているものが僅かにあります。全国を泊まり歩いて遊郭の今の姿をルポした労作です。往時の姿はもはやありません。そのなかで、登録有形文化財に指定された「鯛よし百番」は貴重ですね。是非、一度訪ねたいものです。

  • 古い建物などが好きで、
    よく見に行ったり泊まりに行ったりする。

    遊郭は「別世界」を演出するということで
    やりすぎ感あふれる装飾や意匠を施したものが多い。
    (それがいいんだけどな~)
    でもそれがもう今では作ることができないほど贅沢な材質や美術だったりする。

    絶滅寸前ともいわれている遊郭の建物は
    近代化と共にどんどん取り壊されていく
    まるでそこに初めからなかったかのように
    人々の記憶からも消え去るかのようになくなっていく。

    大きなお金が動くところには
    華やかで艶やかな世界もまた広がる
    それも歴史の一つ。
    人々の人生が重なっていった場所でもあるんだろな

    で、何気なく見ていたら…
    かなり前に伊勢旅で宿泊した「麻吉旅館」さんが掲載されていた。
    この旅館はかなりおもしろい建築だな~と思ってたにだけど
    そうか…遊郭だったのか…知らなかった。
    そういえば、資料館にも艶やかな資料があったな~納得。

    掲載された他の建物もいつなくなってしまうかわからない
    とりあえず来年は、ここの掲載されていた山口県の「芳和荘」に宿泊してみよう。

  • 最近、遊郭とか遊女に興味が向かっていて、この本を読んでみた。売防法の施行で、遊郭から旅館に転業したところが結構あったとのこと。この本は、いまでも旅館として営業しているところに泊まった記録である。筆者は、フリーカメラマンということで写真が多めで、歴史を感じられるの良い。

  • いつ廃業されるか分からない危うさが、より魅力的に感じられる遊廓の旅館。

  • どの旅館も手入れが行き届き、綺麗だなあと思いました。
    人が住むことで、建物は艶を保つのだなと感じました。

    京都の多津美旅館のページにあった「時代を流してしまいたいという人の多いことを肌で感じます」という言葉が沁みます。
    何事も、なかったことにすることはできない。認める認めない許す許さないの繰り返しで時代はハンドオーバーしていくものだと思います。

  • かつて日本に偏在していた遊郭の一部は旅館として未だに存続しているという。そんな遊郭に泊まってみる、というコンセプトで北は青森県八戸市から南は山口県萩市まで、14の元遊郭の旅館の模様を豊富な写真でまとめ上げた一冊。

    1958年に施行された売春防止法により日本の遊郭は法律上、存続が禁止された。そうした遊郭のうち約3割は旅館に転換したとされているが、法施行から60年を経った今も営業を続ける旅館はごく一部に留まるとされる。

    豊富な写真を見ていると、どの建物も意匠をこらし、歴史的建築物としての意義が多いにある点に驚かされる。それと同時に、当時を知る人やその家族へのインタビューからは、遊郭で身を売らざるを得なかった女性の悲しさが伝わってくる。

    読みながらその建築の美しさから、いつか訪れたい旅館が幾つかできた。ふらりと訪れる日を楽しみに待ちたい。

    また、何度か訪れている京都のホルモン焼肉の名店である「焼肉 江畑」が、実は元遊郭だというのを本書で知って非常に驚いた。地下には、座敷牢もあるというが、全くそうした陰を感じることはなかった。

  • 昔遊郭をやっていて、現在旅館になっている古い建物に実際に宿泊したルポ。
    美しいといえば、そうだけど、たぶん実際に泊まって快適とは思えないなあ。

  • 元遊郭の建物がそのまま残り、国の登録有形文化財となっていることを初めて知った(飛田新地「鯛よし百番」)。訪ねてみたが、予約が二人からということで涙を飲んだ。
    他のところも早く行かないと、どんどん失われていく。急げ!

  • 遊郭に泊まる旅行もいいかなと思った。

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