ラッシュライフ (新潮ミステリー倶楽部)

著者 :
  • 新潮社
3.71
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本棚登録 : 2706
レビュー : 430
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106027703

作品紹介・あらすじ

解体された神様、鉢合わせの泥棒、歩き出した轢死体、拳銃を拾った失業者、拝金主義の富豪-。バラバラに進む五つのピースが、最後の一瞬で一枚の騙し絵に組み上がる。ミステリを読む快感と醍醐味がここに!新潮ミステリー倶楽部賞受賞第一作。

感想・レビュー・書評

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  • 泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体・・・。併走する4つの物語、交錯する10人以上の人生、その果てに待つ意外な結末とは・・・。

    最近怒涛の勢いで映像化されている「伊坂幸太郎」作品の中で、僕の最も好きな作品です。点と点が見事に繋がっていく中盤以降の展開が、読み手を「早く次のページへ!」という感覚に誘ってくれます。そして、バラバラだった物語が一つに結集したとき、表紙の絵柄(ハードカバーではエッシャーの騙し絵でしたが、文庫本では違うようなので残念です・・・)に、各人物の物語が収まったときの爽快感はもう格別です。その結果を踏まえて更に読み直すと、登場人物の行動や言葉に秘められた伏線、作者によって微妙に構成された時系列に気づき、一回目読んだときより更に深い面白みが出てきます。

    読了後、ふと考えさせられるのは「人生は誰もが主役で、誰もが脇役なのである」という点です。普段生活していて、至極当然なのですがあまり意識することの無い「脇役である他人」の行動がもたらす自分への影響。そして他人にとって「脇役としての自分」の行動が与える影響。誰かの人生が僕の人生の端っこで繋がっていて、結果的に自分の人生を作り上げていっているのだな、と再認識しました。

    このレビューを読んでいるアナタは「僕にとっての脇役」で、僕は「アナタにとっての脇役」。一生顔を合わせることがないかもしれないですが、もしかしたら、アナタがこのレビューを読む前にとった行動が、僕の運命を大きく左右しているかもしれません。もちろん、僕がこのレビューを書き上げた瞬間にとった行動が、アナタの人生を大きく左右する出来事になる可能性も・・・。って考えると意外に面白く日々を過ごせそうな気がしませんか?このレビューを読んだ方の人生には、脇役の僕がどう関わっていくのでしょうか?

  • 「読み終わると爽やかな気分にさせられる」というのが、自分の中での著者の作品の共通の印象です。
    本作も読後は「爽やかで痛快」、そんな気分になりました。
    爽快感とはかけ離れている、バラバラ殺人やら強盗やら泥棒やら、異常な場面が次々と展開されるのに不思議なものです。

    後半になってから、前半に思い描いた何気ないシーンが別視点で繋がるのを知った時は、ただただ感心させられました。物語の全員が何かしら繋がりを持っていますが、それぞれは自身の世界の中では自分が主役です。
    個々の目の前で起きる不思議な現象の数々に一喜一憂する登場人物と、その姿を眺めている読者の立場は、エッシャーのだまし絵を見ている人と中の兵隊の関係と一緒ですね。

  • 殺人が起こり、犯人を見極めていくというスタイルが好きなオイラにはちと合わなかった。

    どちらかというとジグソーパズルを組み立てるような群像劇に感じた。
    あと数の多い登場人物たちの把握がしにくかったのだが、なぜだろうか?
    森岡浩之氏の「突変」も登場人物が多かったが、すぐに馴染めたのだけど相性かな?

    前作の『オーデュポンの祈り』のほうが好み。
    『オーデュポンの祈り』を読んでるとクスッとできるとこちょろっとありますね。

  • 途中まで彼らのつながりが全然読めなくて退屈だったが、佐々岡と黒澤が出会ったあたりからつながりが見え始め、いっきにおもしろくなった。すごい。黒澤に電話かけてきた同業者は、どこか別の作品でも出てきた人かな?

  • あえて、文庫も単行本も買うほど
    好きな作品
    初期の伊坂幸太郎ってコレだと思う。

    当時au のケータイかなんかのCMで
    流れていた曲が気に入ってCD買って
    聴いてたら、その曲ではないけど
    ラッシュライフという曲が
    収録されていた偶然も
    いい思い出

  • 読了日2010/07
    バラバラのストーリーが最後には一つにまとまる
    まるで、ジグソーパズルをしているかのように、少しずつつなげていって、最後に大きな一枚の絵になる!!爽快です

  • 勢いで読み終えた。頭がグルグルする。

  • 暇つぶし図書館本。面白い……んだろうけど、私にはあわなかった。読みにくいよ……

  • バラバラに始まった5つの話が、次第に「あれ?」という違和感を見せつつ、最後に一つに組み上がってく。
    そして表紙のエッシャーと、リレー、なるほどなと思いました。
    後半は「あっ」「これ」と読んでいて思わず声を上げるほど。
    一つ一つの話に現実感があまりなかったので、没頭するまではいかなかったですが、これは一気に読んで良かったです。

    個人的に黒澤のポリシーが一番のやすらぎどころでした。
    あと高橋は一体何者だったのかが最後まで気になりました。

  • すごい!面白い!!!
    ・・・と思うんだけど、必要なのはわかるとはいえ陰惨なシーンがけっこうあって苦手なのと、ここまで伏線回収しなくてもよいのでは?(しなきゃいけないほど散らかった感アリとも思えなくはない)という2つ分で★1つ減らした感じです。

    それにしても、このピースがハマっていくパズル感はやっぱり凄い。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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