蟹工船 (Bunch Comics Extra)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 106
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784106030628

作品紹介・あらすじ

時は昭和初期、オホーツク海で操業する蟹工船「博光丸」では、会社が国策の名のもと暴利をむさぼる一方、労働者たちが過酷な労働を強いられていた。やがて、彼らは団結して闘争に立ち上がる-!現代に通じる昭和プロレタリア文学代表作の漫画化決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 資本経済の構造がわかる小説として以前から知っていたが、読む気になれず購入していなかった。しかし、BookOffでまんが版の存在を知り購入した。
    内容は、蟹工船を題材に資本家と一般市民との格差を描いたもの。資本家は、巨万の富を得る一方で一般市民は、働けど働けど生活が豊かにはならない状況を分かりやすく描いている。蟹工船と同様に国も労働者が働いて成り立っているのが現状ではあるが、資本主義になると労働者には賃金が行き届かなくなることが良く分かる。
    経済の勉強を始めた人には良い教材になると思う。

  • 情景が目に浮かんできて、身体が痒くなってくる。私も悪の一端を担うんだ。

  • 特高に虐殺された小林先生の代表作を創造的破壊力のある原先生が漫画化!
    巻末に解説で原先生のアレンジの素晴らしさが伝わります。

  • 2013年8月13日読了。おなじみ蟹工船を完全漫画化。これを読む前に読んだイースト・プレス編の文庫サイズの「蟹工船」マンガは耐えて耐えてヒーローが爆発(でも挫折)てな「少年マンガの文法」に則ったマンガだったが、こちらはコミックバンチらしく絵柄はあくまで泥臭く、船内の描写もにおってきそうな汚さ。どちらが良くてどちらが悪い、というものではないが、同じ素材でも作者の目指したいもの・表現したいものに応じて作品というものは姿を変えるものだ・・・。しかし「過酷で非人間的な環境」というもの、マンガで「こうだっ!」と表現されても妙に現実感がない、小説の文章で読んで「想像もできないような情景」として脳内で再生するほうがリアルに感じられる気がするのは、不思議。

  • かの有名な蟹工船読みました。

    ・・・ただし、漫画ですw

    舞台は昭和初期。植民地支配における資本主義の侵入というフレーズがでてくるんですが、ハッキリ言って何が言いたいのかよくわかりませんでしたw

    これは資本主義という単語をもう一度再確認する必要があると思い調べると「社会に貨幣を投下し、投下された貨幣が社会を運動してより大きな貨幣となって回収される場合・・・」

    なるほど・・・・ふむふむ、よくわかりませんw

    「カール・マルクスは著書『資本論』の中で「生産手段が少数の資本家に集中し、一方で自分の労働力を売るしか生活手段がない多数の労働者が存在する生産様式」として「資本主義」と定義した」

    つまり、植民地支配下においては労働者に労働力に見合う対価が支払われていない状況で、それなりの対価が払われるようになった状況を資本主義と定義しているということなのでしょうか。

    これなら、漫画の内容と“植民地支配における資本主義の侵入”というフレーズの辻褄があいますね。

    漫画の中では、船などの道具より人の命というのは安く、そこでは人の命は最も安いものとして書かれていました。実際、人の価値を値段という指標にした場合どの程度のものかはわかりません。
    一昔前に「あなたの値段を測定します」っていうサイトが流行ったような覚えはありますけどねw

    現在“人の命はなによりも尊いもの”というのが日本においての共通の価値観だと思いますが、世界に目を向ければこのような価値観をもっている国というのはごく少数の先進国と呼ばれる国のみで、多くの国ではまだまだ人の命は軽く扱われていることを考えると人の命、人の人生ってなんだろうなと思ってしまいました。

    ストライキなどを通して現在の日本では労働力に対してそれなりの価値が支払われるようになりましたが、これからの日本がもし海外諸国との競争の中で負け続け、会社などが労働力に対する賃金を払う体力がなくなってきた場合どうなるのか不安になりました。
    会社が無理をして賃金を労働者に払い続け会社がつぶれるか、または労働者が植民地支配のような扱いを受けるのか、気になるところです。

    社会の仕組みと現在の社会制度がなりったった歴史について知識がまだまだ少くわからないことだらけですが、少しずつ勉強していきたいと思います。

  • ただひたすらに辛い話。絶望の中で生きて、更なる絶望を覗く感じ。
    この作品の時代的な意味はわからなくはないけど
    全く読書を楽しむというものではなく、
    苦しさを擬似体験するために読む感じ?

    私のしたい読書ではないのと
    文体も取っつきづらいので
    もう読みたくはないかな。

  • 監督をトヨタの社長にして、漁夫を派遣社員にすると現代も同じだなって思いました。最後のストライキのとこもっと書いてほしかった!

  • 卒業までに読みたい。

  • 足利などを舞台とした作品です。

  • 蟹工船の本はたくさん出ています。


    ひどい内容の食事に
    睡眠や休憩も少なく
    もちろん風呂など入らせてもらえず

    体には蛆が沸き疲労も貯まり
    劣悪な環境にどんどん追い詰められていく。

    そしてストを起こすに至る。


    これを分かりやすく漫画にしてあるかんじです。

    蟹工船のお話は一度読んでおく価値がありますね。
    特に北海道人なら。

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著者プロフィール

1903年秋田県生まれ。小樽高商を卒業後、拓銀に勤務。志賀直哉に傾倒してリアリズムの手法を学び、28年『一九二八年三月一五日』を、29年『蟹工船』を発表してプロレタリア文学の旗手として注目される。1933年2月20日、特高警察に逮捕され、築地警察署内で拷問により獄中死。

「2008年 『蟹工船・党生活者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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