パルテノン・スキャンダル (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 31
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106035401

作品紹介・あらすじ

大英博物館の所蔵品の中でも、最も壮大で閲覧者も多いパルテノン・ギャラリー。その展示品は、アクロポリスにある大神殿をかつて装飾していた大理石彫刻である。トルコ支配下のアテネで、英国大使エルギンによってパルテノン神殿から剥ぎ取られて以降、ナポレオン率いるフランスとの争奪戦を経て、ギリシャ返還運動までの二百年を描く美術ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 大英博物館の所蔵品、パルテノン・ギャラリー。トルコ支配下のアテネから英国大使エルギンによって持ち出された大理石彫刻を巡り、その正当性、ギリシャへの返還運動までの200年を描いた美術ノンフィクション。発行から13年経たわけですが、どう動いたのか、膠着したままなのか、そもそもそんなことがあったとも知らなかったので、がぜん興味が湧いてきました。一つの返還がいろんな国の美術展示事情を変えるから、やっぱ難しいのかな。経済問題もありそうだし。

  • エルギン・マーブルと呼ばれるは、古代ギリシア・アテナイのパルテノン神殿を飾った諸彫刻。19cのイギリスの外交官 エルギン伯爵がイギリスに持ち帰る経緯と、その評価が語られてます。この本は2004年にかかれたので、その後の変化があるのかもしれませんが。

    持って行かれてしまう人の思い、持ち帰った人の思い、どちらも自分の立場から正当化して語ってしまいがちです。淡々と事実を追い、それがどう評価されているかという観点で語られているのが読みやすいと思います。

    また機会があったら、似たようなトピックについて学んでみたいと思います。

  • パルテノン神殿から剝ぎ取られ、現在は大英博物館に所蔵される通称「エルギン・マーブル(パルテノン・マーブル)」の所有権にまつわる論争と返還運動について描く美術ノンフィクションである。美術品返還運動の代表的な存在であるエルギン・マーブルに着目することで、果ては大英博物館に代表される大規模美術館のビジネスモデルにまで触れている。
    エルギン・マーブルがギリシャとイギリスのどちらに所有されるべきかについて、著者はギリシャよりと推察される。それにしては終盤に至る迄、旗幟を鮮明にしない語り口は好感が持てた。しかし、終盤で「、、総合的な博物館、そして美術館というビジネスモデルは、すでに過去のものとなりつつあるのではないだろうか、、、」という意見を導くプロセスが私には読み取れなかった(一度しか読んでいませんが)。その点についてのみ星一つ減点してある。

  • 物事を判断するには現在の常識で考えるのではなく、
    当時の状況、そのものの状態など様々な要素を考慮して判断しなければならない。
    この大英博物館のパルテノン返還問題はそれをしみじみと考えさせられるものだと感じた。

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