- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106035883
作品紹介・あらすじ
月面着陸という快挙、宇宙の辺境への探査…人類はかつてない高度な文明を築き上げた。しかし皮肉にも、物質的な豊かさは地球温暖化や人口爆発など、人類の存続を脅かす問題をもたらした。我々は生き延びるために何をすべきか。深刻な課題の本質を地球システムのなかで捉え、宇宙史、地球史、生命史とともに解明する、知的刺激に満ちた文明論。
感想・レビュー・書評
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東2法経図・6F開架:440/Ma77//K
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本書は「地球認識論」なのに、なぜ「地球システムの崩壊」という意味不明なタイトルがついているんだろう?なぜ著者がこのタイトルでゴーサインを出したのか謎だ。
環境問題を理解する大前提として、著者はわたしたち人間が地球においてどういう立場にあるのか認識するところから説いている。本書では「人間圏」という言葉で、それを解説し、この「人間圏」のあり方に対する思索が繰り広げられる。しかも、壮大な地球史の解説を伴って。
本書の読後感は、「認識のコペルニクス的転回」だ。わたしたちは、人間中心のものの見方・捉え方の中で生きている。それは完全に天動説なのだ。それでは、地球のことも人間のことも正しく認識できない。地球から人間圏を捉える「いわば地動説で認識する」ことが環境問題の解決に必要なのだ。しかも、その認識法が世界全体の常識になるように。 -
人類は地球システム中の物質やエネルギー循環を早めることで豊かさを手に入れ、右肩上がりの経済を共同幻想として抱いて二十世紀を過ごしてきた。しかし、実際には人類は地球システムの循環を乱したに過ぎず、現在さまざまな環境問題が生じている。
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マクロな視点で宇宙・太陽系・地球を語る。けっこう面白いことも書いてあるが、マクロすぎるのか少し散漫な印象。
地球を構成する物質圏に、人間圏が登場し、エネルギーや物質の循環を加速&擾乱しているという見立て。
後半はアストロバイオロジーの話題で、タイタン、エウロパ、K/T境界層などが登場。 -
前半は少し固い調子だが、後半は旅行記である。アストロバイオロジーという言葉が目新しい。教師になるための教養書であろう。文系のヒトへのオススメ。