拷問と処刑の西洋史 (新潮選書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106035951

作品紹介・あらすじ

啓蒙主義と人権思想を生んだ西洋文明。しかし、その中世史はかくも陰惨なものだった!異端審問、ユダヤ人狩り、魔女裁判で多用された鞭打ち、ロウソク責め、親指詰め、ハシゴ吊るしによる拷問と、見世物だった車裂き、火あぶり、絞首刑、首切りなどの公開処刑-。秩序維持のため導入された「暴力」を、拷問マニュアルや裁判資料を紐解いて明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 宗教と拷問、救うことと圧力。思想が異なる者へ、救う目的で地獄を味わわせる思考。やり方はともあれ、いつの世も同じである。明確に拷問をマニュアル化したマリア・テレジア法の恐ろしさ。

  • 華やかな西洋史にひそむ深い闇。ユダヤ人狩り、魔女裁判といった“拷問”“処刑”の視点から、当時のヨーロッパが抱えていた闇を浮きぼりにします。<手書きPOPより抜粋>

  • 純粋に雑学としておもしろかった。処刑執行人が神聖なものとして見られていた一方、処刑に失敗すると観客から惨殺されたり、処刑人と結婚する処女の女は刑を免れるなど興味深い話が多かった。また、魔女狩りが単に宗教的意味だけではなく、魔女委員会が私腹を肥やす目的にもなっていたことなど、権力を持つ人間の横暴さはいつの時代にも変わらないんだなと感じた。

  • 拷問史、それほど拷問具については詳しくない。

  • 当時の火刑観について調べるために図書館で借りたが、魔女についても多分に触れてある。表や図が使われていて非常に見やすい。

    1400-1750年の魔女処刑数(W・ベーリンガー『ドイツの魔女と魔女裁判』P67)
    ドイツ魔女裁判のチャートP69

    著者に興味がわいたのでメモ
    浜本隆志(1944~):関西大学文学部教授『ドイツ・ジャコバン派』『鍵穴からみたヨーロッパ』『紋章が語るヨーロッパ』『指輪の文化史』『ねむり姫の謎』『魔女とカルトのドイツ史』『モノが語るドイツ精神』『現代ドイツをしるための55章』『ヨーロッパの祭りたち』

    死刑廃止論者なのだろうか。それは別に構わないのだが、P226「拷問や公開処刑を容認していた時代のDNA」って・・・、この言い回しが個人的に不快。

    グロテスクな話を読みたい人には物足りないものかもしれない。

  • 期待したほどではなかった

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著者プロフィール

1944年香川県生まれ。現在、関西大学名誉教授、ワイマル古典文学研究所、ジーゲン大学留学。ドイツ文化論、比較文化論専攻。
主要著作
『魔女とカルトのドイツ史』(講談社現代新書)、『ナチスと隕石仏像』(集英社新書)、『「笛吹き男」の正体』(筑摩選書)、『図説 ヨーロッパの装飾文様』(河出書房新社)、『現代ドイツを知るための67章』(明石書店、編著)、『ポスト・コロナの文明論』(明石書店)など多数。

「2023年 『ベルリンを知るための52章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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