- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106036200
作品紹介・あらすじ
ベルリン・フィル全盛時代の楽員たちが、初めて語ってくれた本格インタビュー集。ドイツ精神主義の化身・フルトヴェングラーと、飽くなき音響美の追求者・カラヤン。共同作業した音楽家でなければ分からない二大マエストロの秘密を、臨場感溢れる語り口で解き明かす。
感想・レビュー・書評
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フルトヴェングラーやカラヤンと実際に演奏したことのあるベルリンフィルの楽団員たちに著者が実際に話を聞いた内容をまとめたもの。
今はドイツの社会や政治に対し独自の視点から書いた論評を発表している著者だが、元々はピアニストになるべくドイツ留学していた音楽生であり、本書はその原点ともいえるのではないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ベルリンフィルのOB達へのインタビューなんて、そう簡単には出来るものではないだろうが、それを可能にしたのは著者の語学力、ドイツでの生活経験、そして何よりも彼女が持つパーソナリティによるものだろう。
面白いなぁと思ったのは、日本のサラリーマンに「先代社長が良かったか、それとも現社長が良いか?」と聞いた時に返ってくるであろうレスポンスと同じ答えが、返ってきている事。
結局のところ、楽しく充実した時間を過ごしたのは誰とだったのか、という所に落ち着くのではないだろうか……
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ドイツの音楽大学でピアノ専攻の経歴を持つ著者によるベルリン・フィル元団員へのインタビュー集
インタビューした元団員は下の各氏
○ヴェルナー・テーリヘェン(ティンパニ)
○ハンス・バスティアーン(ヴァイオリン)
○エーリッヒ・ハルトマン(コントラバス)
○ギュンター・ピースク(ファゴット)
○ディートリッヒ・ゲアハルト(ヴィオラ)
○カール・ライスター(クラリネット)
○ルドルフ・ヴァッツェル(コントラバス)
○ルドルフ・ヴァンスハイマー(チェロ)
○ライナー・ツェペリッツ(コントラバス)
○エーバーハルト・フィンケ(チェロ)
○オズヴァルト・フォーグラー(ティンパニ)
フルトヴェングラーからカラヤンへベルリン・フィルのシェフは引き継がれたわけだが、全くスタイルのことなる2人の指揮者について、ベルリン・フィルの黄金時代を支えた名奏者達が語っている。普通ならばテーリヘェンとフォーグラーのようなアンチ・カラヤン(親フルトヴェングラー)とカラヤン・シンパの単純な二項対立になりがちであるが、長くカラヤンと共に(あるいはその「下で」)演奏してきた奏者たちの思いはそう割り切れるものではない。批判本を書いたテーリヘェンへの他の楽員からの批判など、人間集団としてのオーケストラの側面も垣間見ることができる。 -
201010/
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[ 内容 ]
ベルリン・フィル全盛時代の楽員たちが、初めて語ってくれた本格インタビュー集。
ドイツ精神主義の化身・フルトヴェングラーと、飽くなき音響美の追求者・カラヤン。
共同作業した音楽家でなければ分からない二大マエストロの秘密を、臨場感溢れる語り口で解き明かす。
[ 目次 ]
テーリヒェン氏との対話
バスティアーン氏との対話
ハルトマン氏との対話
ピースク氏との対話
テーリヒェン氏との対話 その二
ハルトマン氏との対話 その二
ゲアハルト氏との対話
ライスター氏との対話
ヴァッツェル氏との対話
ヴァインスハイマー氏との対話
ツェッペリッツ氏との対話
ハルトマン氏との対話 どの三
フィンケ氏との対話
フォーグラー氏との対話
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内容(「BOOK」データベースより)
ベルリン・フィル全盛時代の楽員たちが、初めて語ってくれた本格インタビュー集。ドイツ精神主義の化身・フルトヴェングラーと、飽くなき音響美の追求者・カラヤン。共同作業した音楽家でなければ分からない二大マエストロの秘密を、臨場感溢れる語り口で解き明かす。
とても面白かったので購入を考えます。
フルトヴェングラーとカラヤン、両方で演奏した人と、カラヤンだけの人の感覚の違い、そして戦中、戦後のエピソードは胸を打たれるものがありました。
そしてこの本を読む前からの私の好み、フルトヴェングラーは好きだけどカラヤンは嫌い、この意味を語りつくしてもらったような気持ちです。 -
中村修先生推薦
秋の夜長にクラシック音楽はいかがですか。ベルリンフィル(BPO)絶頂期を作った2人のマエストロ(指揮者)の想い出がBPOメンバーの口から語られています。ナチ時代を生き抜いた芸術家の苦悩と心意気が古くささを感じさせません。タイトルはどちらの指揮者が優れているかという比較になっていますが読み終えて、また演奏を聴き続けてきてフルトヴェングラーの最高の理解者がカラヤンであったことを私は確信しました。 -
同じ人物に対してもいろんな立場からいろんな見方があるということがよく分かる。
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映画「帝国オーケストラ」出演のハルトマン氏、バスティアーン氏も登場。それぞれの指揮者像も奏者によってまったく異なり、ある意味「藪の中」的。
インタビュアーが中立なのでよかった。2008/11/16