- Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106036255
作品紹介・あらすじ
かつて全地球は、数百万年にわたり凍りついていた可能性が強い。赤道付近にも、南極のような氷床があった証拠が見つかっている。生物はどう生き延びたのか?零下50度以下の厳寒はいかにして温められたのか?大気の変化、温暖化プロセス、プレートテクトニクス、太陽の影響、生物進化。さまざまなファクターから、ガリレオ以来の衝撃的仮説が証明されていく。
感想・レビュー・書評
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地球をシステムという考え方が面白い。高校生の頃、地学という選択科目は地味な印象があったが、こんな本を読んでいたら選択していたかも。
地球環境を決める三つの要素「太陽定数」1370ワット、「惑星アルベド」0.3、「大気の温室効果」。
火山活動で放出された二酸化炭素は、炭酸カルシウムおよび生物による有機化合物として固定化。風化作用とプレート沈み込み、火山活動で循環する。風化作用は温度依存性あるため、二酸化炭素の固定量に負のフィードバックが働き、安定化する。
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世の中には賢い人がいるものだと感心する。
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■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000239355
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読んでおいて損はない
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スノーボールアース仮説の理論面を中心に突っ込んだ議論が展開されている。この仮説も科学史として語られるようになるほど研究が蓄積されてきたことは感慨深い。
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『凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語 』読了 ★4つ(5点満点)
世界史で10年単位ぐらいのできごと読んだあとは、地球と生命の億年単位の歴史の話へ。
地球が全球凍結していた。つまり、北極、南極はもちろん、赤道まで厚い氷河に覆われていた時期があったという「スノーボール」仮説の本。
古生物学、地理学は、過去の歴史からの「推測」しかできないので確定ではないのだが、ここ30年ぐらいで科学会で大論争があり、かなり広く認められた仮説のよう。
前回読んだ「ワンダフルライフ」でもそうだったが、種の大絶滅につながるような、スノーボールアース説が、「実は生物の進化に欠かせなかった」かもしれない、など、地球に生命が誕生したこと、さらに人類が現れたことは、相当奇跡的なことだとわかる。
地球と同じ惑星があったとしても、何%どころか、何億分の1、何兆分の1ぐらいの確率だろう。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4106036258/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4106036258&linkCode=as2&tag=hitoshiebih0a-22" -
何がすごいって著者の説明能力がすごい。
「これ以上難しくすると素人の理解がおぼつかない」というぎりぎりのラインでの説明が続く。
で、またこれが面白いんだ。太陽の活動についてとか、惑星の気温を決める要因とか、その変化の可能性とか、あるいは現在提出されている仮説の諸々とか、なんか少年が「科学って楽しい」と単純に目を輝かせる要素が詰まっている。
にしても、なんで凍っちゃったの?についてはイマイチよくわかってないのね。そういうとこ含めて、面白い。 -
「かつて地球の表面は氷で覆われていた」という地球科学の仮説について、わかりやすく解説している。
「全球凍結」。
仮説が正しければ、地球の平均気温は-r40℃。赤銅付近で-30℃。極付近では-50℃以下。これは平均気温で真冬ななれば、もっと低下するという。
「全球凍結」理論にも一理あるが、もちろん反論もあり、それらについても解説されているのもよい。
「今年の夏(冬)は異常だ」とよくいうが、長い地球史の中では、人類が目の当たりにしたことのない気候変動、自然現象が起こっていたことなどが、研究結果によって証明されていることも本書を読んで知った。
「全球凍結」にも驚いたが、「洪水玄武岩」というとてつもない火山噴火があったということにも興味を持つ。
「地球」を一つの「システム」として捉え考察している。
良書。 -
先日読んだ、スノーボール・アースがスノーボールアース説肯定派否定派の科学者どうしの攻防を描いたものなら、こちらは説を地球科学の観点からもうすこし踏み込んで解説したもの。
CO2の温室効果がここまでのものとは知らなかったし、ここ数年追っている南極アイスコアの知識とリンクして、抜群に面白くなってきた。
この辺りはもう少し追っかけていきたい。