無差別殺人の精神分析 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036378

作品紹介・あらすじ

彼らが殺戮者と化したのはなぜか?秋葉原、池袋、下関、大阪教育大附属池田小、コロンバイン高校、ヴァージニア工科大…犯人たちの生い立ちと肉声を克明に辿っていくと、六つの共通する要因が浮かび上がる。いったい何が無差別殺人という「最後の一線」を越えさせてしまうのか?凶行へと飛躍する"心のメカニズム"を、気鋭の精神科医が徹底分析。

感想・レビュー・書評

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  • 読書メモ参照

  • 無差別大量殺人は拡大自殺は腑に落ちる。
    母性と父性の必要性についてはジェンダー的観点から新たな親性の創出が急務と感じた。

  • 文章が少々読みにくい感じであったが、内容は面白かった。同じことの繰り返しが多くなっていたのが、残念。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/54622

  • 「拡大殺人」この本を読んで初めて知ったフレーズ。
    無差別殺人をした人間は他者を巻き込んで自殺しているのである。
    殺された人間、その家族にとってはたまったものではないが。

  • 近しい人が秋葉原無差別殺人の頃アキバによく行っていて、その日も行く予定だったらしく、ぞっとした。
    先日起きた川崎での事件を思って図書館で借りて読んだのだけれど、納得できる部分も多くあった。
    犯人が悪いのはもちろんなんだけど、犯人"だけ"が悪いわけでは、やはりないよなあ。人間は周りの環境で育っていく、ということを痛感した。被害者も加害者も、加害者の家族も、どちらのことも思ってやるせなくなった。

  • 1039円購入2011-06-28

  • 「秋葉原無差別殺傷事件」の加藤智大
    「池袋通り魔殺人事件」の造田博
    「下関通り魔殺人事件」の上部康明
    「大阪教育大池田小事件」の宅間守
    「コロンバイン高校銃乱射事件」のエリック・ハリスとディラン・クリーボルト
    「ヴァージニア工科大銃乱射事件」のチョ・スンヒ
    「津山三十人殺し」都井睦雄
    彼らを凶行に走らせたのは何か?
    最後の一線を超えたきっかけとは?
    増える「誰でもよかった」という大量殺人者の精神構造とは?

    人物のおいたちから精神構造までを分析しつつ分析したリポート

    全て他者のせいにして内なる悪を否定する精神構造とは?

    読んでいて恐ろしくなるのは
    もしかしたら「人は誰にでも大量殺人者にな可能性があるのかも」という恐ろしさ。

    うつ、、SSRI、いじめ、親の過干渉、親の無関心…
    人の精神は複雑で深い
    でも、誰でも誰かに愛されたいと思っている

  • 秋葉原の事件は記憶に新しい。メディアではいろいろと騒がれていたが、私自身は犯人についての情報を追いかけることはしなかった。被害者の心情を考えるといたたまれないが、犯人に対して何ら興味がわかなかった。今回、たまたま手にした本書で、ある程度の犯人像を知ることができた。さらに、池田小事件、池袋や下関の通り魔、さらにはアメリカのコロンバイン高校、ヴァージニア工科大学などでの大量殺人。若干の違いはあるものの、犯人に共通するのは自己愛が非常に強い。何事も他人や社会のせいにする。成熟拒否。何らかの対象喪失がきっかけとなって行動に出ている。それぞれ、家庭に問題があったことは明らかである。いずれこのような重大事件を犯すであろうと、近くの人々はうすうす感じていたはずだ。にもかかわらず、誰も止めることはできなかった。共同体の不在。身近で相談にのる相手がいない。学校は、教師は、地域は何の力にもなれなかったのだろうか。そして、精神科医である著者もこういう事件が起こるたびに無力感を感じるという。本書の最後に「わが子を殺戮者にしないためにやってはいけない十か条」が載っている。どれもこれも、私自身以前から言い続けている、子育ての基本ばかりだ。図書館で見つけて借りて読みました。

  • 各犯罪者の生育歴等について、かなり詳細に記述されていて、彼らがどのように壊れていったのかがよくわかった。また、同一の理論を用いて分析していたので、参考になった。一方で、根拠が不明確なまま断定している記述があり、せっかくだからそこまでしっかり言及してほしかったと思う。後、経験から結論付けた箇所は、詳しく言及してほしい。

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著者プロフィール

1961年生まれ。大阪大学医学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。専門は精神医学、精神分析。フランス政府給費留学生としてパリ第八大学でラカン派の精神分析を学びDEA(専門研究課程修了証書)取得。精神科医として臨床に携わりつつ、精神分析的視点から欲望の構造について研究。日生病院神経科医長、人間環境大学助教授を経て、現在、神戸親和女子大学教授。著書に『オレステス・コ
ンプレックス—青年の心の闇へ』『17歳のこころ—その闇と病理』(共にNHK出版)『分裂病の精神病理と治療7—経過と予後』(共著、星和書店)など、訳書に『フロイト&ラカン事典』(共訳、弘文堂)などがある。

「2005年 『攻撃と殺人の精神分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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