モサド 暗躍と抗争の六十年史 (新潮選書)

  • 新潮社 (2009年6月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784106036415

感想・レビュー・書評

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  • KK3a

  • モサドの歴史的生い立ちから、現在に至るまでの具体的な実績、政府との関係など綿密に綴られており、興味深く読み進めることができました。
    国家を裏支えするインテリジェンス機関の重要性がよく理解できました。
    しかし本書を一読すると、インテリジェンス機関こそが、イスラエルにとってのコアになっていると実感します。インテリジェンス機関・政府・軍の三位一体。
    これこそが強い国家の証だと。
    いままでモサドに関しては、落合信彦さんなどの著書から知識を得てましたが、本書が質・量共にナンバー1だと思います。
    さすが、インテリジェンス研究の第一人者である小谷賢さんです。
    インテリジェンス研究のさらなる発展を期待したいです。

  • 図書館でなんとなく手に取る。本書の狙いの1つはは官僚組織としてのモサドが、その権限が明文化されていないにもかかわらず、暴走せず成長したのはなぜかを明らかにすることにある。筆者はイスラエルにおけるインテリジェンス・コミュニティーが相互に権限拡大を狙うプロセスの副産物として相互の監視があったことを指摘している。
    モサドが有名だが以下に引用するとおり、アマンが非常に強力なプレーヤーであることを認識した。

    『モサドがヒュミントに特化した「情報収集機関」であるのに対して、アマンは通信傍受などの技術的な情報収集活動に特化し、さらに国家レベルの情報分析から政府への提言まで受け持つ、いわば総合的な情報機関であると言える。』p104

    時の最高指導者とモサド長官との関係などについては極めて詳しい説明がなされている。
    本書の目的からは多少はずれる、個別の作戦の評価についても説明は手厚い。

    9.11テロやイラクにおける大量破壊兵器問題についてモサドが出遅れたことや、CIAに依存する情報源の多さなどを含め、筆者の「少なくとも20世紀末あたりからモサドの工作能力や情報分析能力に問題が生じていたことは明らかである。(p196)」という記載からは現代のモサドとCIAの関係の難しい関係が透けて見えるようである。

  • 旧約聖書の一句(導かなければ滅びる。安全と救済は多くの助言者の中にある)をモットーとし、国家の安全保障を貢献する諜報機関「イスラエル秘密諜報機関」、通称「モサド」と呼ばれている。イスラエルの「インテリジェンス」と呼ばれる集団は「中東戦争」「湾岸戦争」をはじめ、様々な戦争や紛争を乗り越えてきたのかを記している。

  • 「モサドの歴史はイスラエルの歴史」と言っては言い過ぎかもしれませんが、
    本書を読めば第4次にまでわたる中東戦争はもちろん、イスラエル史上の出来事の裏にモサドを始めとする諜報機関が常に関わっていることがわかります。
    したがって本書は、建国から今日まで四方を敵国に囲まれた小国の、危急存亡をかけた数々の泥臭い戦いを紹介していますので、イスラエルの歴史についても学ぶことができます。
    モサドの活動について知りたい方や、イスラエルの歴史について勉強したい方も本書を入門書としてもいいと思います。

  •  周囲を敵対国に囲まれたイスラエルの存亡がかかっている諜報機関モサド。その歴史を概観する。
     アルゼンチンにおけるアイヒマン誘拐工作や,ミュンヘン五輪テロに対する報復作戦「神の怒り」など,なりふり構わぬ感がすごい。

  • イスラエルは国家自体が常に緊張状態にあり、これら情報機関が機能しなくなればイスラエル国家はあっという間に存在危機に立たされる。そのため情報機能を特化させ、ウサギのような長い耳と持つことによってこれまで生き伸びることに成功してきた。
    モサド誕生の目的としては、1つはイスラエルの安全保障の確保。2つめは国内問題。3つ目にはCIAと直接やり取りできるような情報機関の創設である。
    モサドの名前が知られるようになったのは、1956年にソ連のフルシチョフがスターリン批判を西側情報機関に先駆けて入手したこと。
    モサド初期の時代においてもっとも成功したミッションは、1960年のアイヒマン捕獲作戦。イスラエルの情報コミュニティでもっともよく知られているのはモサド。イスラエルで最大の人員を誇るのは、軍事情報部のアマン。
    イスラエルにとってユダヤ人とは民族的な定義と同時に宗教的な定義をも意味する。ユダヤ教を信仰するものは皆ユダヤ人である。
    イスラエル国内の諸勢力から見た場合、モサドの置かれている状況は国際政治のバランスオブパワーに通じる側面を持つ。

  • [ 内容 ]
    イスラエル存亡の危機を切り抜けてきた対外情報機関の素顔。
    「導かなければ民は滅びる」―。
    聖書の一句をモットーとし、敵に囲まれたユダヤ国家の安全保障に貢献してきたモサド。
    アイヒマン捕獲、対アラブ諜報戦、エンテベ空港強襲、イラク原子炉爆撃、海外ユダヤ人召還など成功に終わった作戦だけでなく、失敗例や他の情報機関との確執・反目にも着目しながら、謎に包まれたインテリジェンスの全貌を明らかにする。

    [ 目次 ]
    第1章 創設の時代(前史;モサド誕生)
    第2章 飛躍の時代(モサドとアマン;スターリン批判;外周戦略;アイヒマン捕獲;ダモクレス作戦;第三次中東戦争)
    第3章 試練の時代(「黒い九月」と神の怒り;国家的汚点)
    第4章 活躍の時代(エンテベの奇跡;オペラ作戦;モーセ作戦)
    第5章 失敗とスキャンダルの時代(300号線上のバスジャック;レバノン侵攻;ポラード事件;イラン・コントラ事件;ヴァヌヌ事件;インティファーダ;湾岸戦争とその後)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 2009/10/4図書館で借りる
    2009/10/16ほとんど読まずに返却

    予備知識がないから読み進めることができなかった
    読みたい!

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著者プロフィール

(こたに・けん)
日本大学危機管理学部教授。1973年京都生まれ。立命館大学卒業、ロンドン大学キングス・カレッジ大学院修了、京都大学大学院博士課程修了、博士(人間・環境学)。防衛省防衛研究所主任研究官、防衛大学校講師、英国王立防衛安保問題研究所(RUSI)客員研究員等を経て現職。専門は国際政治学、インテリジェンス研究。著書に『日本軍のインテリジェンス』(講談社選書メチエ、2007)、『インテリジェンスの世界史』(岩波現代全書、2015)、『日本インテリジェンス史』(中公新書、2022)ほか。訳書にリチャード・
J・サミュエルズ『特務(スペシャル・デューティー)』(日本経済新聞出版、2020)ほか。

「2025年 『戦後日本のインテリジェンスとグランド・ストラテジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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