万葉びとの奈良 (新潮選書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036552

作品紹介・あらすじ

整然たる条坊。壮大な宮城。寺院や仏像。国際都市として、のびやかな天平文化、やまと初の「みやび」をはぐくんだ平城京が、奈良という土地の基層にいまも生きている。道や庭、万葉集や正倉院御物を手がかりに、ミカドから庶民までの仕事と恋と日常をありありと甦らせる。万葉学者が独自の視点で日本の源流に案内する、かつてない奈良論。

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  • <u><b>町の発展より、平城京保存と、鹿との共生、原始林の保護を優先した街</b></u>

    <span style="color:#cc9966;">整然たる条坊。壮大な宮城。寺院や仏像。国際都市として、のびやかな天平文化、やまと初の「みやび」をはぐくんだ平城京が、奈良という土地の基層にいまも生きている。道や庭、万葉集や正倉院御物を手がかりに、ミカドから庶民までの仕事と恋と日常をありありと甦らせる。万葉学者が独自の視点で日本の源流に案内する、かつてない奈良論。 </span>

    <blockquote>ちなみに奈良の人は、15分程度の遅刻は遅刻とみなさない。
    「大和時間(ヤマト・タイム)」と呼ぶ</blockquote>これは嘘だろww
    [private][more]
    若草山の山頂か東大寺の二月堂のどちらか奈良を俯瞰
    平城京 偉大なる空洞
    長岡京平安京に移されてしまった
    木造建築物というのは還元すれば解体移築を前提とした建物である。
    川で運ばれた

    京の内外の境を京極という
    ミヤー天皇の住む建物
    ミヤコーミヤのある場所
    ヒナーいなか
    カリホ・タブセ・タヤー農繁期に耕作地に宿泊するための仮説的建造物

    遷都をする理由
    八世紀までの都は、すべて遷都を前提に建てられており、天皇のもっとも大きな仕事こそ遷都であった。

    八世紀までは、天皇の居住地が都であり、天皇が自由に都を決めるという考え方。(天皇が遷都大権を講師した時代)

    二つの考え方が並存した時代

    九世紀以降は、天皇の居住地が都であり、恒常的な都に天皇が住むという考え方。(天皇の遷都大権が潜在化した時代)

    正倉院のすばらしさとは何か
    はっきりいえば、ヨーロッパの王家の所有する財宝からみれば正倉院御物などがらくたにすぎない。
    …私は、聖武天皇と光明皇后の「愛と平和の博物館」だとしゃれていうことにしている。正倉院には、軍隊で略奪した財宝などないのである。
    白布
    日常用品 生活臭がする

    奈良の寺院参詣では、京都と違いほとんど靴を脱ぐことがない。唐 平城京文化の国際性

    奈良の守り神・春日の神の使いである史家
    鹿と共生すること[/private]

  • 奈良に行くと建物のない野原のような広い空間が街の中にある。いわずと知れた平城京跡だ。この本は、平城京を中心とした時代の人々の生活や文化を、万葉集の詩と共に考察している。奈良に住む人々、下級役人、地方に送られてしまった都人などをとりあげている。平城京跡の中で生活していた人々が想像できそうな気がしてくる。

  • 面白かった。ちょっと万葉集部分が多かった気がしないでもないけど、万葉の歌があっての生活なのだろうから仕方ないか。
    ますます奈良が好きになった

  • 平城京の街並み、人々の暮らし、都と地方など、奈良時代の雰囲気について、万葉集のなかの歌を引きながら面白く語っている。
    この本を読んで初めて、奈良時代の官人たちは半官半農だったということを知った。
    また、万葉集の史料としての価値の大きさをあらためて知ることもできた。

    著者は、平城宮跡を「偉大なる空洞」と呼び、そこから奈良の意義を説いている。
    「偉大なる空洞」が奈良びとのアイデンティティなのだろう。
    奈良に行くたびに覚える不思議な感覚が何なのか、少し分かったような気がする。

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著者プロフィール

奈良大学文学部教授。著書『万葉文化論』(ミネルヴァ書房・2019)、論文「讃酒歌十三首の示す死生観—『荘子』『列子』と分命論—」(『萬葉集研究』第36集・塙書房・2016)など。

「2019年 『万葉をヨム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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