- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106036675
作品紹介・あらすじ
三島(大正14年生)と司馬(大正12年生)。二人は、それぞれのかたちで「美しい日本」を求めた。「空っぽな日本」に嫌気がさした三島は、身を賭して「それ」を取り戻そうとし、司馬は長期連載『街道をゆく』などを通して「それ」を探った。あらゆる意味で真逆な二人だったが、生涯の最期に、空虚な大国へ成長した戦後日本を憂えたのは同じだった。
感想・レビュー・書評
-
革命観
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新潮選書で読んだのですが、すぐに読み終わってしまいました…大きい本ですが、文字数少ないのかな。
内容は面白かったです。三島由紀夫と司馬遼太郎の接点?あるのかな?と思って読んだのですが、別に2人の間に接点は…特にありませんw著者の方が、対照的な2人を比較して戦後論というかそういう思想の流れ?みたいなものを見出しています。そこが面白いのですが。
ちりばめられたエピソードもなかなか面白いし、私のように三島由紀夫の代表作はとりあえず読んでるけど、講演内容などは知らないとか、司馬遼太郎の発言をあまりしらないとか、そういう人にはいいのかなあと思います。
びっくりしたのは、昭和天皇が「殉死」を読んでいて、中曽根元首相が「乃木に本を渡された時は、このような感じだったのか」と聞くと「だいたいこんな感じだった」と昭和天皇が言った…というエピソードです。
なんか、歴史って繋がってるんだなあ…と当然のことをしみじみと思いました。 -
司馬遼太郎、三島由紀夫の両氏を好ましく思っている著者が、二人の著作、言葉をたよりに二人の異なる美しき日本感などについて著した著作である。
ロマン主義の三島、リアリズムの司馬、陽明学、朱子学に対する二人の考え方、天皇感など。
三島の壮絶な死に対する司馬の即座なコメントの深い意味が解き明かされ、著者が長年温めてきた思いが著されたものだった。