ヒトはなぜ拍手をするのか―動物行動学から見た人間 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036699

作品紹介・あらすじ

生命に対してはより重大な危機となるのに、ヒトは銃よりもヘビを反射的に怖がることが多い。脅威へのシグナルが遺伝子にすり込まれているからだ。普段、意識もしない動作や行動、心理・感情には、人類の進化にかかわる重要な理由があった。ヒトが生き残るために働く恐怖心や不快感、喜びや興奮、性別特有の動作や感覚-そのメカニズムを解く納得のポビュラーサイエンス。

感想・レビュー・書評

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  • なぜ女性は内股、男性は外股なのか。なぜ友好的な気持ちを示すとき拍手をするのか。なぜ葛藤状態のとき、頭を掻くのか。並んで歩くカップルは、なぜ女性が左側になるのか。デート中なのにどうして男性は綺麗な女性に目移りしてしまうのか。なぜ、男子と女子で動物に対する接し方が違うのか。・・・・・・・・・これまで気にもとめなかった「なぜ」。言われれば無性に知りたくなる「なぜ」に明解に答えてくれる。実に興味深くおもしろく読んだ。人間の日常的な生活の中に見られる「動作」「行動」「心理」について、進化論の仕組みに照らして科学的に解説している。女性をより理解できるようになったし、人への理解も深めることができた。

  • 普段の何気ない行為も動物行動学から考察するとその必然性がわかってくる。骨格による男女の物の持ち方の違い、人と同じ行動を取ってしまうのはミラーニューロンのせい、など身近な事例が多数。おもしろい。

  • 動物行動学的な見地から人間のちょっとした行動を解説した本。
    なかなか面白かった。

    目次
    第1部 「動作」をめぐる謎
    (なぜ女性は“内股”、男性は“外股”なのか?
    なぜ友好的な気持ちを示すとき拍手をするのか?
    出会いや別れの挨拶が、相手と同じ動作になりやすいのはなぜか?
    ほか)
    第2部 「行動」に秘められた謎
    (並んで歩くカップルは、なぜ女性が左側になることが多いのか?
    なぜ電話で謝るときにも頭を下げるのか?
    上司はなぜ、椅子に座って部下を呼びつけるのか? ほか)
    第3部 「心理・感情」をめぐる謎
    (なぜ振り込め詐欺にだまされるのか?
    スポーツの有名人に“品格”を求めるのはなぜか?
    なぜ幽霊を怖がるのか? ほか)

  • 4なぜというらしい。
    「その行動は、どのような刺激によって、体内でどのような変化が起きて発現したのか」
    「その行動は、個体の生存や繁殖にどのように役だっているのか」
    「その行動は、その個体の成長の過程で、どのようにして発達してくるのか」
    「その行動は、それをまだ行わなかった祖先種の行動がどのように変化して、現在の種で行われるようになったのか」
    始めはなんだかさっぱりだったが、読み進めると興味深かった。

    威嚇は肩を上げる、毛を逆立てる。
    行動の男女差には骨格が大きく影響を与えている。
    低い声は威嚇、高い声は親和。拍手するのは代用。
    ミラーニューロンによって相手の動作をなぞる。
    上位者にはエネルギーを使い、下位者には簡素かする。
    サングラスは威嚇時のポーカーフェイス。
    ポケットに手は肩を張った威嚇のポーズ。
    葛藤状態では抑制された行動が発現する。頭を掻く、爪を噛む。意図運動では初期動作を取る。
    怒り喜び笑いは声の高低で理解できる。低い声=顔を下げる、怒り。
    言葉は身振りから生まれたため、電話で誤る時も頭を下げる。
    笑いはリラックス→意外な出来事→了解→再リラックス(利益があれば笑いは増す)という流れで起こる。
    遊ぶと酸素を必要とし、口を広く開けてハッハッと呼吸する→笑いへ?
    男女の行動差には狩猟と採取の歴史が。動物を見て世話をするのは女が多く、征服しようとするのは男が多い。
    人類は緑で安らぐ。病気も早く治る。
    視覚情報は視床経由で扁桃体へ行くルートと視床から大脳皮質の視覚野経由で扁桃体へ行くルートがある。直接扁桃体は危険察知、早合点。大脳皮質経由は理性的な理解。直接情報が増すと、大脳皮質経由情報が軽んじられることも。振り込め詐欺。パニック。
    恐怖症は暗所、閉所、高所など動物的なものにはあるが、銃な現代的なものでは怒りづらい。
    映画やテレビを見たがるのは、火事を見たがるのと同じ。危険等に対する知識を得ようとしている。モビング行動。
    巨大な脳は他個体の心を読み取るため?ミラーニューロン。
    快い風景は種に取って快適な生活空間だが、ヒトは日本人であってもサバンナのような風景を快いと感じる。女性は身を隠す建物を求めたがり、男は狩猟に適した環境を求める。
    リズムは空間を規則性で把握するように物差しとして利用している。理解できるものを美しいと思う。

    非常に面白かった。
    また読み返すだろう。

  • 「人はどうしてドラマを見るのか」 「美しいとは」 「なぜ人は有名人に品格をもとめるのか」など普通の生活では気にもしない事を一般の人にもわかりやすく面白く説明してくれます。

  • 「動物行動学」という視線で、我々の日常的な振舞いや言動を分析したもの。学術書というより、著者の想像も含めたエッセイの色合いが濃い内容。
    心理学と動物行動学の境界が、ちょっとよくわからなかったが、普段は気に留めない何気ない仕草などにも、様々な説明がつけられるのが面白い。印象的だったのが「芸術」「品格」「悪」といった、抽象概念に、動物行動学的な定義付けをしていること。納得できるかどうかは微妙だけれども、興味深い試みだと思う。

  • なぜ拍手をするのか?と聞かれてもなぜ?みんながするから?普段なんとなくやってしまう、電話で謝る時に頭を下げてしまうとか彼女とデート中なのに他のかわいい女の子を見てしまうとか・・・その行動の裏にはイミがあったんです!ヒトの進化の過程で受け継がれてきたものによって行動していたのです!と著者は言う。日常の何気ない行動に隠されたイミを知ってみましょう。

  • 上司はなぜ、椅子に座って部下を呼びつけるのか?
    並んで歩くカップルは、なぜ女性が左側になることが多いのか?
    日頃の何気ない行動が人類の進化に関係していたとは驚きでした。

  • 全ての行動に、遺伝子的に染みついた理由があるっていうのは、面白い。

  • 動物行動学の学者氏がヒトの些細な行動をくそまじめに掘り下げて分析する本。
    大学時代の友人の勧めで購入。

    人間の行動や振る舞いには大原則的には、
    人がまだ狩猟採集生活を営んでいた頃にDNAに組み込まれた、
    「自分の遺伝子を後世に遺す」という本能によるものが多い。

    例えば書名にもなっている「拍手」をはじめ、「デート中でも男は美人を見てしまう」、
    「幽霊を怖がる」、「人にリズム感がある理由」などは全て、
    こうした本能によるものであることを、実証実験結果などを交えて解説する。

    自然科学分野の学者の持つ実証性のクリエイティビティは、
    目の前の現象にどう軸を入れると、検証可能な問いとなるかという、
    現実への敬意の裏返しと思う。

    ド文系の僕には、こうした自然科学分野の視点に、
    とりわけ原理的なヒトの営みへの解析姿勢に、畏怖に近い感情を覚える。

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