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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784106037528
作品紹介・あらすじ
強い者が勝つのではない。勝った者が強いのである。海洋全蒸発や全球凍結、巨大隕石の衝突など、地球環境が激変しても多くの生命はしぶとく生き残り続けてきた。そして今でも、強者ではない動植物などはあらゆる方法で進化し続けている。群れる、メスを装う、他者に化ける、動かない、目立つ、時間をずらす、早死にするなど、ニッチを求めた弱者の驚くべき生存戦略の数々。
感想・レビュー・書評
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あえて条件の悪いところに行ってみる。
安定している場所というのは競争が激しく、すぐに勝者が入れ替わる。変化の激しい場所で戦ってみるのです。自由度の高い土俵で戦うのです。
人生の局地戦に持ち込み、一点集中させる。
北海道のセイコーマートとかは札幌を中心に発展したが、本州には進出していない。
ルールやテリトリーがシンプルなほど、戦いやすいし勝ちやすい。
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〈概略〉
厳しい競争の自然界、敗者は滅びるのみ。
弱者には弱者の戦略がある。
〈強さとは〉
他者を打ち負かすことでなく、生き残ること。
〈弱者の戦略〉
・群れる
・逃げる
・隠れる
・ずらす
〈ニッチ戦略〉
すべての生物がニッチを持っている。
小さな土俵で勝負する。
〈弱者と環境〉
安定した環境→強者が生き残り、弱者は滅びる。
撹乱がある環境→必ずしも強者が勝たない。
椅子取りゲームの空白のように、新たな椅子が置かれたときがチャンス。
〈結論〉
強いものでなく、賢いものでなく、「変化できるものが生き残る」。
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植物学者の稲垣栄洋先生の著作です。
稲垣先生の著作を何冊か読ませて頂きましたが、どれも植物学研究から派生したありとあらゆる生物に関する溢れるような知識が、少しだけ専門的な内容も含めて、人間の世界に様々に当てはめられて解説されています。専門的でありながら素人にもとても分かりやすい内容です。
大自然という弱肉強食の世界における厳しい法則と調和の中では、決して一番強い者が全てを得るわけではなく、弱者には弱者の賢い生き残りの戦略があり、その具体例が生命力に溢れて、かつ奇想天外でとても面白い本です。
タイトルから、自身や自身の所属する組織が、強い人や大企業と張り合う時のヒントを探して読む方もおられると思います。
そのヒントも、たくさんの生物の生き残り戦略の中に、見つかるかもしれません。
たとえば、こんな感じの事がたくさん書かれています。
イネ科の植物
食うか食われるかの弱肉強食の関係の中で、食べられるものが弱いとすれば、もっとも弱い存在は植物だろう。多くの生き物が植物をエサにしていて、植物は食べられる一方なのである。草食動物はもちろん、小さな虫けらさえも、植物をエサにしている。。。。それでは、植物はなんの抵抗もできないまま、食べられるに任せるより他ないのだろうか。
草食動物に食べられることによって進化した植物のひとつがイネ科植物である。
通常の植物は成長点が茎の先端にある。こうして細胞分裂した新しい細胞を上へ上へと積み上げていくのだ。しかしそれでは草食動物に茎の先端を食べられてしまうと、成長が止まってしまう。そこでイネ科植物は、全く逆の発想で成長する仕組みを身につけた。それは成長点を下に配置することである。イネ科植物の成長点は株元にある。。。
また、こんなストーリーもある。
同じ場所を棲み分ける-草原の草を食べる動物について
アフリカのサバンナには様々な草食動物がいる。シマウマは草原の草を食べている。キリンは地面に生える草ではなく、高いところにある木の葉を食べている。(同じ場所に生息しながら)争わないようにエサ場を分けているのである。
ウマの仲間のシマウマは草の先端を食べる。次にウシの仲間のヌーはその下の草の茎や葉を食べる。シカの仲間のトムソンガゼルは、地面に近い背丈の低い部分を食べている。こうしてサバンナの草食動物も、食べる部分をずらして棲み分けているのである。
などなど。
こういった自然界の生き残りや共存戦略をいくつか知ると、散歩で出会う植物や昆虫を見つめる気持ちさえも変わってくる気がします。
得た知識で目に映るものの姿が違って見える、楽しい読書です。
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生き物の世界は、「歯を食いしばって頑張れば何とかなる」といった甘い考えは通用しない。
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食物連鎖の下位にいる生物は擬態で敵を欺くということは知っていたが、
同じ種属の中でもそのようなことが行われていることを初めて知った。
それは体が小さくて弱い生物が遺伝子を残すための戦略だ。
暗闇で息を潜めて待ち構え、強いオスの鳴き声に引き寄せられたメスを横取りしたり、
メスに擬態して強いオスを油断させ、その隙にメスに近づいたり。
移動することができない植物も、鳥や昆虫に種を運んでもらうために、
甘い蜜や木の実を用意する。まさに戦略である。
生物が自分の遺伝子を次世代に繋ごうとする、果てしない努力。
それはビジネスや人間の生き方にも通じるものがあり、
したたかで力強く、いじらしささえ感じた。-
まっき〜♪さん、こちらこそいつもありがとうございます。
そうなんです!
かよわい生き物がこんなに(いい意味で)したたかで、
自分の...まっき〜♪さん、こちらこそいつもありがとうございます。
そうなんです!
かよわい生き物がこんなに(いい意味で)したたかで、
自分の遺伝子を残そうとする様に、いろんなことを重ね合わせて考えさせられました。
面白いのでオススメです♪
コメントありがとうございました。
2016/03/01
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生き物にとっての強さとは?命を継続し続けること。弱者も誰かの強者であり、環境によっても入れ替わる。生き残る全ての生き物が勝者であり、強者。弱者必勝の条件はニッチの追求。勝てるところで勝つという事。ランチェスター戦略。
複雑さ、変化、最悪はチャンスにして方法を見つける。
鏡の国のアリスで赤の女王の教えが言い当ててる。「いいこと、ここでは同じ場所に泊まっているだけでもせいいっぱい駆けてなくちゃならないんですよ。」周りが同じ様に精一杯駆けてるから、止まっているように感じる。止まるとあっという間に置いていかれ死んでしまう。
生き物も個人も企業も意識していないだけでこの戦いの中に生きている。同じ様にここに書いてある各種戦略が人生を生き残るための学びになった。 -
強い者が勝つのではない。勝った者が強いのである。まさにその通り。さまざまな生物が生き残るためにどのように進化していったのか、ニッチな場所を求めて行ったのかがわかる。実生活、特にビジネスには各生物の戦略が活きるのではないかと感じた。
1番強い者は、自分の弱さを忘れない者だ。この西洋の諺が引用してあったが、印象的である。 -
タイトルに興味を持った。弱者でも勝ち抜いていく方法があるのか、あるのならぜひ参考にしてみたいと思って読み始めた。戦を略すこと、土俵・視点・発想をズラすことで、オンリー1=特定分野のナンバー1=希少価値の創出に繋がると勉強になった。
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読みやすく生存戦略を考える切っ掛けに。
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明らかに日本の家紋の方がシンボル姓が高い。マンダラパワーのようなものが窺える。また西洋が特別なものに価値を感じるのに対し、日本はありふれたものに眼差しを注(そそ)いだ。
https://sessendo.blogspot.com/2019/08/blog-post_39.html -
生物界における平均は子孫を残すことができないという点に、まさに自分が物事に取り組む時の姿勢が問われているように思えた。
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サイエンス
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vol.283 生物界の「おきて」から戦略を学ぶ!本当の強さとは何か?http://www.shirayu.com/news/2014/
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「弱者の戦略」は捕食されたり弱い個体だったりする動植物が競争をさけたり絶滅を免れるために行う様々な進化を紹介する本です。
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雑草生態学を専門とする農学博士の著者(静岡大学大学院教授)が、生物の「生き残り戦略」をめぐる多彩なエピソードを紹介する科学読み物である。
“生き物にとって強さとは何か?”が全体をつらぬくテーマであり、いろいろなことを考えさせる本だが、堅苦しい内容ではない。矢継ぎ早にくり出されるエピソードがとにかく面白く、読み出したらページを繰る手が止まらない。
200ページに満たない本だが、詰め込まれた情報量が濃密なので、読み応えがある。構成もよく練られており、1冊の本としてウェルメイド。
思わず人に話したくなる話や、人間社会とのアナロジーで身につまされたり、ニヤリとしたりする話が満載。単純に“動植物雑学集”として読んでも、かなりのクオリティだ。
なお、「弱者の戦略」といえば、「ランチェスター戦略」の重要キーワードの一つでもある。ゆえに本書を、企業経営の要諦を説いたビジネス書と勘違いして手にする向きもあるかもしれない。
たとえそうであっても、無駄にはならないだろう。本書に紹介された動植物の生存戦略の中には、中小企業の生存戦略のヒントになるものも少なくないからだ。
本書の中で、私が付箋を打ったくだりのいくつかを、以下に引用しておく。
《十九世紀の後半から、ヨーロッパの都市で工業化が進むにつれて、暗色のガが増加するという事件が起こった。これが、よく知られる「工業暗化」と呼ばれる現象である。
(中略)
もともとは木の幹は地衣類で覆われて白っぽいので、白い淡色のガの方が目立ちにくく、鳥に捕食されずに生き残る確率が高かった。ところが、工業化すると煤煙によってまわりが黒くなる。そのため、黒い暗色のガの方が目立ちにくくなって、生き残るようになったのである。》
《ウマの仲間のシマウマは、草の先端を食べる。次にウシの仲間のヌーは、その下の草の茎や葉を食べる。そして、シカの仲間のトムソンガゼルは地面に近い背丈の低い部分を食べている。こうして、同じサバンナの草食動物も、食べる部分をずらして、棲み分けているのである。》
《弱者である多くの生物が、強者には真似できないナンバー1となれるニッチを持っている。だからこそ、これだけ多くの生物が自然界に存在しているのである。》
《西洋タンポポが生えるのは、道ばたや町中の公園など、新たに造成された場所である。このような場所は、土木工事によって日本タンポポが生えていたような自然は破壊されている。こうして大きな変化が起こり、空白となったニッチに西洋タンポポが侵入するのである。
よく、西洋タンポポが日本タンポポを駆逐しているように言われるが、日本タンポポの生息場所を奪っているのは、人間なのである。
西洋タンポポ以外にも、外国からやってくる外来雑草の多くは、人間がもともとあった自然を破壊してできた新たな場所にニッチを求める。そのため、埋立地や造成地、公園、新興住宅地、道路の法面(のりめん)、河川敷などを棲みかとしているのだ。》 -
「 弱者の戦略 」 動植物の生存本能を 弱者の戦略と捉えた本。弱者に見える動植物たちだが、偶然 今まで生き残っていたわけではない ということが よくわかる。人間や企業の戦略論としても 十分面白い
オンリーワン戦略、ニッチ戦略の本当の意味を知ることができる。本の命題は 「強い者が勝つわけではない。強者のマネをする必要はない〜弱者には弱者の戦略がある〜勝負の鉄則〜強い者は単純に、弱い者は複雑に」
特に イワシ、ナマケモノの生存戦略に驚く
強い者が生き残るのではない、生き残った者が強いのだ
*群れる→群れ=機能的チーム
*逃げる→勝ち目がない時 まず逃げて身を守る
*隠れる→敵が大きいほど 小さい方が身を守る武器になる→状況に応じて変わる
*ずらす→ 競争の少ない条件の悪い方を選ぶ
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海洋全蒸発や全球凍結など環境が激変しても生命体は生き残って来た。強者でなく変化してきた逞しい弱者も含まれる。弱いものの取る戦略は強者から見れば嫌悪感をもたらすものかもしれないが自然界においてもそれは存在する事を知ればそれも微笑ましく暖かく見守れる気がする。本書はそんな視点を作ってくれる本である。
※群れる→生物界にもある戦略
※擬態→シマウマはライオンやヒョウに見えない。
カサゴの赤色は深海で見えなくなる
※逃げる→ガゼルのサイドステップ
※ずらす→夜の蝶、日本のタンポポ
※棲み分け→平和的共存
※弱者の戦略とは→小さな複雑な局地的な戦いにもっていく。
※野生動物は比較的競争を避けるがメスを手に入れる為には命をかける(←人間との違い)
→ところが動物界にもコソ泥のような戦略もある(スニーカー戦略)(サテライト戦略)
※食べられる事により子孫を残す植物的戦略→
蜜で昆虫を呼び寄せ花粉を運ばせる
※強者の力を利用する→コバンザメ、ハチアブ、アブラ虫 -
なかなか身になる内容。コレだ!と元気になるわけではないがじわじわと指針を考えるには良い。
そして自分は強者ではなく、争いはなるべく避けて、ズラしたり、避けたり、ステージを変えたり、化けたりして、生きて子孫を残す弱者の戦略が性に合っていると感じた。 -
一番印象的だったのが、動物や昆虫がなぜ人間より寿命が短いか。変化の激しい環境の中では、固執した遺伝より、環境に合わせた遺伝が生成されるようにするため。
この本を読んで思うのが、やはり人間も動物なのだと改めて実感した。社会生活の中で、自分達も動物の一属性にすぎないと、滅多なことがない限り考えないので、新たな視点に気付かされた。
著者プロフィール
稲垣栄洋の作品
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