シーア派とスンニ派 中東大混迷を解く (新潮選書)

  • 新潮社 (2018年5月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784106038259

作品紹介・あらすじ

ますます広がる亀裂。イスラーム2大宗派の対立が全ての根源にあるのか? イランとサウジのにらみ合い、シリアやイエメンでの内戦やテロの拡大、進まないイラクの復興など、どの問題の陰にも正統・多数のスンニ派と異端・少数のシーア派の対立がある――この理解は、物事の半面しか見ていないに等しい。シーア派への警戒感は、なぜ高まったのか。宗派対立への誤解を意味ある議論に変える意欲的な試み。

感想・レビュー・書評

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  • イスラムと言えばこの人、池内恵さんの著書。
    シーア派とスンニ派の違いが何度見ても覚えられなくて手に取った。宗派の成り立ちから丁寧に書かれていてとても分かりやすかった。
    国を越えて宗派の違いで集まり、中東の国や欧米も自国の有利な政権を確立させる為に手を出すのでなかなか平和が訪れない。
    誰しも平和が良いと思うのだけど、主義主張が異なると仲良くという訳にもいかないのだろうか。出口が見えなくて暗澹とした気持ちにもなった。
    今までイスラム世界の事は他人事だったのだがこれから移民として日本にもイスラムがやってくるのかなと思う。もう少しイスラム世界について解像度をあげたい。

  • サイクス=ピコ協定の呪縛と本書の2冊で、今回のパレスチナ危機事態を少し俯瞰して見ることができるようになった気がします。
    イラク戦争におけるアメリカの戦略的失敗についてのくだりは、正に目からウロコの冷徹な解説でした。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/712629

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  • 前作に引き続き歴史的な背景を豊富に踏まえて、現在よく言われる「シーア派とスンニ派の対立」とは何かをわかりやすく解説しています。
    レバノンについても1章割かれていました。改めて、レバノンについてはほかの書籍なども読んでもっと知りたいと思いました。

  • 「中東大混迷を解く」シリーズの第二弾。
    なんとなく知った気でいた、シーア派とスンニ派の違いが理解できると共に、この二つでは簡単に分けきるとこのできない「宗派」について考える機会となる一冊だった。
    また、あまり日本の報道で見ないレバノン情勢についても勉強になった。

  • ほとんどの日本人と同じく、イスラム教についての知識を体系的に学んだこともない自分にとって、入門となる一冊。「スンニ派」と「シーア派」という言葉自体は聞いたことがあってもそもそもその意味すら知らなかったが、著者の丁寧な解説によって、少しずつ理解が深まっていくようにできている。

    中東で現在進行形で起こっている争いについて、理解するための基本事項を教えてくれるとと同時に、より深く勉強をしたくなるようにうまく書かれている、よい教科書だと思う。

  • シーア派とスンニ派の違い、最近の中東情勢が分かりやすく書かれていた。
    「想像の範囲を超える事象を前にすると、人間心理には、それを自分の理解できる範囲に合理化しようとする傾向があるようだ。」

  • シーア派とスンニ派の宗派対立という図式について、皮相的な見方であるとして、教義としての対立でなく、あくまで利害対立であることを説明している。宗教が生活に根差してない日本人には想像できないが、日本人から見ると、宗派を教義の違いからの衝突ではなく、むしら政治や会社で見られる派閥の対立と見た方がしっくりくる感じがした。

  • いろいろな軸で説明されていて、理解が深まったと思う。
    トーマス・フリードマンとニューヨーク・タイムズについてバッサリ切っていて、物事は両方の面から見ないといけないなあと改めて自戒。
    これは、イスラム社会のように、自分の住んでいる社会と仕組みや習慣が違う社会を見るときにも、忘れてはいけないと感じた。

  • 現在の中東情勢が「宗派主義化」されている状況を、イラン革命、イラク戦争、レバノン情勢の分析を通して説明されています。宗派に基づくコミュニティ間の対立が生じた経緯、現在のイラク、シリア情勢が「宗派対立」であると言い切れない複雑な構造を、コンパクトな本書の中で簡潔にまとめられていて、大変勉強になりました。

  • 中東の情勢において、イスラムに限らず宗派が人々を分断する枠組として利用されてきた経過を、わかりやすく教えてくれた。

  • 東2法経図・6F開架 319.2A/I35s//K

  •  教義の対立ではなく宗派のコミュニティの対立、という本書の解説で腑に落ちた。イランとサウジを地域大国間の対立と捉えれば、それ自体は中東以外でもあり得る。また国内各勢力が地域内外の大国の介入を引き入れた内戦というのは、たとえばカンボジア内戦を思い出させる。ただ、宗派は勢力を結束させる大きな要因の一つ(not 唯一)だという現実がある以上、「宗派対立」がもたらす紛争、という単純化は正解でも不正解でもあるのだろうか。
     筆者は巻末で、現在の中東を「まだら状の秩序」と呼んでいる。反植民地主義も国民意識も自由・民主主義もアラブ民族主義も社会を完全に網羅できない中で人々の帰属意識は宗派をはじめ細分化している、そしてそれぞれの理念と帰属意識に拠り所を持つ主体がまだら状に分布している、ということである。

  • 週刊文春2018621掲載

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著者プロフィール

東京大学先端科学技術研究センター教授。専門はイスラーム政治思想史・中東研究。著書に『アラブ政治の今を読む』(中央公論新社)、『増補新版 イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社)『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(新潮選書)、『シーア派とスンニ派』(新潮選書)など多数。

「2022年 『UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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