ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106038815

作品紹介・あらすじ

寿命って何だろう? なぜ、私たちは進化の末にそれを獲得していったのか? 約40億年前に誕生した初期の生物に、寿命はなかった。にもかかわらず、死ぬことは必要だった――生物は進化し、多様性を生み出し、複雑な構造となったからだ。生物は生き残るため、寿命を得たのである。「死」に関する4つの仮説の歴史的な盛衰を通して、生物の「寿命」がどのように生まれたのかをひもといていく。

感想・レビュー・書評

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  • 【自由研究】人はなぜ老いるのか?③

    死なない生物がいるのに人類はなぜ、老いと死を選んできたのか?そして今、それを拒むことは何を意味するのでしょうか?
    * * *
    『4つの仮説』を乱暴にまとめてひとことで言うなら〈絶滅しないため〉と言えそうです。
    絶滅しないために死を選んだのであれば、それを拒むことは〈絶滅〉を意味するのでしょうか。

    地球上の生物は絶滅と繁栄を繰り返しています。何億年も繁栄した恐竜でさえ絶滅しています。
    著者はAIが絶滅の限界を超えるかもしれるないと言います。人類も絶滅するかもしれませんがAIにより新たな人類=〈超人類※〉が誕生するのかもしれません。※lem造語

    それはAI+人類=トランスヒューマンなのかもしれないし、デザイナーベイビーやクローン人間によって生み出されるものかもしれません。

    結論:死を拒むことは人類の新たな〈進化〉を意味している(らしい)。

    その前に核戦争で地球が滅びなければ…という前提付きですが…。
    つづく

  • ヒトを含む生物がなぜ死ぬかについて、
    ・自然淘汰的死亡説 生物が存在するために必要
    ・種の保存説 若い世代に道を譲るため
    ・生命活動速度論 生きている間に使えるエネルギーは一定
    ・進化論的寿命説 寿命は死亡率によって進化した
    の4つの仮設から解いた本。

    仮説それぞれに説得力もあり、現代は否定された箇所もあり、科学の深遠さを感じることができる。

    生物の基本形は不死だったと言われ、へえと思ったが、散逸構造の説明と一緒に考えるととても納得感はある。さらに生と死を時間と空間で分けて考えるというのは組織のあり方にも通用するかもしれない。
    最後に著者が触れている、永遠性と複雑性は相反するもので、進化では両立できなかったという解説は興味深い。

    類似の本もあるので、読み比べてみるとより理解が深まると感じた。

  • 第1章は難しかったけれど種の保存説からとても楽しかった。
    何故産むことができなくなっても長く生きるのかという疑問から人間は一人で育てるのは難しいから育てるために長生きしている説はすごく腑に落ちた。
    自然淘汰の話は常に興味深く楽しく読めたこれだけで本一冊読みたい。

    これから先人間がどうなっていくのか楽しみ。見届けられないのがとても残念

  • 2023/09/06 読み終わった

    コテンラジオの老いと死の回で紹介されていたので。あとは、深井さんがおすすめしていた同じ著者の「進化論はいかに進化したのか」が面白かったので。

    なぜヒトには寿命があるのか、究極の答えは自然淘汰の結果だということ。つまり、そういう風に進化したから。だそうだ。

    歴史的にさまざまな説が提唱されてきた:

    - 体が大きい方が寿命が長い
    - 代謝が少ない方が寿命が長い
    - 次の世代に譲るため←循環論法

    最近の説は20世紀後半のものも。でもそれも否定されている。

    結局、自然淘汰で全部説明できる。これはきれいだと思った。

    因果関係を間違えて認識していないかを常に意識するという観点も面白かった。我々は太陽がないと生きていけないが、太陽は我々を生かすために輝いているのではない。

    そもそも、生き物が絶対に死ぬっていう当たり前(と思っている)ことも、本当は当たり前じゃない。これも新しい視点。

  • 永遠の命を持っていたはずの生き物は、進化(=その方が都合が良いから)によって死ぬことになった。けれど進化に抗って、組み込まれたプログラムの通りに生きてやらないこともできる。

    ところどころ完全には理解できなかったけど、生死についての学問的なさまざまな説がどれも面白かった。虫歯で死んだ狼のことを想った。

    生きづらい人たちが、それでも生きているということは、進化に対する全力の抵抗なのかもしれない。

  • 請求記号 461/Sa 69

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著者プロフィール

更科功
1961 年、東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。現在、武蔵野美術大学教授、東京大学非常勤講師。『化石の分子生物学――生命進化の謎を解く』で、第 29 回講談社科学出版賞を受賞。著書に『若い読者に贈る美しい生物学講義』、『ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか―生物の死 4つの仮説』、『理系の文章術』、『絶滅の人類史―なぜ「わたしたち」が生き延びたのか』など。

「2022年 『人類の進化大百科』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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