忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉 (新潮選書)

  • 新潮社 (2025年1月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784106039201

作品紹介・あらすじ

遠くなったあの時代が、活き活きと、温かく胸を満たす――。「チグハグさ」が魅力の寺山修司の才能、小林秀雄が漏らした死の真実、墓場までイメージを背負って去った八千草薫、徹夜麻雀で見せた秋山庄太郎の悪ガキ振り、瀬戸内寂聴との長く不思議な縁、徳大寺有恒がヤクザ映画の主人公のように放った一言、追放者である人間の印を「刻印」された三木卓――。甦る昭和の思い出46編。

感想・レビュー・書評

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  • 五木寛之氏の出会った人、関わった人の
    その幅広さ。

    そして、その人たちの
    さりげない言葉から、垣間見える
    人柄や、茶目っ気や、哀しみや。

    うっかりと言葉にしたことが
    誰かの心に残って、いつまでも
    自分という人間が、その一言で
    イメージされた印象が残るのでは、
    という怖さもある。

    一方で、自分自身は、誰かの言葉に
    こんなふうに、掬い取り、
    ふとした時に思い出して
    懐かしく思い出せるのだろうか。
    そんな思いも感じた。

    人と会う、人の言葉を聴く。
    その関わりを大切にしたいと改めて思った。

  • これまでの人生で出会った著名人46人の思い出を、印象的な言葉に焦点を当てて綴るエッセイ集である。すべて著者が故人から直接聞いた言葉である点がミソだ。

    46編は玉石混交で、つまらないものもあるが、バシッと決まったものには「名人芸」の趣がある。短い文章の中に、鮮やかな一閃でその人の“核”が切り取られているのだ。
    石岡瑛子、浦山桐郎、リチャード・アヴェドン、星野哲郎の回がよかった。

    それにしても、五木寛之ももう92歳かァ。私は中学生のころ、この人の作品にハマって読みまくったことがある。


  • 92歳にしてなお執筆をつづける著者がこれまで接してきた著名人の言葉を綴った本。
    目次を見れば十分。
    ことばにまつわるエピソードも短い。
    もっと深いと思ってた。


    はじめに

    寺山修司
    ぼくはあなたよりも、あなたが読んでいる本に興味があるんだ

    徳大寺有恒
    命、お預かりします

    小林秀雄
    人間は生まれた時から、死へ向かってとぼとぼ歩いていくような存在です

    八千草薫
    激しい豪雨ではなく日本らしい雨期になって欲しいです

    秋山庄太郎
    鍛えれば歯茎でスルメでも噛めるんだ

    三木 卓
    ぼくらは同じ刻印を背おった人間だから

    藤子不二雄(A)
    みんな薄情なんだなあ

    犬養道子
    世の中はちょっとルーズなほうが住みやすいのよね

    深作欣二
    嘘をつくなら壮大な嘘をつこう

    リチャード・アヴェドン
    わたしが撮ると、すべてが美しくなってしまう

    石岡瑛子
    優秀な人ばかりで作りあげた仕事は、百点はとれても百二十点はとれない

    城山三郎
    この人、君のお古じゃないんだろうね

    芦田伸介
    人生、思い通りにはいかないものです

    瀬戸内寂聴
    鏡花賞ほしいから選考委員やめようかな

    林 達夫
    その土地に根ざしたものより、移植されて育った植物のほうが強い

    大原麗子
    やっぱり体温が伝わってくるって、いいね

    立松和平
    仏教は因果を説く宗教ではない

    加藤唐九郎
    男なら必ず振り向かなきゃ駄目だ

    和田 誠
    絵は結局、相手が描くんだよ

    阿佐田哲也
    ぼくは、普通の職業につきたかったな

    小島武夫
    麻雀はプロだが、歌は素人だからなあ

    高田好胤
    新しい割り箸を使って、そのまま捨ててしまうのは勿体ない

    ワルワーラ・ブブノヴァ
    詩は読むものではありません。歌うものです

    野坂昭如
    おれは徹底的に偽悪を演じるから、あんたは偽善に徹してくれ

    浦山桐郎
    原作をどう毀すか、ということ

    池島信平
    どんなに立場のちがう人とでも、会って話をしなさい

    桃山晴衣
    母音を美しく発声するには、口をあまり大きく開けないことが大切なのに

    奥野健男
    これだけ僕が推しても、駄目ですか

    星野哲郎
    歌も芝居も、ダレ場というものが必要なんじゃないのかな

    杉村春子
    あなた、トモコと仲良しなんだって?

    C・W・ニコル
    きちんとひげを剃る。そんなタイプの男が、いざという時に強かったんです

    藤澤武夫
    若者には祭りが必要なんです

    岸 洋子
    これ、なんだろう。フカヒレかな?

    井上 靖
    「わたしの城下町」みたいな歌を書いてみたいと――

    石川順三
    ジャズってチンドン屋の音楽だよね

    矢崎泰久
    しごく淡々として明かるかった

    馬淵玄三
    うまい歌じゃなくて、いい歌をききたいんだ

    田村泰次郎
    外国人に気やすく謝っちゃ駄目だぞ

    野村沙知代
    同じ大変な年に生まれたんだから

    高橋和巳
    この俺にマンボなんか踊らせやがって

    吉岡 治
    いまは童謡の時代ではないのかもしれない

    沖浦和光
    あの海にはね、一生ずっと船の上で暮す人々がいたんだよ

    ローレンス・ダレル
    年老いた作家には、これしかないんだよ

    野見山暁治
    べつに、なーんもしてません。ただ絵を描いてるだけですよ

    半村 良
    えっ? キョウカショ?

    父・信藏
    寝るより楽はなかりけり。浮き世の馬鹿が起きて働く

    おわりに

  •  いつも聴いているpodcast番組に著者の五木寛之さんがゲスト出演した際に紹介していた本です。
     五木さんの広い交友関係から多彩なジャンルの方々45名+お父様をフィーチャーしたもので、語られているのは、どれも心温まるエピソードの数々でした。

  • まさしく一語一会。その一言がその人との出会いを表し、人柄もつかむ。五木氏の人生の宝ともいうべき出会い。特に八千草薫さんについてがなかなかと思う。

  • 著者が様々な方に会ってかわした言葉が紹介されていました。

    優秀な人ばかりで作りあげた仕事は、百点はとれても百二十点はとれない 石岡瑛子

    その土地に根ざしたものより、移植されて育った食物のほうが強い 林達夫

    どんな立場のちがう人とでも、会って話をしなさい 池島信平

    母音を美しく発生するには、口をあまり大きく開けないことが大切 桃山晴衣

    歌も芝居も、ダレ場というものが必要なんじゃないかな 星野哲郎

    きちんとひげを剃る。そんなタイプの男が、いざという時に強かった C・W・ニコル

    うまい歌じゃなくて、いい歌をききたいんだ 馬淵玄三

    外国人に気やすく謝っちゃ駄目だぞ 田村泰次郎

    べつに、なーんもしていません。ただ絵を描いているだけですよ 野見山暁治

  • ポツリと一言、が実は奥深い。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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