謎ときエドガー・アラン・ポー 知られざる未解決殺人事件 (新潮選書)

  • 新潮社 (2025年2月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784106039232

作品紹介・あらすじ

2世紀もの間、誰も気づかなかった殺人事件が今、解決する! 米文学史に名を刻む天才作家にして「推理小説の始祖」ポーは、なぜある時から突然、推理小説を書くのをやめたのか? 世界最高峰のミステリ賞〈エドガー賞〉(評論・評伝部門)で日本人初の最終候補、『謎ときサリンジャー』で小林秀雄賞受賞の稀代の〈文学探偵〉による世紀の「発見」とは。作家解釈をも揺るがす震撼の論考。

みんなの感想まとめ

作品は、エドガー・アラン・ポーの短編「犯人はお前だ」を中心に、隠された謎を徹底的に解明する内容です。著者は、ポーの作品に潜む挑戦状のような構造を分析し、読者に新たな視点を提供します。特に、オリジナルと...

感想・レビュー・書評

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  • 今週の本棚:鴻巣友季子・評 『謎ときエドガー・アラン・ポー』=竹内康浩・著 | 毎日新聞 2025/4/5有料記事
    https://mainichi.jp/articles/20250405/ddm/015/070/026000c

    精読が新しい物語を描き出す 『謎ときエドガー・アラン・ポー』竹内康浩著 <書評>評・平戸懐古(翻訳家) - 産経ニュース 2025/4/27
    https://www.sankei.com/article/20250427-NBE47SIHWBNKRBREV4HFOB4OGQ/

    <訪問>「謎ときエドガー・アラン・ポー」を書いた竹内康浩(たけうち・やすひろ)さん:北海道新聞デジタル 2025年5月4日
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1155172/

    謎ときエドガー・アラン・ポー – 書香の森 – 北海道大学 大学院文学研究院・大学院文学院・文学部 2025.2.20
    https://www.let.hokudai.ac.jp/book/26258

    日本人初のエドガー賞(評論・評伝部門)受賞なるか!? あの「文学探偵」の最新作『謎ときエドガー・アラン・ポー 知られざる未解決殺人事件』が本日発売! | 株式会社新潮社のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001916.000047877.html

    『謎ときエドガー・アラン・ポー―知られざる未解決殺人事件―』 竹内康浩 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/603923/
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • ポーの短編「犯人はお前だ」には隠された謎がある。
    それは作者から読者への挑戦状。
    詳細に作品の内容を検証し、未解決事件を解明してゆく。
    ・まえがき
    序章――「犯人はお前だ」全文訳
    第一章 挑発 第二章 矛盾 第三章 未解決殺人事件
    第四章 鏡像 第五章 もう一つの完全犯罪
    第六章 デュパンの誕生
    第七章 アナリシスとアナロジー
    第八章 謎のカギをひねり戻す
    ・あとがき ・註解
    ・解説――メタ物語の楽しみ 巽 孝之

    貸出延長してまで読み深めてしまいました。
    前半は「犯人はお前だ」を徹底的に検証し、解釈を提示。
    これが推理小説の如くで、ワクワクしながら読んだ。
    ふーむ鏡像関係か。オリジナルとコピーの関係か。
    解き明かされると、今まで読んだ内容とは
    異なる姿が見えてくる。そして、ラストに衝撃を受ける。
    読者に鏡像関係を見抜いてもらい、
    自分の凄さを分かってもらいたいという、
    ポーの読者への挑戦状なる作品というスタンスだが、
    今であっても当時であっても、これは難解。
    後半は、鏡像関係と、オリジナルとコピーの関係が
    他の作品にも見い出される検証と解釈。
    「モルグ街の殺人」「アッシャー家の崩壊」「黒猫」等、
    蔵書のポー全集を引っ張り出して、照らし合わせてしまう。
    著者の独創的な解釈は説得力があり、文芸評論でありながら、
    面白かったし、ポー自体も改めて凄さを感じてしまいました。
    ポーの謎の死も、実は読者への挑戦状なのかと、
    妄想してしまったほどに。

  • エドガー・アラン・ポーの短編『犯人はお前だ』の構造を分析、隠された謎を解く。後半はデュパンシリーズや『アッシャー家の崩壊』、『黒猫』など他の有名作品にも応用していく。

    『犯人はお前だ』は初めて読んだが、よくある短編集の中の一つとして読んでいたら、「うーん、推理やトリックは何だか粗くてよく分からないし、これはイマイチ刺さらなかったなあ……」で終わってたことだろう。
    「オリジナル(実像)とコピー(虚像)という鏡像関係を見出し、一つの事象を深掘りするのではなく、水平方向に広がっている別の事象に目を向けることで、相互の二重構造、反転構造という関係性を明らかにする」という分析手法で著者が小説の構造を明らかにするたびに、そういうことだったのか!と膝を打つ。評論でありながら、これ自体が新たなミステリー小説。180年も前の作品で知的好奇心が刺激される。ポーもすごい、竹内氏もすごい。隠された意味を理解して読むと、ここまで面白くなるとは。
    ともすればトンデモ陰謀論的な感じで片付けられそうな感じもするが、著者は英米文学研究の確かなバックグラウンドがあり、想定される反論については回答が準備されている。それなりに説得力のあるロジックが展開され、とても読み応えがある。

    前半部で謎解きの題材として扱われることとなる『犯人はお前だ』は全文訳があるので予習不要。
    後半部ではポーの代表作群を読み解くので、デュパンシリーズ(『モルグ街の殺人』、『マリー・ロジェの謎』、『盗まれた手紙』)、『アッシャー家の崩壊』、『ウィリアム・ウィルソン』、『黒猫』は事前に読んでおいたほうが良い。

  • ポーの短編「犯人はお前だ」への新解釈を提示する本。
    「犯人はお前だ」はラストの死体が突如動き出し犯人を名指しするという仕掛け以外あまり見るところのない作品という認識を覆すもの。著者の竹内康浩は冒頭に提示されるオイディプスの名をはじめとした些細な違和感と作中の矛盾を検証し、作中明示的に描かれることのない未解決のままにされた殺人事件の謎を解き明かしていくという文芸評論なのにほとんどミステリ小説のような内容。読んでいて子供の頃読んだ高木彬光の「成吉思汗の秘密」のようなエキサイティングかつ説得力のある検証とほんまかいなという胡散臭さがない交ぜになった感覚を思い出した。

    後半は、前半の「犯人はお前だ」を読み解いた方法を、ポーの「モルグ街の殺人」や「アッシャー家の崩壊」や「黒猫」といった他の作品にも適用して読み解いていく構成で、著者が注目するオリジナルとコピーの鏡像的な関係が「犯人はお前だ」の独創的な解釈の是非をともかくとしてもポーの創作における重要なファクターであることは間違いなさそう。

    あまりの面白さに一晩で一気読みしてしまった。

    同じ著者の「謎ときサリンジャー」も是非読みたいが、サリンジャーは全く読んだことないんぢょなぁ。

  • 面白かった。

  • この本自体がミステリー小説みたい!
    そう言われてみれば⋯って繋がる箇所が沢山で説得力がある。
    筆者の方が探偵に見えてくる!

  • ポーは子供向けの「黒猫」や「落とし穴と振り子」を読んだことがあったくらいで、「犯人はお前だ」は完全に未読だった。のだが、それでもいや明らかに描写が変っていうか死体だろ! 誰もテキストで指摘してこなかったってなんで!? と大いに困惑させられた。
    この本はその「未解決殺人事件」の話を下敷きに、ポーの作品の対比構造をわかりやすく描き出してくれていて、大変おもしろかった。論文については査読で牽強付会ともいわれたようだが、素人目には十分な説得力があるように思える。いやそれにしたって、テーブルに倒れて自白しだすのも急に飛び上がって死ぬのも明らかにおかしいだろ。

  • 「犯人はお前だ」の解説は面白かった。なんだけど、あれもこれも鏡像関係に落とし込んで解釈していく、というのは……? 分野に詳しくないので、そういうものなのかもしれないのだが、そんなワンパターンに作るものだろうか、とちょっと腑に落ちないところがあった。

  • ふむ

  • ポー読解を根底から覆す名著

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著者プロフィール

1965年生、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。文学修士。
現在、北海道大学大学院文学研究科教授(西洋文学講座)。
論文に “Gatsbyʼs Green Light as a Traffic Signal: F. Scott Fitzgeraldʼs Motive Force,” (F. Scott Fitzgerald Review, 14, pp. 198-214, 2016), “Tracking Twain: The Unfulfilled Pursuit in Mark Twainʼs Detective Fiction,” (American Literary Realism, 48.2, pp. 166-182, 2016), “Twainʼs Trauma and the Unresolved Murder of Huckleberry Finnʼs Father,” (Literary Imagination, 15.3, pp. 259-274, 2013).


「2017年 『悩める人間 人文学の処方箋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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