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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784106039249
作品紹介・あらすじ
「京都らしさ」の向こうにある、知られざる京都を知る。千年の都にして日本最古の観光地・京都には、平安や幕末のみならず、あらゆる時代の痕跡が息づいている。この地に暮し、日々、自転車で身近な歴史の痕跡を考察してきた直木賞作家が、季節の便りや日常のニュースから思いも寄らぬ史話を掘り起こし、紡ぐ50のエッセイ。京都の解像度が上がる知的興奮の一冊。
感想・レビュー・書評
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今日の京都の天気は、
くもり 一時 雨
降水確率は50%
最高気温は摂氏33度
最低気温は25度。
湿度は60%~70%台後半。
梅雨入り以降、
夏至を迎えてさらに暑くて
ジメジメした日が続きます。
でも、、、、
京都は良い♡
良いものは良い♡
そんな京都の歩き方を
京都府生まれ、同志社大学大学院出身の
歴史小説家 澤田瞳子さんが教えてくださいます。
澤田さんは、「はじめに」で、こう語ります。
「京都のあり方と歴史を知らずしてこの地を味わうことは、歴史や文化の表層をただ軽く撫でるだけの行為に過ぎない。
「京都に生まれ育ったわたしから見ても、京都という土地は日々新しい顔を見せ続け、こちらが必死に食らいついていかねば、いつの間にかまったく違う姿へと変貌してしまいそうな得体の知れなさがある。」
「千年の都・京都とは何かを問うことは、歴史とは何か、ひいてはわれわれ自身とは何かという問いにもつながる。」
「本書がそんな模索へと踏み入る、細い散歩道となれば幸いである。」
秋冬春夏の順に語られる京都。
最終章の「夏」は、まず「38 伊庭八郎の京都スイーツ三昧」から語られます。
澤田さんは「毎年、六月も半ばに差しかかると、なんとなく落ち着かぬ日々が始まる。」そうです。
それは「豆菓子屋・豆政」さんの「和菓子・水無月(みなづき)」の販売開始日が近づくからでした♡
そして、お話は、水無月から銀座新橋 時雨庵の汁粉に広がり、幕末は寺田屋事件の旗本・伊庭八郎(いば はちろう)の甘党ぶりに及びます。半年の滞在後、五月に京都を離れた伊庭が六月末までもし京都に滞在していたら水無月を食べていたかもしれないと、お話は結ばれます。
今年もそろそろ販売開始ですネ♡
水無月♡♡
歴史と和菓子が結びついて、舞台となった京都が偲ばれる。はんなりと上品な良いお話です。
京都の夏のお話は、39 鱧(はも)、40 愛宕山リゾート、41(京都人は行かない)金閣寺と続いていきます。
暑いから?、遠いから?、実際には行かないけれど、
エアコンの効いたお部屋で、またはカフェで冷たい飲み物など飲みながら、この本で、澤田瞳子さんの案内の下、京都の歴史や風物を楽しんでみられてはいかがでしょうか。
オススメどすえぇ♡
《目 次》
はじめに
秋
1 京都人の「京都」を探して
2 東寺の塔は空海のコーラ
3 白峯神宮にサッカー神のおわす
4 宣長・将門の京都青春記
5 鹿はナマに限る?――危ない生食の古代史
6 樺山伯爵は馬鹿車に乗って
7 紫式部は鰯を食べたか
8 歴史は「残り物」で出来ている
9 紅葉狩りと藤原実資の怒り
10「京料理」の誕生
11 紅葉の高雄に恋が香る
冬
12 師走の風物詩・広沢池の鯉揚げ
13 皇太子ニコライと京都ホテル
14 歌枕をめぐる旅
15 道真が聞いた鐘の音は
16 相撲の歩みは『日本書紀』から
17 大河ドラマに楽しくだまされたい
18 平安貴族に見る酒と出世の日本史
19 古式ゆかしい吉田神社節分祭
20 幻の能面「雪・月・花」が揃う時
21 凡河内躬恒の当意即妙
22 ご本尊の受難、仏像からカーネルまで
23 京都看板散歩のすすめ
24 生八ッ橋「夕子」と『金閣炎上』
春
25 平野神社の普賢象桜を見て
26 かつてタケノコは果物だった
27 なぜ大江山は丹後に設定されたか
28『甲子夜話』に残る京都大地震
29 煩悩に迷った僧侶たち
30 鵺の史跡を訪ねて
31 高瀬川の蜘蛛が運ぶもの
32 公家のスキャンダルと温泉
33「薪能」普及の立役者はオリンピック?
34「小京都」の京都離れ
35「薬子の変」に思うこと
36 通学路から時代劇が見える
37 京都土産のイノベーション
夏
38 伊庭八郎の京都スイーツ三昧
39 漱石の鱧、泣菫の鱧
40 愛宕山リゾートへようこそ
41 京都人は行かない金閣寺
42 はじめての鎌倉
43 野ざらし大仏
44 戦争遺跡が語るもの
45 八瀬の釜風呂と入浴の陰謀
46 自首には向かない日
47 後西天皇の悲劇
48「みすや針」が繋ぐ鬼平の縁
49 早すぎた慶應義塾京都分校
50 私たちは歴史の道を歩いている
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週刊新潮2023年10月26日号〜2024年10月24日号連載の歴史のしっぽ古都の歩き方を改題し、加筆修正して2025年3月新潮社刊。さすがの澤田さん、50回の連載内容は多彩で幅が広く、生活、たべもの、できごと、と興味が尽きない話が続く。帯にもあった八つ橋夕子ネタが面白い。
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大変に愉しいエッセイ集だと思う。雑誌連載を基礎にした50篇にも及ぶエッセイが集められているのだが、ドンドン読み進めて素早く読了に至った。
週刊誌で1年間という連載であったという。そうなると毎週掲載で50篇程度だ。そして雑誌の刊行時季を意識していたのか、または後から季節毎の話題というように整理をしたのか、「秋」、「冬」、「春」、「夏」というように章を設定している。
「歩き方」と称して、個別具体的に何処かを訪ねるというようなことを積み上げているという程でもない。「歴史小説家の視点」と称して、歴史に纏わる話題ばかりという程でもない。京都で暮らすようになった両親の下、京都で生まれ育って、そのまま京都に住み続けて活動しているという筆者が、普段動き回っている様子が伺えるような内容や、そういう普段着の中で思い出した話題を少し掘り下げるという感じの内容が本書であると思う。
生まれ育っていて、そのまま住み続けて活動しているということで、筆者は「京都」を「訪ねてみる場所」というように考えることをし悪い。そういうことで、実際に住んでいる人達の何倍もの人達が訪れて、「〇〇は京都で観たい」と拘りの在る人達も相当数になる筈だが、筆者は「住んでいる場所が深い歴史を持っている」という様子、長く歴史に興味を持っていて関連の題材を求めて小説も綴っているので歴史関係の事項を想い出す場合が多く在るというような、「自然体」で本作のエッセイ各篇を綴っているというように感じた。その筆者の「自然体」が実に心地好い。
「京都」は、或いは「“京都”というイメージが消費される場所」という性質が在るかもしれない。が、偶々そこで生まれ育って、大学迄卒業してそのまま住んで活動しているということであれば「“イメージの消費”と無関係な自身が居合わせている街」という目線が在る筈だ。本書のエッセイ各篇では、そうした目線で綴られたモノが大半であると思った。
或る程度の規模である他地域の街を訪ねると、その街や、街が含まれる圏域で「棲むように滞在して時間を過ごす」という意識で動くと愉しい場合が在ると個人的には思っている。そうした意味で「消費されているイメージ」と関連が薄い、「自然体」な本書のエッセイ各篇は、何か「響く」というような気もする。出逢えて善かった一冊であった。 -
「(心の)故郷は遠きにありて思ふもの」
私の、京都に対しての想いはそんな感じ。京都への憧れは十歳くらいにはじまったと思うが、旅行したのは修学旅行を含めて10回に届くかどうかというところである。(きっかけは、夏休みに家族で大阪万博(1970年)に行ってきたというお金持ちの友達が、ついでに京都に寄って観光して来たという写真を大量に見せてくれたことによる)
近年の、外国人旅行者の混雑を見るにつけては、もう一生、京都に行くことはないだろうと思ってしまう。
でも、本当に京都に憧れている。
そんな私に、居ながらにして京都旅をさせてくれる本書である。
澤田瞳子さんの、歴史の研究者であり、小説家であり、京都に生まれ育った京都人である、という多角的な観点から語られる、京都と歴史。
ありきたりな言葉で言いますが「尊い」
京都に関する小説やエッセイを少しずつ読んできたけれど、ここで初めて知ることも多かった。
吉田兼好が徒然草に、鯉のあったかい汁物食べた日は、コラーゲンで髪もしっとり〜!・・・のようなことを書いていたというのが面白かった(コラーゲンとは言ってないけど)
鱧の自動骨切り機も笑える。寿司を握るロボットがあるのだから、まあ、大量生産しようと思ったらそうなるか。
歴史の授業は年号丸暗記より、事件の中身の理解が重要というのは、歴史は面白いのになぜ学校の授業はつまらないのか?に対する答えだ。
仕事で東京に行って、会食をすることになる時、「京都住まいの澤田さんは和食に誘いづらいと言われ、目が点」という話もある。
それ、周りの人は変な気を使いすぎだと自分も思う。しかし、他の都道府県出身の人に対して他人がそういう気遣いをするか?となった時・・・
ないだろうな、と思う。
それだけ「京都」は特別であり、「京都人」に対するリスペクトの結果であると思ってご寛恕願いたいと思うのである。
余談だが・・・今年こそ「水無月」を食べたい。 -
短いエッセイが盛り込まれた本なので読みやすい。
京都の暮らしが知れて、ヨソモノには嬉しい。
たくさんの話があり、どれも興味深い。
けれど、よーく覚えているのが、他の都府県で和食に誘われない、というところでしょうか。
ここでも他府県民の京都への偏見?が垣間見えて楽しい。 -
澤田瞳子さんが澤田ふじ子さんの娘さんだと初めて知りました。
甘くも辛くもなく何とも掴みどころのない京都らしい一冊でした。
図書館本。
2025-025 -
<内容>
第1章 秋
第2章 冬
第3章 春
第4章 夏
<内容>
京都生まれ、京都在住の作家沢田瞳子のエッセイ。週刊新潮に1年間連載したものを再構成、加筆したもの。ただしあくまでもエッセイなので、すべてが京都の話ではない。歴史作家だけに、京都界隈のことはとても詳しいが、さほど掘り込まれたものではない。その辺を差し引いて読まねばならない。 -
京都に関する本は、多々あるが、地元に生まれ、住んでいる人は、実際、観光目的で訪れるよそ人とは、異なる思いがあると思う。この本をガイドブックの類いと思っていると期待外れになる。真の京都通へのガイドブックの一つになるかもしれない。
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京都出身京都在住の作家さんによる、京都をキーワードにした、歴史も遡る蘊蓄エッセイ。
さほど面白くはない。博学であろうとは思うが。
大阪出身で京都に勤務していたこともある身からすると、まあ地名で親近感を感じることがあるのであるがそれだけかな。
ご本人、ご両親は中部地方の出身であるらしく、生粋の京都の方から見れば全然京都人ではないようではあるし。
まあ、良くも悪くも、洛中はそう言うところ。
で、京都人は京都の観光地に行かないと言ってるが、ぼくが付き合った京都の方は、大概言ってたよ。金閣寺以外は。金閣寺も、一回くらいは行ってたんかな。
ま、人それぞれ。
生々しさが全然ない京都の歩き方だった気がする。 -
p.2025/8/17
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「歩き方」というほど、うろついてはない。
でも京都にまつわるエッセイとして
いろいろおもしろかったです。
タケノコが果物扱いだったという話や
京都のお土産物の話など
京育ちで、時代小説を書く資料にも
身近に接している著者の視点が楽しい。 -
必ずしも京都に限った話だけではない歴史中心のエッセイ。週刊誌連載時の「歴史のしっぽ 古都の歩き方」の方がふさわしいのではないか。まあ京都関係が多いし「京都」とつけるだけで売れ行きが違うのかもしれないが。
ところで澤田瞳子さんは「歴史小説家」なのだろうか?確かに大学で歴史を学んでいるし、そこらの時代小説作家とはレベルが違うとは思うが、作品はかなりフィクションが入っていると思う。もちろんちゃんとした歴史的知識がバックにあるので土台はしっかりしている。ただ内容的には時代小説の範疇だと思うのだが。 -
歴史と伝統行事が身近にある古都の魅力
著者プロフィール
澤田瞳子の作品
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