明治天皇を語る (新潮新書)

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レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100017

作品紹介・あらすじ

前線兵士の苦労を想い、率先して質素な生活に甘んじる。ストイックなまでに贅沢を戒めるその一方で、実は大のダイヤモンド好き。はたまた大酒飲みで風呂嫌い-。かつて極東の小国に過ぎなかった日本を、欧米列強に並び立つ近代国家へと導いた偉大なる指導者の実像とは?日本文化研究の第一人者が、大帝の素顔を縦横無尽に語り尽くす。

感想・レビュー・書評

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  • 「明治天皇を語る」ドナルド・キーン著、新潮新書、2003.04.10
    190p ¥714 C0223 (2018.04.18読了)(2018.04.12借入)(2003.05.25/4刷)
    「西郷どん(下)」林真理子著、を読んでいたら、明治天皇には、側室が何人もいる、ということが書いてあったので、下世話な興味から明治天皇について読んでみようと借りてきました。
    講演記録をもとにして、作られた本なので読みやすくなっています。
    明治天皇には、正妻のほかに、側室が五人いたそうです。大正天皇も、側室から生まれています。大正天皇のころには、側室の制度はなくなっています。
    明治22年に大日本帝国憲法や皇室典範が制定されているためでしょう。

    【目次】
    はじめに―もう一つのライフワーク
    第一章 一万ページの公式記録
    完璧な資料『明治天皇紀』
    外国人が見た明治天皇
    言葉遣いは京都弁?
     ほか
    第二章 時代の変革者
    十六歳で突然の即位
    理想の花嫁候補
    ユニークだった美子皇后
     ほか
    第三章 己を捨てる
    明治天皇の義務感
    前線兵士を想う
    すべては自分の意志で
     ほか
    第四章 卓越した側近に支えられて
    贅沢嫌いのダイヤモンド好き
    天皇を取り巻く女性たち
    皇子皇女の高い死亡率
     ほか
    第五章 天皇という存在
    無関心だった自身の健康
    惜しまれた崩御
    世界の中の日本
     ほか
    おわりに―大帝というに相応しい明治天皇
    大帝年譜

    ●風呂(32頁)
    風呂も嫌いでした。夏以外、風呂に入ることはまずありませんでした。
    奥では蝋燭を使っていました。明治天皇は電気が嫌いだったのです。
    電気の配線系統の欠陥が火事のもとになることを恐れていたのです。
    ●臣民と同じ(89頁)
    朕は臣民の多くと同じことがしたい。天皇は日本人の多くが酷暑、酷寒にもかかわらず働いているのに、自分だけがのんびりと静養する気にはとてもなれなかった。
    ●戦争(94頁)
    明治天皇は戦争そのものは大変嫌いでしたが、軍事演習を見に行くことは好きでした。
    ●嫌いなこと(95頁)
    一番嫌いなことは、人が自分に相談しないで何かを決議することでした。
    ●巡幸(107頁)
    明治天皇は東京行幸を皮切りに、北海道から、四国、九州まで、あらゆる地方を訪ねています。一連の巡幸は有史以来の長い旅行でした。明治天皇以前に、富士山を見たことのある天皇も、伊勢神宮を見たことのある天皇もいません。
    ●蓄音機(113頁)
    蓄音機が好きでした。
    蓄音機で軍歌を聴いたり、それにあわせて歌うことを大変楽しんでいます。
    晩年でしたが、映画鑑賞を何よりも楽しんでいたようです。
    ●側室(124頁)
    明治天皇には、五人の側室から十五人の子供ができました。そのうち満三歳まで生き残ったのは五人にすぎません。
    生き残った男子は一人だけでした。後の大正天皇です。

    ☆関連図書(既読)
    「反劇的人間」安部公房・キーン著、中公新書、1973.05.25
    「日本を、信じる」瀬戸内寂聴・ドナルド・キーン著、中央公論新社、2012.03.11
    「西郷どん(上)」林真理子著、角川書店、2017.11.01
    「西郷どん(中)」林真理子著、角川書店、2017.11.01
    「西郷どん(下)」林真理子著、角川書店、2017.11.01
    「話し言葉で読める「西郷南洲遺訓」」長尾剛著、PHP文庫、2005.12.19
    「西郷隆盛『南洲翁遺訓』」先崎彰容著、NHK出版、2018.01.01
    (2018年4月19日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    前線兵士の苦労を想い、率先して質素な生活に甘んじる。ストイックなまでに贅沢を戒めるその一方で、実は大のダイヤモンド好き。はたまた大酒飲みで風呂嫌い―。かつて極東の小国に過ぎなかった日本を、欧米列強に並び立つ近代国家へと導いた偉大なる指導者の実像とは?日本文化研究の第一人者が、大帝の素顔を縦横無尽に語り尽くす。

  • 昭和天皇の話って感じがして不思議。

  • 明治天皇は長生きだったので、当時の激動混沌とした社会情勢には深く関係しているはず。
    にも関わらず、明治時代の政治家、文化人、軍人などについてはめんみつなけんきゅうがあるのに、明治天皇についての著書は全くないわけではないが、非常に少ない。

    本書は、明治天皇の人物像にフォーカス。彼の暮らしぶり、言葉遣い、どんな声で、どんな話ぶりだったのか。皇后、奥さんを何と読んでいたのか、天皇への教育内容、儒教思想が与えた影響などなど。


    勲二等旭日重光章を受賞したドナルド・キーン氏による一冊。

    大帝と呼ばれた、世界に誇るべき指導者。指導者のあるべき姿が見える。

    俺は右でも左でもないが、ビジネス書に危うく涙しそうになる場面もあったな。

    良書。

  • 明治天皇は授業でもほとんど触れない方だったのでどんな方なのか全く知らなかったので、この本を読んで明治天皇の素顔が知れた気がする。とても、質素な生活をする方だったようでびっくり。庶民に近づくために努力する姿など、天皇なのに…と思ってしまう程である。著者の方はアメリカ人だが、日本人の私より日本史に詳しい。勉強し直さなければ。

  • 【電子書籍版で読書】
    2011.3.11の震災後に日本国籍を取得されたドナルド・キーン氏の、明治天皇について調べた書籍です。
    明治天皇とはいかなる人物であったか。
    外国人ならではの切り口で、日本人作家なら遠慮してこんなこと掘り下げなかったかも…というテーマもいくつかありました。
    また、氏の著作を読んだことが無かったのですが、「です・ます」調でたいへん読みやすく書かれており、明治という時代が好き・興味がある方ならすぐに読破してしまうのではないでしょうか。

  • 開国、そして異文化の流入によって花ひらいた転換期・明治。現在の素地となる様々な出来事や潮流が生まれた明治文化の多様性をご紹介します。
    <閲覧係より>
    明治天皇とはどのような人物だったのか?暮らしぶり、言葉遣いとは・・・?途方もないほどの変化を遂げた「明治」という時代を掌った明治天皇の人物像に長年に亘って日本の文化研究に貢献し続けるキーン氏が迫ります。
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    所在番号:新書||288.4||メイ
    資料番号:10153745
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  • 明治天皇を知るためのの入門本。

    いわゆる近代の以降の天皇とは。その入り口にしたい。

  • 費用がかかるからと、新皇居建設に反対されたり、あて布をした服を着用されたり。
    でも、香水は3日で空にする程、好き。お酒も好き。

    明治天皇の人柄が垣間見れる本でした。

    劣悪な環境や天候の中、訓練中の兵たちを見つめ微動だにせず、何時間も同じ場所に立ち続け、見守っている姿。
    ・・・何も言わなくてもただ、そこにあるだけの重要さって確かにある。

    日露戦争で勝利の報せを受けた明治天皇の第一声が
    「降伏した将軍の武人としての名誉を大切にせよ」
    だったというのに感動しました。

    明治天皇が乃木を学習院長にしたことは有名ですが、ずっと腑に落ちないでいたのですが、この本を読んで解消されました。
    ・・・そっか、そっか。納得。

  • 著者には、「明治天皇」という大作があるが、本書はその本の紹介というかエピソードなどを記した本である。明治天皇は、当時の諸外国の皇帝と比べて最も立派で大帝と呼ぶににふさわしいと著者は言う。近代日本の立役者であるのに、その実態は知られていないというか書くのは畏れ多くて手付かずになっていたのを、外国人である筆者だからこそ客観的に書いて評価しているのだろうと思うが、それでもそこまで言い切るのだから、本当に偉大だったのだろう。そのような天皇がいたことをなぜか誇りに思ってしまうし、もっと知りたくなってしまう。つまり、この本を読むと、筆者や出版社の思惑通り「明治天皇」を読みたなってしまうのだ。

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