バカの壁 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 9779
レビュー : 1075
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100031

作品紹介・あらすじ

イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人は、なぜ互いに話が通じないのか。そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちは様々な「壁」に囲まれている。それを知ることで気が楽になる。世界の見方が分かってくる。人生でぶつかる諸問題について、「共同体」「無意識」「身体」「個性」「脳」など、多様な角度から考えるためのヒントを提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 「バカの壁」という表現は誤解を招くに違いない。
    より多くの人にこの「バカの壁」の意味を知って欲しい。

    すこし難しい話をしているけど、読めるなら読むべき。
    親になる人は特に。

  • Yoro Takeshi-san's opinions are quite straightforward and sometimes controversial.
    As the book's title shows, there often exists a wall that disturbs mutual understanding.
    When we feel that we fully understand something, the situation may be totally opposite because we couldn't even notice that we don't understand at all.
    (ちまきさん)

  • NHKの対談番組に出ていたのを見て、この人の言っていることは鋭い、と思い、この本を手に取った。
    読んでみたら、よくわからないまとまりで、自分がバカなのか、内容が入ってこなかった。もう少しじっくり読んだ方がよいのかも。

  • バカというものをシンプルに分かりやすく表現している。バカに対して悪い意味ではなく、誰もが陥り勝ちな「あるある」な状態としてのバ~カとでもいうか。それでいて思い至らぬところをハッとさせられる切り口で表現されている。その断面が壁というわけだ。

  • 有名なタイトルだけど、気付いた時には乗り遅れた感があってなかなか手を出さなかったが、ついに読了。

    事実か意見かわからない所もあったが、目の前の壁がある事を認識する事がまずは大事だと理解した。

    ・結局自分の脳に入ることしか理解できない
    ・感情の係数
    ・知るという事は自分が変わること
    ・人生の意味を考えぬくこと
    ・人により認識が異なること
    ・一元論にはまれば強固な壁の中に囲まれ周りが見れなくなること

  • 養老先生が語ってきたことを編集者がまとめた形の著者のため、話が散乱している印象だけど、何とか読み解ける部分もある。

    そもそも「バカの壁」とは何なのか。
    それは「こうに違いない」「唯一の正解はこうだ」とする「一元論」にはまり込んでしまった人に立ちはだかる、強固な「フィルター」であり「楔」だ。
    その向こう側にいる人のことが全く見えなくなる。そしてひょんな事で向こう側の人と対峙すると、相手を「おかしい」「危険だ」とみなしてしまう。

    一元論にはまりがちな人は、自分を絶対視する。「揺るぎない自己」を信じて、「個性」を過剰に重んじる。
    本当は個性なんて生まれながらに備わっている身体そのもの。共通理解、言語を用いた論理性を身につける過程で自ずと与えられているものに気付くものだ。
    「個性を伸ばせ」より、「人の気持ちが分かるようになれ」と、教育し、与えられているものを自他ともに発見することが大切。

    「頭が良い」「利口だ」とは、相手の気持ちが分かり、相手が納得するような「共通理解」作り出す、論理性、言語力があることだ。それでしか測れない。とさ。

    もひとつ、「無意識」を意識し、「身体」を思うように動かせるようになることの重要性。
    現代は脳化社会で考える時間が長く、例えば農作業だの工場作業だの肉体労働をし考えるより手を動かす、なんてことが減った。結果、体の取り扱い方が分からなくなる。ヨガだの瞑想がもてはやされるのはその反動か。
    考えていることと行動が一致するためには、「意識」も「無意識」も自分の一部だと分かっておき、どちらも大切にすること。

  • 平成ベストセラーシリーズ
    平成15年(2003年)
    ・2/1 スペースシャトル・コロンビア号空中分解事故
    ・3/19 アメリカ・イギリスによるイラク戦争開戦
    ・11/1 JR西日本の近畿圏でICOCAの運用開始
    平成15年でおそらくいちばん興奮したのはICOCAの登場。新し物好きの自分は発売後すぐに利用、タッチアンドゴーの未来感に大興奮したのを今でも覚えています^^

    そんな平成15年のベストセラー年間売上1位は養老孟司著『バカの壁』(トーハン調べ)
    ・・・・・・・・・・
    <目次>
    まえがき
    第一章 「バカの壁」とは何か
    第二章 脳の中の係数
    第三章 「個性を伸ばせ」という欺瞞
    第四章 万物流転、情報不変
    第五章 無意識・身体・共同体
    第六章 バカの脳
    第七章 教育の怪しさ
    第八章 一元論を超えて
    ・・・・・・・・・・
    まず難癖をひとつ。笑
    養老さんの話を編集部の人が文章化した本だからか、「ですます調」と「だ・である調」が入り混じっていてリズムが悪く、読みにくいです。

    内容については新書にしては非常に濃いもので、2019年5月現在までに購入された444万部のうちの果たして何割がきちんと読まれたのか疑問なくらいです。

    個人と共同体、機能主義、万物流転と情報不変、都市社会は脳化社会…
    様々あるトピックで今回は「脳の中の係数」が引っかかりました。

    ●脳の中の係数について
    【 y=ax 】 x というインプットに対して、脳の中ので a という係数をかけて出た結果が y というアウトプットになる

    aという係数は「現実の重み」
    大好きな人(aがプラス)からの挨拶は、同じ挨拶(x)でも大嫌いな人(aがマイナス)とは自ずとリアクション(y)は変わってくる。
    稀なケースとして存在する a=0 、 a=♾ 。
    a=0 は「聞いているようで聞いていない」パターン。
    逆に a=♾ の代表例は原理主義。情報や信条がその人の行動(アウトプット=y)を限りなく大きくし、絶対的に支配する。

    この一次方程式を頭の片隅に置いて、aの値は固定化せず状況に応じて幅広い値を入れながら、客観視できるようになりたいと思いました。

    別のタイミングで読めば別のトピックに引っかかるでしょう。
    とにかく抽象的だったり概念的なものが多く、本書の全てを理解するのは自分には非常に難しいのでまた出直してきます。

    また、「人間をどういう状態に置いたら一番幸せか」について語られており、直前に読んだ『チーズはどこへ消えた?』でも同じテーマの質問があったことから、今自分に問われ、回答を出すように迫られている気がするので、これについては真摯に向き合いたいと思います。

  • 日本人に潜む、盲目的な変な概念を突き刺した本

    目次
    <blockquote>第1章 「バカの壁」とは何か
    第2章 脳の中の係数
    第3章 「個性を伸ばせ」という欺瞞
    第4章 万物流転、情報不変
    第5章 無意識・身体・共同体
    第6章 バカの脳
    第7章 教育の怪しさ
    第8章 一元論を超えて
    </blockquote>
    自分にとって、読んでて面白いし、ためになるし、いい本だなぁと思うけれど、
    一方で感想が書きづらい、どこを言えば伝わるだろうか……。と思う本が、時々有ります。

    この本は、そういう系統の本でして、まぁ、哲学に近いジャンルだと思います。
    哲学を思考のベースに据えて、あれこれ現代を論じるっていう手法は、こういった新書で、時々高名な学者さんがブチかますことが、(なんとなくですが)よくあるような事なんじゃないかと思うんです。

    非常に世の中に欺瞞が満ち溢れていて、それがうまく機能して何かが売れるような、コマーシャリズム的な思想がTVを中心に蔓延してて、大事なことがどっかいっちゃう。そういう危惧・懸念ってもんを、学者風の長ったらしい文章にして論じた本ということが出来ると思います。

    まぁ、脳とか教育とか、言語とか宗教という面に触れているので、そういった内容に少しでも興味があるならば、また哲学というベースに惹かれるものがあるならば、読んでいて何か得るものが有るんじゃないかなぁ。

    ただ、現代の忙しさは、そういった大事なもんをポロポロ落として必死に走り抜けるような感じで、こうやって感想書かないと、本当にわすれちゃう。

  • 多分2回目の読破
    AIの事や貨幣が思い込みであるといった今また語られていることがもう既に記載してあった
    人間は毎日変わっている
    3ヶ月も経てば細胞が全部入れ替わる

  • #読了 2019.4.27

    先日読んだ「天地明察/冲方丁」の解説を養老孟司さんが書いていて、そういえば長年積読に混ざっていたなと引っ張り出した次第。
    出てくる話は2003年当時の感覚のものが多いので、当時を知らない人には正しくニュアンスや温度感が伝わらない箇所もあるかと思う。

    たとえ自分の中でそれが真実でも、相手の中での真実が別に存在することもあって、それがお互いの正義となってぶつかることがあると思う。それはそれでしゃーなしで。
    ただ。相手を否定しなければ自分が肯定されないってわけじゃないから。自己肯定のために相手を攻撃するのではく、むしろ他人に対してもう少し我慢したり、許容したり、ときに無関心になってもいいんじゃないかなぁ。

    2003年発売のこの本、私は当時大学二年生。確かにそういう時代だったなぁと思い返しながら読んだ。
    高校入学に合わせて、周りの子達はPHSを買ってもらう時代だった。うちは厳しかったので私は大学一年生のときにバイトをして初めて自分の携帯電話を持った。そういう時代。
    携帯電話が1人1台になり始め、大学でもパソコンの授業が始まり、いつでもネットに触れる環境になりつつも、それでもネットやパソコンに詳しい人はオタク扱いされ、それをオープンに自負できるような空気ではまだまだ無い頃。
    辞書を引くより、ネット検索することが多くなり、メールが頻繁になり、コミュニケーションの仕方も大幅に変わっていった、そしてゆとり世代前の勉強詰め込み世代であり、且つバブルを知らない世代。自分で言うのもなんだが、上の世代から見れば、社会で戦う馬力は弱いが勉強だけは頑張る、養老孟司さんが言う通り、すぐ正解を知りたがる世代、だったかもしれない。(その後にもっと馬力の弱い世代が来るのだがそれは置いといて)

    大卒が当たり前になり、特別なステータスではなくなった。大卒でもフリーターになることを世間に黙認され始めた頃、不景気と言われながらもリーマンショック前の景気あたりは契約社員や派遣社員などの非正規雇用社員を増やした頃だとも思う。

    そんな時代背景もあってか、当時は確かに「個性」とか「手に職」とかよく言われていたように思う。
    そこに疑問を投げかける点など、とても養老孟司さん節!という感じがした。

    この本の要点は、つまり一元論は危険だと言うこと。これは当時まだ記憶に新しい95年地下鉄サリン事件、97年京都議定書、2001年アメリカ同時多発テロ事件、などの時代背景を根拠に話が進められていくが、2019年この時代においても当てはまることだなぁと思う。
    2003年当時のメインSNSはmixiだったと思うが、その後Twitter、アメブロ、Facebook、Instagram、LINE、TikTokなど様々なコミュニケーションツールで情報収集すると同時に、自ら情報を発信し、まわりがそれに反応するというコミュニケーションを取るようになっていった。その多くが本名を隠してコミュニケーションが取れるわけだ。
    それはこの本がバカ売れした2003年当時よりも一元論者(自覚、無自覚ともかく)が増える環境であると思う。"炎上"などは正しい反応もあるけど、おおかた一元論者ばかりが反応する現象だなぁと思ったりする。(それが商法として成り立ってしまってはなんとも言えないが。)

    元々、私は多分自分の意志が他の人より強くて声も大きいタイプだと思うから、普段から一元論者にならないよう気をつけようと心がけてはいる(つもり)ので、作者の主張には基本的に共感する部分が多かった。
    今後も自分の意志を持ちつつも盲目的にならずに広い視野でいろんなものや人と関わっていきたいなぁと思う。

    あとは、そうだな。
    養老孟司さん独特の強めの言い回しが、一元論に聞こえるような部分がある気がして。
    まぁ、そこは「雪が溶けたら何になる?=春になる」と答えるような文系頭の私にはド理系の強さにあてられただけかな?(笑)

    普段、小説ばかり読んでいて久々にこの手のを読んだ。頭使うね(笑)
    ほら、小説って作者自ら「どういう風に受け取るかはあなた(読者)次第ですよ…うふふ」みたいな空気あるけど、この手のは「私はこう思っているのだ!それが伝わるよう最大限努力して綴った文章だ!どうだい?伝わったかい?」ってかんじじゃない?(違う?w)
    正しく読み取ろう!って部分に関しては普段甘えて読書してたなぁって気付いた。
    まぁ。だから小説が好きなんだろうなぁ。相手の気持ちを正しく読み取ろう!なんてパワーの使い方は、普段の人間関係(ネット含む)の中だけで充分です(笑)
    自分が受け取ったままに受け取っていい小説がひとつの癒しです。
    と言いつつ、この手のもたまには読んでいきたいなぁ。

    ◆内容(BOOK データベースより)
    イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人は、なぜ互いに話が通じないのか。そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちは様々な「壁」に囲まれている。それを知ることで気が楽になる。世界の見方が分かってくる。人生でぶつかる諸問題について、「共同体」「無意識」「身体」「個性」「脳」など、多様な角度から考えるためのヒントを提示する。

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著者プロフィール

解剖学者。1937年、神奈川県生まれ。著書に『バカの壁』『遺言。』(ともに新潮社)など。

「2018年 『「農業を株式会社化する」という無理 これからの農業論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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