口のきき方 (新潮新書 33)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100338

作品紹介・あらすじ

少しは考えてから口をきけ!テレビ・ラジオに溢れるついつい突っ込みたくなる奇妙な言葉の数々。その背景には何があるのか。耳障りな若者言葉に隠された意外な効用と正しい使用法とは。会話の上手い下手の差はどこにあるのか。アナウンサー歴三十年、しゃべりのプロが怒って唸って考えた、日常会話から見た日本語論。

感想・レビュー・書評

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  • 若者ことばの分析が面白かった。

    「やばい」「ぶっちゃけ」「っていうかぁ」「ありえない」

    耳にするといらいらする言葉ばかりだ。あと最近は「ムリ」ってやつね。あれは耳にすると本当にむかつく。

  • 文化放送のアナウンサーを経て独立し、報道からバラエティ番組まで数多くの番組に出演する傍らで、大学院で心理学修士号を取得し、人間関係のストレスに悩む人々のケアに従事するなど、心の専門家としても活動する「しゃべりのプロ」・梶原(かじわら)氏がレクチャーする日本語論。 「こだわりの店」や「鳥肌が立つような感動」のように、一見正しいようで実は誤用されている表現や、「自分探し」・「大人買い」の如く便利に使われる新語の怪しさ、さらには「みたいな」・「寒い」・「ビミョー」・「てゆうかぁ」などの耳障りな若者言葉を駆逐して、上品で嫌みの無い、そしてまっとうな「口のきき方」を指南する。読者自身も心当たりがあると笑いながら読むうちに、自然と話し方が向上する(かも知れない)啓発本。

  • 面接を行うことが多い職業柄、こういう作品にはつい目が行ってしまう。納得させられる部分が多ければ尚良し。そういう意味で本作は当たり。さすが名解説者。ってか心理資格もお持ちだったんですね。なおさら学ぶべきところは増える。名前、覚えるのも呼ぶのも苦手だから、よく分かるな~。出来なきゃいかん、分かっちゃいるんだけど…。

  • 図書館で借りた本。2003年と14年も前の本なので題材にされている内容はかなり古く、なんとなく懐かしい雰囲気の中読むことができた。
    ただし、書かれていることの本質的な部分は、今でも十分に通用する内容である。
    インタビューの仕方というのは、上手い下手があり、相手に興味を持っていれば質問に対する返しに対して、それを被せるように返すことができるが、相手に興味がなく質問することについて、予め用意をするところで疲れ果ててしまい、実際に質問する段階では用意した質問をすることで精一杯になる。それが聞かれた方にとっては「俺に対して質問してんじゃないの?」と思わずいってしまうぐらい不快になるというのは質問された側としてはよく分かるし、質問する側としても思わずやってしまいそうだということで、いい戒めになった。

  • アナウンサー兼カウンセラーをしておられる梶原 しげるさんの日本語にかかわる書(発刊は2003年なので内容としては古い)。
    話し言葉の探求で、近代の言葉の崩れを単純に否定するのではなく、分析し、その心理傾向を読み取り、時には楽しみながら受け入れておられる。

    いつの時代も言葉の崩れはあると思う。
    さまざまに変容して今の言語(日本語)が出来上がっているんだと思うし、方言もそういったものだろう。

    その話し言葉の変容に心理を読み解くところはおもしろい。

    言葉がテレビを通じて誤ったまま伝えられることは多いと思う。『ブラウン管言葉』という語を使用されているが、妙に納得した(液晶や、プラズマの時代だが)。

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    【内容(「BOOK」データベースより)】
    少しは考えてから口をきけ!テレビ・ラジオに溢れるついつい突っ込みたくなる奇妙な言葉の数々。その背景には何があるのか。耳障りな若者言葉に隠された意外な効用と正しい使用法とは。会話の上手い下手の差はどこにあるのか。アナウンサー歴三十年、しゃべりのプロが怒って唸って考えた、日常会話から見た日本語論。
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    【著者略歴 (amazonより)】
    梶原/しげる
    1950(昭和25)年神奈川県生まれ。早稲田大学第一法学部卒。73年文化放送に入社してアナウンサーとなり、92年からフリー。テレビ・ラジオの司会を中心に活躍中。2002年東京成徳大学大学院心理学研究科を修了。認定カウンセラーと健康心理士の資格を持つ
    ————————
    【目次】
    はじめに――声に出す前に考えよう
    第1章 ブラウン管言葉の「聴き方」
    「思います連発症候群」「ほうほう症候群」「こだわり」……テレビから流れてくる奇妙な言葉、耳障りな言葉。その聴き方をお教えします。

    第2章 しゃべりの好プレー珍プレー
    イチロー、中田英寿の鋭い言語感覚。蓮池薫さんの驚異の適応力。意外なしゃべりの達人たちのファインプレーとは――。

    第3章 現代用語の非常識
    「自分磨き」「自分探し」「本人の自由」等々、いつのまにか定着している変な言い回しの背景には何があるのでしょうか。

    第4章 若者言葉の味わい方
    「てゆうかぁ、ぶっちゃけまじやばいみたいなぁ」――うっとうしいけれども、ここには彼らの知恵もあります。真似はしない方がいいですが。

    第5章 秘伝・口のきき方
    話を聴くにも、口をきくにも技術が必要です。ほんの少しのポイントに気をつけるだけで、しゃべりの能力が向上する秘伝を公開いたします。

    あとがき
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  • 日常生活、テレビの中で使われている言葉使いに「よく代弁してくれた!」と言いたくなるような突っ込みをいれている本。後半では話し方・聴きかたのコツについても触れており、参考になる。
    特に興味深かったのは、筆者が大学院で執筆した論文の調査結果でしょうか。
    「個人の自由を口にすることは、他人への関心が薄れていることの表れではないか」という推察には首肯する。

  • 途中で興味がなくなり、やめてしまいました。

  • また、ストレートな題名から堅い本のイメージが幾ばくかあったのですが、パラパラ見てみたらあまりに会話体の文章が多くて即座に購入候補へ。いやぁ、ためになるのかもしれませんが、ただでさえ疲れている電車で堅い本読んだら一気に睡眠薬となりますのでね。。

    さて、内容はテレビ言葉や若者の言葉やしゃべりのうまい人の話に焦点を置いた話を展開し、最後はアナウンサーであった著者からのちょっとした話しかたのポイントが小奇麗にまとまっており、実に気軽に読めました。特に最近の若者言葉について

    「~とか」「みたいな」「っぽい」「わりと」「なにげに」

    のように曖昧な言葉を連発するが、これは「直接な表現を微妙に避けながら、相手の立場を尊重し友好関係を損なわないように十分配慮しつつ、自分の思いを伝える、若者特有の表現」という説明に実に共感しました。

  • <主な目次>
    はじめに-声に出す前に考えよう
    第1章 ブラウン管言葉の「聴き方」
    第2章 しゃべりの好プレー珍プレー
    第3章 現代用語の非常識
    第4章 若者言葉の味わい方
    第5章 秘伝・口のきき方
    あとがき

    <各章のポイント>
    ◯まえがき 日常的に交わされる日本語のしゃべりを考えよう
    ◯第1章 思います、報道などで見かけるおかしな言葉遣いの事例 意味を再確認してから使わないとおかしな言葉遣いになってしまう
    ◯第2章 ワンセンテンス、ワンブレス5秒以内主義、記録は通過点・・・強い信念を持って活躍している人物の言葉は洗練されている
    ◯第3章 自分へのご褒美、自分磨き、自己実現、自分探し・・・よくよく考えるとおかしな言葉遣いが多いのではないか
    ◯第4章 若者言葉を流行っているからという理由で使うと、無理して若ぶっているようで痛々しく聞こえることもある。時と場合を気をつけて
    ◯第5章
    ・会話する際には、相手の気持を推し量りつつも、その場の空気にふさわしい言葉やしぐさ、表情で自分の感情をうまく相手にみせていくことが大切
    ・うまい聞き方も大切 うなずいたり、微笑んだり、手を叩いたり、首を傾けたりという、言葉ではなく表情や動作で気持ちを伝えることも大切な要素
    ・まず相手が話し始めたら、「どんな話しだろう、楽しみだな」という感じを態度で見せる。体全体を使って聴こうとする。適度に視線を合わせたり、外したりする。時折入れるあいずちもごく短いものをはっきりした声で入れる
    ・相手の話の内容を入れながら言葉を返す。相手の名前を意識的に入れて話すことも大切。
    ◯あとがき 口のきき方はちょっとした技術なので、努力すれば改善されるもの。

    <一言メモ>
    ・普段の会話、テレビから自然と聞いている言葉、本書でいわれるように、よくよく考えると不自然なものが多いと感じました。
    ・第5章の「秘伝・口のきき方」は、改善するちょっとした技術を教えてくれています。慎重になりすぎると言葉が出なくなり会話が成立しなくなってしまうかもしれませんが、この5章は大変参考になります。

  • 自分も知らないうちに変な言葉をしゃべってるんだろうなぁ、と感じずにはいられない一冊でした。

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著者プロフィール

1950年神奈川県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、文化放送にアナウンサーとして入社。
1992年からフリー。テレビ、ラジオの司会を中心に活躍する。その一方、49歳で東京成徳大学大学院心理学研究科に入学、51歳で心理学修士号を取得。シニア産業カウンセラー、認定カウンセラー、健康心理士の資格を持ち、カウンセラーとしても活動している。
東京成徳大学客員教授、日本語検定審議委員も務める。主な著書に『口のきき方』『すべらない敬語』 (以上、新潮新書)、『心を動かす「伝え方」また会いたくなる「話し方」』(講談社+α文庫)、『敬語力の基本』(日本実業出版社)、『おとなの雑談力』(PHP文庫)など多数。

「2020年 『イラッとさせない話し方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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