仏教と資本主義 (新潮新書 63)

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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100635

感想・レビュー・書評

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  • 仏教政策が社会経済に果たした役割

  • プロテスタンティズムと資本主義を結びつけたマックス・ヴェーバーの論を東大寺建立の立役者である行基が実践していましたよという話。資本主義の定義を明らかにしないままにずるずると進み、微妙な所にも無理やり共通項を見いだす様はまさに牽強付会。締めの言葉も『資本主義の精神のルーツは、日本にもあった…といっても過言ではないかもしれません。』と下手な社会学者のようで、最早研究でも調査報告でもなく論として自壊している。唐突な護憲論がでてくる頃には読者は最早達観し、アルカイックスマイルすら浮かべるだろう。
    表題だけはいいのが、ここまでくると釣りでしかない。仏教と資本主義の歴史を結びつける真の一冊が待ち望まれる。

  • [ 内容 ]
    奈良東大寺の大仏建立に重要な働きをした行基は、利他の菩薩行を推し進めて、革新的な労働倫理、職業観を創り出した。
    これはマックス・ヴェーバーが、西欧の近代資本主義の精神的な推進力としたカルヴィニズムの倫理と相通ずる。
    つまりわが国には、八世紀の天平時代、すでに“資本主義の精神”が存在していたのである…。
    日本に独自に開花したその源流をたどりながら、資本主義という「哲学」の本質に迫る。

    [ 目次 ]
    第1章 「天職」という考え方
    第2章 最初の宗教改革者・行基
    第3章 欧州より早い宗教改革
    第4章 日本における「天職理念」
    第5章 商人の哲学
    第6章 資本主義の運命
    第7章 二十一世紀の資本主義

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    [ 参考となる書評 ]

  • 最初ずっと宗教革命のことばっかり言ってるから騙されたかと思った笑

    行基ってあんなにすごかったんだ。

  • マックス・ウェーバーが指摘したプロテスタントの自律と勤勉が近代資本主義を成した逆説に倣って、日本仏教(特に東大寺大仏建立を指揮した行基)にも勤勉さが仏に救われる道であるとした教えがあることを指摘する。

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著者プロフィール

長部日出雄(おさべ ひでお)
1934年9月3日 - 2018年10月18日
青森県弘前市出身の小説家、評論家。故郷である津軽についての小説、エッセイを多数刊行。
早稲田大学文学部哲学科中退。1957年『週刊読売』記者に。その後退職し、雑誌『映画評論』編集者、映画評論家・ルポライターを経て、作家になる。
1973年『津軽じょんから節』『津軽世去れ節』で第69回直木賞、1979年『鬼が来た-棟方志功伝』で第30回芸術選奨文部大臣賞、1986年『見知らぬ戦場』で第6回新田次郎文学賞をそれぞれ受賞。2002年『桜桃とキリスト もう一つの太宰治伝』により第29回大佛次郎賞・第15回和辻哲郎文化賞を受賞。紫綬褒章受章。
それ以外の代表作に『天皇はどこから来たか』『「古事記」の真実』など。2018年10月18日、虚血性心不全のため死去。

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