妻に捧げた1778話 (新潮新書)

著者 : 眉村卓
  • 新潮社 (2004年5月16日発売)
3.35
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  • 本棚登録 :949
  • レビュー :96
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100697

作品紹介

余命は一年、そう宣告された妻のために、小説家である夫は、とても不可能と思われる約束をする。しかし、夫はその言葉通り、毎日一篇のお話を書き続けた。五年間頑張った妻が亡くなった日、最後の原稿の最後の行に夫は書いた-「また一緒に暮らしましょう」。妻のために書かれた一七七八篇から選んだ十九篇に、闘病生活と四十年以上にわたる結婚生活を振り返るエッセイを合わせた、ちょっと風変わりな愛妻物語。

妻に捧げた1778話 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • 作家眉村卓さんが病に伏した奥様の為に1日1作品の短い話を作り聞いて貰うことと決めて5年間の闘病に寄り添った1778作品の抜粋と眉村さんの所感です。夫婦が互いに信じ合い共に生きる為には二人の生きる根っこ目指す方向が同じでありさえすれば良い という箇所に共感しました。私達もそのようにありたいものです 笑。

  • 最後、泣きました。
    眉村さんがどれだけ奥さんのことを想っていらしたか、そしてお二人がどれだけ望ましい関係であられたかがよくわかりました。

    一日一話の物語をすべて読んでみたいです。
    単純に眉村さんの書く話がおもしろいと感じました。
    この本に収録されているものの中では、「ある書評」「書斎」「秒読み」などが読んでいてとてもワクワクしました。
    読んでいる途中はSF作家なんだ!ぐらいに思っていましたが、読み終わったあとに気がつきました。
    眉村卓さんは「ねらわれた学園」の原作者なんですね。
    現代版のアニメ映画しか観たことありませんが、設定がおもしろい作品だなと感じたのでいつか原作もチェックしてみたいと思っていました。
    いいきっかけになりそうです!

  • 先に『僕と妻の1778話』(以下「僕と妻の」)を読み
    話題の本書を手にする。「僕と妻の」と比べると、
    お二人の日々(過去、現在)と創作時の心情が
    より深く語られており、
    短編を読むためなら「僕と妻の」(感想にも書いたが、
    解説とあとがきを含めて、一つの物語だと思う)、
    本書は、作家眉村卓とそれを陰で支えた(?)
    奥様の最後の日々、作家・家族のこころの動きが
    より深く語られ、あるひとつの夫婦の姿、
    闘病を支える、ともに戦う家族の姿、
    それを背景に創作された短編が紹介される回顧録
    エッセーと読んだ。

    「僕と妻の」では作家である夫、その第一の読者である妻という、これまでの形を残された時間の中で
    できる限り続けていくことを、お二人が望み
    生まれた1778話という印象だったが、
    本書を読むと、作家である夫という姿を
    奥様が望み1778話が生まれたという印象が強い。

    葬儀への要望、祈願のお札のエピソードは
    不意打ちに近くガツンとやられた。
    同志として生き、相手を思い、一緒に暮らしたい
    と思う存在。そう思ってもらえるよういたく、
    そう思いたい。

  •  SF小説作家・眉村卓は、余命1年と宣告された妻のために一日一話ずつショートショートを書いた。
    自分に課した制約は、
    ①四百字詰め原稿用紙3枚以上
    ②エッセイではなく短編小説
    ③全て商業誌に載ってもおかしくないレベルを保持する
    ④病気や人の死、深刻な問題、病人の神経を逆なでする内容は書かない
    ⑤必ず日常とどこかでつながっていること、など。
    それから妻が亡くなるまでの五年間、毎日書き続け、総作品数は1778話。階下に妻の遺体を安置し二階で書き上げたという最終回が読者の胸を打つ。
     40年以上に亘る結婚生活を振り返ったエッセイとともに、妻に捧げた19編を掲載した、静かに心潤うある夫婦の愛の実話。

     アメトークでカズレーザーが「泣いた」と紹介し興味を持って購入。実際に読んでみて、眉村夫妻の互いを理解する愛の形を素敵だと感じたものの、泣くようなことはなかった。
     妻との思い出と妻に捧げた短編小説を交えながら最終回、妻の死へと向かっていくが、悲壮や哀切を大して感じさせない書き方は好感が持てた。色んな夫婦の形があって、これもひとつの素敵な一例、程度にしか感じなかったが…。

  • 奥さんが病気で余命宣告されてから、一日一話、ちゃんとしたショートショートを書いていったもの。

    最終話は、パッと見はわからなかったが。どう言うことか考えたら少しわかった気がした。

    泣こうと思って読んだら泣けない。前編感動ということではなく、奥さんに笑ってもらいたくて書いているショートショートなので、感動とかではない。が、作者の感情を解説もしているので、そこもよかった。
    人生経験を積んだ人の方が泣けるのかなと思いました。

  • 本屋で読書芸人を拝聴して読了。

    最終回が読みたくて手に取ったのだが
    あっというまに(ものの2時間くらいで)読めてしまう。
    癌を患った妻に一日一話、物語を書く。
    エッセイにはしない。
    必ずお話にする。
    原稿用紙3枚以上。
    病人の神経を逆なでしない。
    病気や人の死、深刻な問題、大所高所からのお説教、専門用語の乱発、ラブロマンス、官能小説、不倫は避ける。
    夢物語でもいいが、どこかで必ず日常につなげる。
    などなど、細かな規定を自ら設け、毎日書く。
    病床の妻が手にとって読むことが出来なくなってきてからはご本人が読み聞かせをしたらしい。

    奥様が死後、お葬式の際に表記する名前をお願いしたこと、読み続けたお話に対して、これでは他の人にわからないと感じたら文句をつけたこと、「慰め」ではなく「仕事」として物語を評価していたことが、ほんとうに著者を作家として尊敬し、認め、支えていたのだなあとわかった。

    そして最終回。
    亡くなられた直後に書かれた妻への物語は、ただただ、読んでくださいと言いたい。

  • 「アメトーーク! 読書芸人」での紹介を機に反響のあった一冊。余命1年の妻に毎日書き続けたショートショートの抜粋と最後の一編までの過程がまとめられている。抜粋された作品群よりも妻への気遣いや関係性にこの本が絶賛される理由なのだろう。‬

  • 構えて読んだのだけど、あっという間に読み切ってしまった。

    妻に「捧げた」とあるけれど、あとがきで想定した読者は妻であって、でもそれだけではない、誰が読んでも通じるものを、とある。
    この言い方が、とてもよく分かる。

    妻の病状が進むに従って、それを全く抜きにしては語れないであろう、無意識下の想像が浮かび上がってきたり。
    また、作者自身の想いが、物語を通して逆に気付かされるようなことだってあったはずだ。
    二人にしか味わえない何かが、きっとある。

    そして、二人の迎えた結末を知っている「私」が、リアルタイムで書かれたショート・ショート達を更に外側から読んでゆく。
    不思議な読書体験だった。

    1778話を連ねてゆく中で、その表側にはどんな1778日が在ったのか。
    作者が取り上げた幾つかのお話に添えられたあとがきから、ほんの少し垣間見える生活。
    長くなるほど、止めることで何か起きるんじゃないか、と思うこと。
    二人が看病する者と看病される者を離れ、共同作業として編んだ作品たちを、素敵に読ませていただいた。

    私としては、一万円が降ってくる話がお気に入り。
    結局一万円は消えてなくなった、という教訓めいた終わりにするのではなく、最後は消えてなくならなかった、という終わらせ方が意外だった。

    文庫版では更に多くの話が入っているよう。
    1776日目が飛んでいたことも気になるけれど、全話完全版を、是非とも美しい装丁の本で読んでみたいなぁと思う。

  • 芸人が薦めてたので買ってみた。星新一と比べちゃかんと思いつつ、ショートショートの落ちの落差が少ないことに不満を感じながら読んでくと、単話としての落ちよりも連続で読むことでの変化が面白い。最後は圧巻。たまに聞く「心地よい浮遊感がある読後感」ってやつを初めて味わった。

  • 著者は、奥様が余命を宣告されたときに、「これから一日一話、妻に捧げる話を書こう」と決意した。その1778話が創られていく過程を描いた本だ。

    夫として妻に本気で何ができるのか。
    眉村氏は、プロの作家として、そのテーマに全力で挑んだ。
    そのことを読んだ次の瞬間、当然読者としては、自分だったらどうかということを考えしまうものだ。

    平凡なサラリーマンとして、自分なら本気で何ができるのか?あるいは、子どもに、家族に、愛する人に、本気で何ができるのか、ということを一瞬考えてしまうものだ。

    著者は、プロの作家として、この方法を選び成し遂げた。
    一日も欠かさず成し遂げたという事実がプロであることを感じさせるし、妻に対する愛情の本物を感じさせる。

    文字や文章は思いを伝える手段。しかしその思いが言葉を超えているときに、プロの作家ならどう表現するのか?

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