- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106100697
感想・レビュー・書評
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妻のために毎日一遍ずつお話を書き続けた。本書に収録されたのはそのごく一部。
印象的だったのは妻の言葉。
入院が一か月以上になり、もはや形成挽回が不可能であるのが明白になった頃のこと。
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「わたし、してもらいたいことがある」
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「お葬式の名前は、作家眉村卓夫人、村上悦子にして欲しい」
来られる人がわからないと困るからと理由をつけたが、妻の本心は、共に人生を過ごし、ずっと協力者であったことを証明したいーということだったに違いない。私にはそれが痛いほどよくわかった。
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通夜と告別式の案内のために道筋に立てられた表示板には、そうしるされ、遺体と共に車で会場に向かう私と娘は、ああ出ているね、と言い合ったのだ。告別式で私は、この経緯を参列の方々に申し上げ、了解を乞うたのである。そのとき私の脳裏には、前年の三月に二人で松尾寺に詣ったさい、祈願の札に、病気平癒と書けと私が二度も言ったのに、妻は聞かず、文運長久とだけしるしたことが、よぎっていた。私の協力者であることに、妻は自負心と誇りを持っていたのだ。
こういう方と一緒になりたいものですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ガズレーサーさんオススメ、
泣きはしなかったけど、、一組の夫婦のあり方ですか、、 -
良し悪し云々いう作品じゃないよね。
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2004年5月新潮新書刊。1778話中の19編とエッセイを収録。「つれあいが亡くなった時に新しいことを始めてはいけない。必ずおかしくなる。」というアドバイスの話が出てきて、納得してしまいました。眉村さん自身は、亡くなる前からおかしかったのかもと言われていて、これも響きました。
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図書館で借りた本。余命1年と宣告された妻のためだけに書いたショートストーリーを抜粋した内容で、SFやエッセイもある。看病日記では無いが、妻の容体と出来事を年表にして夫婦で生きた年表も最後にまとめている。ショートストーリーは活字出版目的で書いていなかったので、極普通の話が多かったかな。
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これもまた一つの二人の生きた証。
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沁みましたぁ‼︎
伝わる、愛…情…で、いいのかな。
結局、支えあっている。よ、ね。
章のまとめ方がよくって。
特にラストの章。
想い出の中に少しだけ。
224古い硬貨 1116蝉になる 1680聞いて忘れて下さい