妻に捧げた1778話 (新潮新書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100697

感想・レビュー・書評

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  • 奥様のおっしゃるとおりこれエッセイやんかと思うお話もあるけれど、奥様への愛情に溢れた一冊。
    続けることは尊い。誰にでもできることではないよね。

    令和元年11月3日
    亡くなられたとことをニュースで知りました。
    奥様にようやく会えますね。
    ご冥福をお祈りします。

  • ‪末期ガンの妻のため一日一遍話を書き綴る本作。‬

    ‪著者の終末を感じながらも表に出さないよう毎日粛々と書き続ける心の葛藤や、非常を日常として受け止める決断には胸が詰まった。‬

    ‪1778話の最終回が近づくにつれて溢れ出てくるナマの感情には心が震え、涙を拭いながら読んだ1冊‬

  • 短編のエッセイ集。
    読みやすい作品ではあるが、前評判が良かったので、そこまででは…と感じてしまった。

  •  小説家がガンになった妻の為に1日1話ショートショートを書いた経験を振り返る。

     載っているショートショートは1778話のごく一部で(別の本に掲載)、その過程の妻とのやり取りなどが書かれている。ショートショートをその時の状況などを振り返りながら簡単に解説していて面白い。
     1000編を超えるショートショートもさることながら、妻の為に毎日書き続けたこと自体が一番の素晴らしいストーリーであると実感できるつくり。

  • いつ泣けるのかと読み進めたけど泣けなかった。
    ただママの事を考え、最後の時は結婚して良かったと思われたいのでこれからもママの事、大切にしたいと思わせてくれた一冊。

  • 草彅剛と竹内結子が夫婦役の映画で
    この作品の存在を知った。
    決してカズレーザーに感化された訳ではない。
    奥さんへの想いが現れた行動が積み重なって
    生まれた作品たちは筆者のルールとして
    出版されても恥ずかしくないレベルだから
    読んでいて楽しめるショートショートだし、
    それが書かれた当時の出来事も分かるから
    感情移入せざるを得ない。
    奥さんだけが読める最終回の内容と
    その最後の1行には体が震えた。
    他の作品も読みたいし、
    映画も見てみたい。

  • 余命宣告をされてしまった奥様のために、一日一話クオリティの高いSSを作り読んでもらう。楽しんでもらえれば病と共存し、命をつなぎ止められると思うから。作家様の深い愛情と思いが込められた一冊。奥様なしでは生まれなかった1778のSSのうちの一部を、複雑な気持ちで読みました。こんなに想ってもらえるなんて、いいなぁ。

  • 癌に侵された妻のために、1日一話ショートショートを書くことに決めた筆者。その日々は5年にも及ぶ。

    妻のためを思って書いた短編集でもあり、それが全てでもないという筆者の言わんとしているところは何となくわかる気がする。


    筆者の本意ではないかもしれないが、個人的にはショートショートそのものよりも筆者がショートショートを書き進める中で、妻の病状も含め、どのようなことを考えていたのかいわばエッセイのような部分に興味が惹かれた。

    そして、ラストの短編集で、
    ありがとうございました。
    また一緒に暮らしましょう。
    という言葉に心打たれた。

  • 読んでいて胸が苦しかった。
    がん患者の家族の気持ちが率直に書かれてる。
    いい夫婦。

  • もう少しショートショート見たかったです。
    泣けなかったのは残念でしたがとても心温まる本でした。

  • すばらしい夫婦だったのだなあ
    奥様の詠んだ俳句には闘病の辛さを感じるが、そこを感じさせない温かな闘病記だ

    癌の身のあと幾たびの雛まつり

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    余命は一年、そう宣告された妻のために、小説家である夫は、とても不可能と思われる約束をする。しかし、夫はその言葉通り、毎日一篇のお話を書き続けた。五年間頑張った妻が亡くなった日、最後の原稿の最後の行に夫は書いた―「また一緒に暮らしましょう」。妻のために書かれた一七七八篇から選んだ十九篇に、闘病生活と四十年以上にわたる結婚生活を振り返るエッセイを合わせた、ちょっと風変わりな愛妻物語。

    読み終えて、闘病生活の奥さんにとって作者の書いたお話は生きる楽しみだったんじゃないかなぁと感じました。
    また作者にとっても 奥さんとのいつの日かのお別れのためには必要な事だったように思った。
    全てのお話は載っていませんが 私は好きです。とてもいろんな事を想像させてくれるお話だと思いました。
    たくさんの本を読んできて 脳内で情景を思い浮かべながら読める作品は 自分にとっていい意味でとても影響された作品なんだろうなぁ感じています。
    最終回で〝また一緒に暮らしましょう。〟と書いた作者も奥さんも共に幸せな人生だったのだろうなぁと感じました。

  • 作家 眉村卓が闘病する妻に一日1作品短編のお話を綴った。その時の様子と作品集。

    私的にはご夫婦の様子が目に浮かんで、小説のように感じられた。お互いを信頼しあい、なんでもないやり取りが愛おしく感じる。

    短編の話は 好きなものあり、???の物ありであったが、「最終回」は 目頭が熱くなった。
    きっと 作者の頭の中にはちゃんと話があって、それを語ると 奥さんはにっこり笑って うなずいて、「完成したね」なんて労って・・・

    妄想入りました。ごめんなさい。

  • 番組を観ていたので、
    とにかく最後のページが見たくて見たくて、
    それを我慢しながら読むのがつらかった。
    がっつり短編集かと思いきや、
    そうではなく、
    夫婦の在り方が淡々と書いてある。

    うちの両親もお互いに癌が発覚し、
    見舞いに行っている間は
    いろいろなことを思っていたのだろうな。
    今、二人とも健在で
    一緒に出かけて行く姿はまさに奇跡だな。

    泣いたかと言われれば、泣かなかった。
    だからといって、感動しなかったわけではない。

  • 「アメトーーク! 読書芸人」での紹介を機に反響のあった一冊。余命1年の妻に毎日書き続けたショートショートの抜粋と最後の一編までの過程がまとめられている。抜粋された作品群よりも妻への気遣いや関係性にこの本が絶賛される理由なのだろう。‬

  • 読む前のハードルが上がりすぎていたのかもしれません…

  • 芸人が薦めてたので買ってみた。星新一と比べちゃかんと思いつつ、ショートショートの落ちの落差が少ないことに不満を感じながら読んでくと、単話としての落ちよりも連続で読むことでの変化が面白い。最後は圧巻。たまに聞く「心地よい浮遊感がある読後感」ってやつを初めて味わった。

  • 「アメトーーク」読書芸人でカズレーザーが紹介し、まさかの重版、それがバカ売れという、ミラクルな1冊。
    余命1年の妻のために、1日1話ショートショートを書くことに決めた。そのショートショートに、妻とのエピソードなどを挟んだエッセイ。
    カズレーザーが「15年ぶりに泣いた」と言っていた「最終回」。なるほど、ウルッときた。これは予想外だった。
    でもショートショートより何より、私は以下の部分が妙に沁みた。
    =====
    私たちの結婚生活は長かった。(中略)ある程度は気持ちを察することができるようになっていた……そのつもりであった。
    それが、毎日一話書いて読んでもらっているうちに、本当にそうだったのかなあ、の、ときどき思うようになったのだ。(中略)
    そして……私は思うのである。人と人とがお互いに信じ合い、共に生きてゆくためには、何も相手の心の隅から隅まで知る必要はないのだ。生きる根幹、めざす方向が同じでありさえすれば、それでいいのである。
    =====

  • 映画を見て泣き。これを読んでも泣きました。ショートショートおもしろいです

  • 眉村さんの、小説家らしく、愛する人の夫らしく、奥さんへの愛を込めた物語を描き続けたその姿勢と、最後の一文に込められた精一杯の愛に心を打たれました。
    学校の先生がおすすめの本として授業で取り上げていたのを思いだし、手に取りました。
    愛のあたたかさと力強さを改めて感じました。

  • 感想
    愛する人の死を前にして何ができるか。絶望してはいけない。その人が生きた証を残す。文章は適当な曖昧さを持っている。だから美しい。

  • 感動できず、途中から流し読みで終えた。
    一つ一つの話がピンとこなかった。
    この作者のことを知らないのがあるんだろうけど。

    ただ、奥さんを深く愛してたのは伝わり、これだけひとりの女性を愛するということは凄いことだなと関心させられた。

    なんというか、俺には合わなかったかな。

  • 最後、泣きました。 眉村さんがどれだけ奥さんのことを想っていらしたか、そしてお二人がどれだけ望ましい関係であられたかがよくわかりました。 一日一話の物語をすべて読んでみたいです。 単純に眉村さんの書く話がおもしろい。 この本に収録されているものの中では、「ある書評」「書斎」「秒読み」などが読んでいてとてもワクワクしました。 読んでいる途中はSF作家なんだ!ぐらいに思っていましたが、 眉村卓さんは「ねらわれた学園」の原作者なのか! 現代版のアニメ映画しか観たことありませんが、これはいいきっかけになりそう!

  • 10.06.2020 読了

  • 長年寄り添った夫婦の気持ちはわからないが故に、この本の評価も低くなってしまった。

    ただ、「自分の祖父母もこれほど互いのことを思い合ってるのではないか?」とは思う。心では、「パートナーに対して何かしてあげたい!」という気持ちを持っているのかもしれない。

    これは俺がパートナーを持つ、かつ数十年寄り添わなければ、わからない気持ちだろう。

    「人と人がお互いに信じ合い、共に生きてゆくためには、何も相手の心の隅から隅まで知る必要はないのだ。生きる根幹、目指す方向が同じでありさえすれば、それでいいのである。」
    これは長年連れ添ったパートナーがいる人でしかわからない思考だろう。だが、一部わかることも自分にはあった。

  • 数々のショートストーリー。妻に対する筆者の愛を感じた。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/692978

  • 長年連れ添ってきた最愛の妻ある日突然余命1年と宣告されたら…
    小説家である夫は余命1年と宣告された妻に、1日1篇お話を送ります。日に日に衰弱していく妻の最期の時まで、1778話という莫大なお話を書き続け、1番最後のメッセージは夫婦だからこそわかる長年の絆が見えました。お話の間に書かれている奥さんとの思い出話はフィクションではなく実話だからこそ情景が鮮明に見え、素敵な夫婦がまた一緒に暮らせる日が来ることを読み手までもが願ってしまう、そんな愛であふれている作品です。

  • 飛び飛びで読んでもたからか、そんなに感動はなかったな。
    この作家自体のことをしらなさすぎるのか、商業レベルの基準もよくわからんかった

  • 話を聞いたときロマンチックだなぁと思ってた。
    ちょうどつれあいが大手術したばかりだったのでいずれ自分にも襲いかかってくる事柄なんだなとヒシヒシ感じながら読んでいたら体調崩す、というオマケがつきました涙。
    外観が遮断され非日常が日常になり日々を恐れつつ必死に過ごす。しんどい。
    自分が同じ境遇ならどうやって過ごすのだろう。答えが出ない。

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著者プロフィール

1934 - 2019。SF作家。1979年に『消滅の光輪』で泉鏡花文学賞および星雲賞を受賞。また1987年に『夕焼けの回転木馬』で日本文芸大賞を受賞。代表作にジュブナイルSFの名作といわれる『なぞの転校生』『ねらわれた学園』などがある。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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