創価学会 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 541
レビュー : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100727

作品紹介・あらすじ

一宗教団体であるにもかかわらず、いまや国家を左右する創価学会。国民の7人に1人が会員ともいわれる巨大勢力だが、その全容はあまりにも知られていない。発足の経緯、高度成長期の急拡大の背景、組織防衛のしくみ、公明党の役割、そしてポスト池田の展開-。あくまでも客観的な研究者の視点から、現代日本社会における創価学会の「意味」を明快に読み解いた格好の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 10年前の本。5年前に一度読んでる。が、最近立て続けに読んでた島田裕巳の本だったと気付き、再読。
    創価学会ってネットとかでやたら嫌悪されてるイメージしか知らないけど一体なんなんだろー、と5年前にも思って読んだのだが、正直あまり記憶に残らず。批判も賛美もしてない本だなという印象だけはあり、その点は求めていた通りの本ではあったのだが。(冷静、中立だがインパクトは弱い、という島田裕巳への評価は今と変わらない…)
    5年前に比べて、私自身知識も少しは増えてるし、著者への信用がある点も大きく違う今再読して、なるほどけっこう面白い、と思いました。
    以下、雑な要点メモ。間違いもあるかも。

    *初代会長牧口さんの頃は、宗教団体というより、宗教がかった教育団体という感じだった。牧口さん自身が教員やってたような人で、日蓮正宗に入信したのがきっかけ。
    *二代目会長戸田さんのとき、ぐっと信者が増える。戸田さんは庶民的でざっくばらんで、乱暴な口調でスピーチしたりするような人。教育者、宗教家、というより実業家肌。
    *この信者激増についての島田裕巳による解説。高度経済成長の時代、農村から都市に流入してきた多くの、農家の次男坊、三男坊たち。彼らのうち、企業に就職できなかった人たちは生活の基盤が確立できず、地元からも切り離されているため人的ネットワークにも所属していなかった。こういう人たちの受け皿として、「信心さえすれば豊かな生活が送れる」と徹底的に現世利益を説く創価学会が人気を集めた。
    *それだけなら他の新興宗教も同じようなものだが、信者獲得において創価学会一人勝ちに繋がる特徴は、二つ。(1)葬式を日蓮正宗でやるため、他の新興宗教のように葬式をきっかけに家の宗教に戻ってしまうことを抑止できた。(2)日蓮正宗以外の信仰を認めない排他性のため、家の信仰にまつわる仏壇やら神棚やらそういうものを破壊させるということがあったが、前述のとおり地元から弾き出されてしまった経緯を持つ信者たちにとっては、それが抵抗がないどころか救いになったようなところがある。
    *三代会長池田さん。この人もざっかけない庶民派。カリスマ。この人に対して批判的な立場のジャーナリストが、色々暴いてやろうという姿勢で単独インタビューに臨んだはずなのに、「会ってみたら意外といい人だった」みたいな印象を書き残している、という話が印象的。
    *公明党言論弾圧事件とか、日蓮正宗との決裂とか、挫折の時代。世間が批判ムードになるのもこの頃から。
    *生活苦や孤独と戦う庶民のための宗教、という性格。でも一方で、信心により豊かになった信者の中からは高学歴のエリートも生まれてきている。そこんところの矛盾と限界の話。
    *池田さんの後継者問題。今のところ、池田に代わるようなカリスマ的な存在はいなさそう。カリスマ無き時代はどうなるのか?
    *相互扶助組織、「巨大な村」としての創価学会。近年は新しく信者が増えることは少なく、2世、3世という形で信仰の継承が行われている。彼らは生まれたときから、創価学会という強固なネットワークの中で生活してきているが、もし、自分で選択したわけではないその信仰に疑問を感じたとき、それまで身をおいていた人間関係を絶ちきってまでして、信仰を捨てることができるのか?それって相当難しいことだよね、という話。

  • 宗教学の専門家による「フラットな」視点における創価学会研究。宗教団体にも関わらず「学会」と名乗っている所以であるとか、団地に住んでいる人に会員が多い理由とかがよく理解できる一冊。自分の中ではだいぶ身近な存在ではあったものの、尋ねるのはタブーな感じもあったので、よくも悪くも正確な知識を得るにはちょうどよいレベル感だったと思う。

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  • 最初は教育のため
    いつのまにか生活圏になった

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】

  • 名前はよく聞くが実態について目にする機会がない団体。選挙も近いので、本書で確認をしてみた。誕生から現在まで、大きな変化を経ていることは、意外であった。日蓮正宗の在家集団としてスタートし、時代を重ね、組織活動や教義、規模、世間との関係性を変化させながら現在に至っている。組織文化や依拠するリソースが変わりながらも瓦解せず、求心力の強さを維持していることは、驚きだ。アイデンティティが薄れつつあるこれからが、難しいところだろう。

  • ん〜
    刺激ゼロだった。期待はずれ

  • 高度経済成長期に村から疎外された者たちの経済組織、相互扶助組織

  • 創価学会の成り立ちを宗教学者が客観的に記述したもの。現状では客観的な書物が創価学会の閉鎖性やマスコミのスキャンダルを求める姿勢からほとんど世に出ていないとする著者の認識からこの本の必要性を感じたとのこと。
    1代目は教育者が日蓮正宗に帰依したことで創設、2代目が元々経営者でカリスマ性も高く戦後発展の礎を築く。3代目池田大作も庶民の出でカリスマ性を発揮して発展を進めた。またそのときに日蓮正宗と袂を分かつ。
    高度成長期、都市には農家の2、3男が大量に流入、彼らは人脈もなく本家の仏壇を引き継ぐこともなくそこに対して都会での互助組織として創価学会が非常にワークしたとしている。それゆえ労働組合などどの軋轢も強かったが、日本の労働組合は大企業の正社員中心で、創価学会の方がポテンシャルが大きかったことが発展の可能性を高めたとしている。
    公明党は元々政教分離ではなかったが、創価学会による盗聴や出版妨害などの事件により党是から宗教色がなくなって現在に至る。

  • なかなか実態が明らかにならない「創価学会」。流れを含めて整理できた。高度経済成長に伴って、発展した背景が理解できた。

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著者プロフィール

島田裕巳 宗教学者、作家。1953年生まれ。東京大学文学部宗教学宗教史学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究課博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任。おもな著書に『仏像鑑賞入門』(新潮新書)、『教養として学んでおきたい仏教』( マイナビ新書)、『親鸞と聖徳太子』( 角川新書)などがある。

「2019年 『仏像ドリル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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