考える短歌―作る手ほどき、読む技術 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 301
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100833

作品紹介・あらすじ

どうすれば気持ちを正確に伝えることができるのか。短歌上達の秘訣は、優れた先人の作品に触れることと、自作を徹底的に推敲吟味すること。ちょっとした言葉遣いに注意するだけで、世界は飛躍的に広がる。今を代表する歌人・俵万智が、読者からの投稿を元に「こうすればもっと良くなる」を添削指導。この実践編にプラスし、先達の作品鑑賞の面からも、表現の可能性を追究する。短歌だけに留まらない、俵版「文章読本」。

感想・レビュー・書評

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  • 俵万智さんが、読者からの投稿を元に「こうすればもっと良くなる」と短歌を添削指導する。

    第四講の「副詞には頼らないでおこう/数字を効果的に使おう」と第八講の「主観的な形容詞は避けよう/会話体を活用しよう」は、とくにアマチュアとプロの差が生じやすい部分な気がしました。勉強になる。

    一文字一文字を吟味する歌人の思考過程を知ることは、短歌づくりに限らず、言葉をだいじにしたいひとなら参考にして損はないかなと。
    『短歌のレシピ』と合わせてこちらも広くオススメしたい一冊です。

  • さすが元国語の先生だけあって丁寧で親切。『短歌のレシピ』よりもさらに踏みこんで解説してくれている。読んでいて楽しかった。メモしないと忘れてしまうのが悲しいけれど。

    私が好きな穂村さんの短歌「サバンナの象のうんこよ聞いてくれ」のことを、“初めて読んだ時、よさがさっぱりわからなかった。ふざけているのかしら…”と書いていたので、穂村さんと俵さんのギャップがおかしくて目に浮かぶようだった。歌人でも個性があるのね。

  • 短歌って時間を切り取った絵画のようなものなのかな。心が豊かになった。少し始めてみようかな

  • 俵万智さんによる短歌の実践講座。 アマチュアの投稿を添削したり、プロの作品を読み解いたり。 なるほどね!の連続ですっご~~~く面白いです。(#^.^#).
    私の短歌の原点(#^.^#)は石川啄木で、中学のころ、「一握の砂」「悲しき玩具」に夢中になりました。
    で、すぐに影響される私は三行の短歌を作り始めたわけですが、それが気持ちばかり先走って凡庸、つまり下手くそ~~!でね。
    その後時々、思い出したようには作ってみても、なんか奥行のない短歌しか出来上がらずちっとも面白くないんですよ。

    なので、あとは手当たり次第に先人の歌集を読み漁り、(当時は、与謝野晶子、若山牧水、斉藤茂吉、寺山修司が好きだった。万葉集、古今、新古今あたりは拾い読み。新古今の技巧を凝らした和歌に惹かれたのは若かったから、なんでしょうね。今は万葉が一番好きです。) なんて巧いんだぁ~~なんて、あはは・・当たり前じゃん、と今なら思うけど、感嘆するばかりの日々でありました。

    で、俵万智さんの「サラダ記念日」。これは20代で結婚してから出た歌集ですが、凄い衝撃でしたね。全て五・七・五・七・七にはまり、その定型の気持ちよさと1人暮らしの若い女性の瑞々しい感性が発露されて…。
    「また電話しろよと言って受話器置く 君に今すぐ電話をしたい」が一番好きだったんだけど、なんかもう女の子の気持ちがわかりすぎるほどわかって、ホント、泣けちゃいましたもの。


    ・・・・・・なんてすみません、短歌のことをこちらに書くのは初めてなので、つい熱く自分語り(大汗)をしてしまいました。

    で、「考える短歌」ですよ。(#^.^#)

    万智さんの穏やかな口調で添削された投稿作品は、たった一語を変えるだけで、ぐっとテーマがクローズアップされる、というまるでマジックのよう。


    「も」があったら疑ってみよう という章では


    「冷蔵庫のシチューも食べ終え君のいた証拠がついに消えたこの部屋」を
    「冷蔵庫のシチューを食べ終え君のいた証拠がついに消えたこの部屋」に。


    「も」は同様のことが他にもあるという意味で、無防備に遣ってしまうと焦点が絞りきれずに印象が甘くなる、との指摘があり、また、意味的に確かに「も」であっても、「を」「が」「は」に置き換えたほうがすっきりすることもある。


    うん、わかるなぁ。
    タッチが柔らかくなることもあって、私なんて本の感想を書くときに、無防備どころか必要ないようなところにまで「も」を使ってるなぁ、と反省。
    で、シチュー「も」食べ終えるのと、シチュー「を」食べ終えるのとでは、読み手の女の子(だと思う。)が彼の去った後、悲しさを抱えながらもすっくと立ち上がっている強さまで感じられる・・・。

    そして、寺山修司の

    「きみが歌うクロッカスの歌も新しき家具のひとつに数えむとする」

    の「も」の必然性を語る万智さんの優しい口調とその内容がとても好き!(#^.^#)
    うんうん、ホントだ!なんてそればっかりなんだけど。

    そのほか、句切れを入れて全体のリズムを引き締め、言いたいことがより一層切なく伝わる、とか、
    動詞はあまりたくさん入れないこと、
    体言止めも一つだけ、

    「バスタブに泡だてて手にすくうシャボン幼い頃に見上げていた雲」を
    「バスタブに泡だつシャボンすくうとき幼い頃に追いかけた雲」に。


    上の歌は体言止めが二つあるために上の句と下の句が同じ重みで分かれてしまった。シャボン=雲の図式が単純に見えてしまう。


    そして


    シャボンから雲への連想を、もう少し不親切につなげたほうが、かえって余韻が生まれる。


    なるほどね~~、“不親切に”という作歌の姿勢があるわけですか。(#^.^#)

    で、また、見上げていた を 追いかけた にしたのは


    字余りが気になっただけではなく、このほうがリズムだけではなく動きが出ていいのではないだろうか。
    体言止めが「雲」のみになって、記憶の世界のほうに重心が定まった。


    ですって。

    体言止めって便利だから、私なんてすっごく使うんだけど・・・。
    もう、短歌を作ろうなんて思うこともないとは思いながら、うんうん、そうなんだ!と嬉しくなってしまいます。

    また、

    安易な副詞で自分の気持ちを表わさない(ふと、とか、ひっそり、とか、さびしく、とか)
    現在形を活用しよう、

    とか、

    焦点をぼやけさせないこと、をたぶん主眼においてのレクチャーだと思うのだけど、
    いちいち腑に落ちてすっごく面白い。

    バリバリ理系男の主人が、例によってテーブルの上に置きっぱなしにしていたこの本を覗いたみたいで、
    それこそ短歌なんかに全く!!!縁のない人なのに、

    面白いなぁ~~、この本~~!と感嘆していたのが可笑しかったです。(#^.^#)

  • この手ほどきもまた著者の価値観でしかないことを念頭に置かなくてはならないが、なるほどなと思った。以下メモ

    ・「も」の必然性や、あいまいな「の」を疑う
    ・句切れをつくる、構造を組み替える
    ・動詞は3つまで
    ・体言止めはひとつだけ
    ・副詞に頼らない
    ・数字や固有名詞、色彩を効果的に使う
    ・比喩に統一感を持たせてみる
    ・現在形を活用する
    ・初句を印象的にする
    ・主観的な形容詞は避ける
    ・会話体を活用する

  • いろんな短歌を添削してます。
    鑑賞コーナーもあり、心打つ短歌が味わえます。
    ステイホーム中何かやりたいなあと適当な気持ちで読んだけど、
    自分がそんなlevelじゃないって、わかりました。

  • 読みやすくわかりますい
    911.1

    第一講
    「も」があったら疑ってみよう

    第二講
    句切れを入れてみよう
    思い切って構造改革をしよう
    第三講
    動詞が四つ以上あったら考えよう
    体言止めは一つだけにしよう
    第四講
    副詞には頼らないでおこう
    数字を効果的に使おう
    (説明的にならないように)
    第五講
    比喩に統一感を持たせよう
    (複数使うにしても)
    現在形を活用しよう
    第六講
    あいまいな「の」に気をつけよう
    初句をを印象的にしよう
    第七講
    色彩を取り入れてみよう
    固有名詞を活用しよう

    第八講
    主観的な形容詞は避けよう
    会話体を活用しよう

  • 感性の衰えを感じ、詩や短歌などに救いを求めている。また、言葉が織りなす微小な差異にも興味を抱いている。

  • 添削が主なので、入門書とはちょっと違った感じ。
    短歌を作るうえでの、ちょっとした心構えがわかる本。

    かなり実践的な添削なので、
    読むだけでちょっと短歌が上手くなった気がします(笑)

    自分でも何首か作ってみて、
    本書の指摘と照らし合わせてみるといいと思います。


    短歌とは、
    たえず見つめ直す姿勢が大事なんだと教えてもらいました。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:911.107||T
    資料ID:95050165

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著者プロフィール

俵万智(たわら まち)
1962年大阪府生まれの歌人。同四條畷市、福井県武生市で育ち、福井県立藤島高等学校を経て早稲田大学第一文学部に入学。
1986年『八月の朝』で角川短歌賞受賞。1987年『サラダ記念日』を刊行し、空前の大ヒットとなる。他の歌集に『かぜのてのひら』『チョコレート革命』『プーさんの鼻』『オレがマリオ』など。他の著作に『愛する源氏物語』『俵万智訳 みだれ髪』など。2018年に『牧水の恋』を刊行。

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