「裸のサル」の幸福論 (新潮新書)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101151

作品紹介・あらすじ

人間は霊長類の中で唯一、体毛のない「裸のサル」である-。そう断じてかつて世界的センセーションを巻き起こしたモリス博士が、今度は「裸のサル」の幸福の本質に迫る。競争、協力、達成感からダンスやSM、果ては麻薬まで、人間に幸福をもたらすあらゆる源泉を、動物行動学者の視点から網羅的に分析する。ヒューマニズムとは一線を画した全く新しい幸福論。

感想・レビュー・書評

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  • 動物行動学者が書いた人間はどんなことを幸せと感じているかを淡々と羅列していく本
    幸せって何なのか
    そんなことで思い悩んでいたときこれを読んでああそうかと思った
    たまに読み返したくなる

  • 動物行動学の権威の、人間の幸福の”動物的背景”について論じた一冊。

    性別や年代、人種や国籍を超えて普遍的に気持ちいいこと・ハッピーなことは確実に存在していて、なぜそれが共通した幸せたり得るのかのヒントにタッチできた点について、とてもよかった一冊。人類の幸福は、「先天的・原始的な一生物種としての幸福」と「後天的・文化影響的な社会によって規程・伝播した幸福」の掛け合わせで決まっていて、前者は無視できないと。

    切り口は幸福だったけど、裏返しとして「不幸」や「忌避される行為行動」についても少し論じられていて、そこも面白い。”生き物として気持ちいい”というところを少しでも頭の片隅で意識できているかどうかは、人を相手にした商いをする上で重要なファクターだと感じた一冊。

  • 著者は動物行動学の専門家。著者自らは、本書は幸福になるための啓発本ではなく、動物としての人間の感情から生じる「幸福」の源泉を科学的に説明すると書いている。そう思って読めば科学的な気もするが、語っている内容は、ありがちな幸福論・人生論のようでもある・・・とはいえ、幸福をタイプ別に分類したり、幸福の定義にこだわったりする様は、やはり科学者の著なのである。

  • 幸福について考察した一冊である。

    幸福について分類整理して紹介しており、また、幸福は人と言う生物の本能に根ざして生まれていることを示している。

    私たちは幸福な状態を求めているが果たして幸福とは何かと考えていたであろうか。
    本書では幸福が発生と私たちの周りに存在する幸福がどういったものであるのかを説明しているため、幸福に近づくためには本書を一読するのが手っ取り早いと思う。

  • 教養人が語る幸福論、というか欲望論?という感じ。もっと比較行動学的な話なのかと思っていたが、全然違っていたのでちょっと期待はずれ。

  • 1相応の標的
    2このタイプの幸福における究極の形→拷問者の幸福精神的拷問肉体的拷問レイプ殺人
    32の幸福のコインの裏側
    部族仲間(人類〜他の種)救いたい本能
    対象が象徴的等価物(ほとんど無限)だから実現可能なゴールの設定難しい
    都市(部族集団が巨大=協力による幸福得にくい)→競争>協力
    村は競争=協力
    4
    5
    6それ自体が目的
    7脳の高次機能スイッチオフ→エンドルフィン分泌増加伴う生理的反応(アナンダミドも関与か)=ランナーズハイ
    8(快楽主義以外の)○○主義=マゾ
    9
    10優先順位→犠牲生じる
    11中庸(欲望の消失)=死の平穏か
    12幼形成熟(疑似子供)
    13不幸の除去→幸福
    14
    15
    16笑い→エンドルフィン・免疫システム活発化
    危険ではない危険
    17

  • [ 内容 ]
    人間は霊長類の中で唯一、体毛のない「裸のサル」である―。
    そう断じてかつて世界的センセーションを巻き起こしたモリス博士が、今度は「裸のサル」の幸福の本質に迫る。
    競争、協力、達成感からダンスやSM、果ては麻薬まで、人間に幸福をもたらすあらゆる源泉を、動物行動学者の視点から網羅的に分析する。
    ヒューマニズムとは一線を画した全く新しい幸福論。

    [ 目次 ]
    第1章 幸福は何から生じるのか(「満足」と「幸福」の違い;ヒトに求められた新たな心構え ほか)
    第2章 幸福にはどんな種類のものがあるのか(標的の幸福;競争の幸福 ほか)
    第3章 幸福の特徴とは何なのか(長続きしない感情;「適切な標的」「競争」「協力」 ほか)
    第4章 幸福の定義集(古今東西の著述家たちが述べた幸福の定義の数々。)

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 08076

    05/30

    幸福なのか、現状に満足しているだけなのか。(未出)

  • 協力する幸福を味わうには適当な規模を見つける必要があるそうです。
    とうことで大都市は人口が多いから人々は協力をしない、。
    反対に田舎では人口が少ないから協力することが好き。
    面白い説ですね、いろいろ考えさせられました。

  • 幸福はひとつではない。 人間にはいくつもの幸福がある。
    肉体の幸福から能の幸福、協力の幸福や遺伝の幸福、リズムの幸福など、あわせて10種類ほどの幸福が分析されている。

    面白いと思ったのは、

    協力の幸福(助けるもの)を求める人、ままに人のためになる仕事をしたがる人、は人に協力をすることで大きな幸福感を見返りに受けているのではなく、
    救いきれていない人、動物など対象のことで頭がいっぱいで常に満たされない気持ちでいる傾向がある、とのこと。 

    いくつもの幸せのパターンを獲得することによって、幸せの総量が増やすことができる。 人間の根本的特長、好奇心、野心、競争心、協力性、社会性、創造性、遊びごころなどに調和する状況に自分をおくことにより幸せになる機会が劇的に増える。

    おそらく、個々人にとってもっとも大事な3つぐらいの要素が自分の生活に組み込まれたら、幸せな日々になるのでは? 

    巻末にある歴史上の著名人による幸せの定義、中でも響いたのは、
    ー幸福は出来事よりもこころの持ちようによって決まるーダライラマ
    ー幸福とは人間の本当にすべき仕事をすることである −ローマ皇帝アウレリウス

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著者プロフィール

イギリスの著名な動物行動学者。1928年ウィルトシャー生まれ。バーミンガム大学、オックスフォード大学大学院で動物行動学を学ぶ。56年ロンドン動物園のテレビ・映画制作部門長に就任。59年よりロンドン動物園の哺乳類学研究部長を8年間務める。そのかたわら、テレビ番組や映画で動物のドキュメンタリーを制作。67年刊の著書『裸のサル』(角川文庫)で一躍有名となり、その後も数々のベストセラーを生み出している。美術への造詣が深く、シュルレアリスムの画家としても知られる 。

「2019年 『フクロウ[新装版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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