話せぬ若手と聞けない上司 (新潮新書 136)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101366

作品紹介・あらすじ

「社員が働かない」のか「ベンチがアホ」なのか。上司と部下の間には暗くて深いミゾがある。会社をギスギスとさせ、士気をジワジワと下げてしまうこの「世代のミゾ」はどうすれば解消できるのか。一見、理解不能な若者たちとどう話し合えばいいのか。豊富な対話例をもとに、ケータイ世代の若手とその上司世代、それぞれの想いや背景を考える。そこから、会社に風を通すための知恵が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 15年前の本だが、今巡り合ってとても新鮮

  • ★2016年11月12日読了「話せぬ若手と聞けない上司」 山本直人著 新潮社新書 評価B

    KI活動で明らかになって上がってきた問題に『上司を怖がる若手チーム』があり、その根本原因が書いてありそうだったので、早速読んでみた。答えの一部がそこに提示されているように思えた部分はあった!筆者は1986年慶應義塾大学法学部卒業で、博報堂の人事部で新入社員教育に従事した経験を持つマーケティングと人材育成の評論家。

    高校までの勉強は、答えを求めるのが目的、しかし、それ以降は、自分で考えて答えを出していかなければならない。でもどうしてだろう、どうすればいいのだろうと自問自答が求められる上に、正解は分からない。そこに現代の若者たちは困惑しているのではないか?

    本来は、大学で答えのない自問自答を繰り返すはずが、90年代以降の就職予備校化した大学教育で、安易に答えを求め続ける学生がそのまま社会人となっている。さらには、インターネットで一見正解らしきものが入手できる。

    さらには、運動部の衰退や時代の変化で縦の上下関係が緩み、自らの人間関係が限定的となる中で、選択的に自分がコミュニケーションできる人としか関係を取り持ってこなかった若者が増加。
    加えて、戦後生まれの子には甘いベビーブーマー以降の親たちに甘やかされて育った世代が、社会人となり、初めて接する多様な先輩上司、となれば、コミュニケーションにプアなために、おそれるしかかくなっていると見える。先輩、上司による姿勢や行動の否定は、人格の否定と若者たちは感じてしまっているらしい。
    先輩上司は、理解できないけど、認めてみよう!という態度で臨んでみたらいかがか?

    P183引用
    親たちの作った戦後の時代を引き継いで、もっといい未来にしたいと心のどこかで思っている。
    ただ、どうしていいのかわからない。たくさんの情報に囲まれて育ったのに、社会に出ようとした途端に話をしてくれる大人がいないように思えてしまう。その責任は彼らにもある。
    閉じた系の中で暮して来たために、対話の術を知らなすぎる。しかし、似たような状況は大人にもある。
    あまりにも対話が少ない。もう少し踏み込んでお互い話してみればいいのにと思う。会社というのはそうやって世代から世代へといろいろなことを伝えていく懸け橋のような役割を持っている筈だ。それなのにお互い妙な距離を置いている。

  • 過去を思い出して、何度かはっとなる部分があった。
    先輩はきついこといってるなんてみじんも思ってないなど。

    でも、この著者は若者に対して優しいなぁ、と思い、若者とおじさんのはざまのなかで、こういう視点は忘れないようにしようと思った。

    今の職場で使わせてもらおう。

  • 本書の視点をそのまま鵜呑みにするのは危険だが、こういう若者の考え方も一面としてあるだろう、と参考になるところ多々あり。身近にいる若者と照らし合わせながら読むと、なかなか読み物としても面白い。

  • 本音を知る。社会を知る。み

  • 若手と上司の壁とは?

    →現状に対する不満や不甲斐なさからの逃げとしてちょっと高いハードルにすり替えがち
    社会に出てからの勉強は
    1.徹底的に疑うアタマを作る
    2.相手の気持ちを想像する
    遠回りをしてみようという気持ちから発見することに何かがある
    ビジネスにおいては努力と結果は比例しない
    異なる価値観は理解するのではなく、認める
    理解できるはずという思い込みが壁を作っている

  • まさに「話せぬ若手」のどんぴしゃ世代の私としては、
    自分を客観的に見ているよう気分にもなり、
    主観的に「分かる分かる」と思える部分もあり、
    かつ文章も伝えることに主眼が置かれているのでおもしろく一気に読めました。

    借り物の夢を抱いて、昔(成功したとき)の自分にすがりつき、
    目の前の課題に及び腰になる、ともすれば逃避する。
    「自分ストーカー」という言葉が印象に残った。

  • 新社会人が社会に出てからの勉強は「疑う」アタマをつくることと相手の気持ちを想像すること。そのベースはやはり読書である。
    本を読まずに疑うことだけ覚えると自家中毒になる。

  • みんな、夢を持ってなきゃいけないプレッシャーで「借り物の夢」に頼っちゃうんだろうな。それでまた現実との違いでストレスが溜まって行く。何年も働くと流石になくなるけど、昔は確かにあったなあ。
    サラリーマン必読。文章に嫌味がなく、とても読みやすい。
    最後の章は、どの世代間でも解り合える好きな文章。
    理解する必要はない、認めるように努めれば良い。
    少しでも先に生まれた世代が、面倒臭いが面倒をみればよい。

  • 若者に歩み寄ろうとする大人の意見を聞かせてもらえる本でした。
    若者として、こんな大人もいるのだから、せめて自分がおじさんになったとき、こんな著者のように、若者に歩み寄っていける精神をもっていたい。

    そう思える本でした。

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著者プロフィール

山本 直人(ヤマモト ナオト)
コンサルタント/青山学院大学経営学部講師
1986年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。同年博報堂入社。コピーライター、主席研究員、ブランドコンサルタント、人事局ディレクターを経て2004年9月独立。多くの企業にてマーケティング、ブランディング、および人材育成トレーニングをおこなう。2006年より青山学院大学経営学部マーケティング学科非常勤講師としてキャリア開発、マーケティング、メディア等を担当。著書に『グッドキャリア』『マーケティング企画技術』(以上、東洋経済新報社)、『50歳の衝撃』(日経BP)、『世代論のワナ』(新潮社)他多数。

「2021年 『数学的に話す技術・書く技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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