明治大正翻訳ワンダーランド (新潮新書 138)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 181
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101380

作品紹介・あらすじ

驚愕!感嘆!唖然!恐るべし、明治大正の翻訳界。『小公子』『鉄仮面』『復活』『フランダースの犬』『人形の家』『美貌の友』『オペラの怪人』…いまも読み継がれる名作はいかにして日本語となったのか。森田思軒の苦心から黒岩涙香の荒業まで、内田魯庵の熱意から若松賎子の身体感覚まで、島村抱月の見識から佐々木邦のいたずらまで、現代の人気翻訳家が秘密のワンダーランドに特別ご招待。

感想・レビュー・書評

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  • 明治大正期の名&迷翻訳家14人とその主要作品を紹介。
    経歴の紹介はあっさりとしたものですが、
    それよりも翻訳家としての悲喜こもごもに重点が充てられています。
    著者自身も翻訳家であることからの、想いと感情が入り混じり、
    エッセイ的な色合いが濃い感じの文章です。
    一字入魂の森田思軒、絶妙の会話文の若松賤子、
    荒業師な黒沼涙香、古きパリへの憧憬を窺わせる永井荷風、
    翻訳者としての想い爆発な内田魯庵、発禁と伏せ字、邦題の謎、
    ノベライゼーション・・・等々、明治大正期の彼らの挑戦が
    楽しく語られています。
    引用文献・参考文献も豊富。さすがに当時の文献は大変そう。

  • いや、すみません、借りたおれが悪かった。
    こういうのに興味ある人には面白いんじゃないかな。
    なんつうか、文章読本的なものは好きなのだけど、よく判りません。

  • 開国以来西洋に追いつけ追い越せという使命感から花開いた翻訳文化、朝ドラで話題の村岡花子がうまれた明治20年代は、ロシア文学の二葉亭四迷、ドイツ文学の森鷗外、英文学の森田思軒がそろい、若松賤子や小金井美恵子といった女性翻訳家の草分けも現れ、新しい文学の流れ、文体、翻訳方法などが登場した豊かな時代だった。14人14作品を紹介しながら、当時の翻訳の世界の状況や今も昔も変わらない翻訳家の喜怒哀楽や仕事ぶりに迫る楽しい一冊。

  • 翻訳の歴史

  • 記述は驚くほど浅いが、ただただ隔世の感に驚いているのも素直でよい。

  • 子どもの頃愛読していた世界文学全集の名作たちは実は原作そのものじゃなかったかもしれない…という不安が芽生えた。特に黒岩涙香先生は容赦ないことがわかった。

  • 開国、そして異文化の流入によって花ひらいた転換期・明治。現在の素地となる様々な出来事や潮流が生まれた明治文化の多様性をご紹介します。
    <閲覧係より>
    明治期の翻訳文学、殊に明治20年代はその革新の時代だった。訳者たちの欧米文学への憧れ、焦り、独自の解釈や使命感は、文面から飛び出してくるほどの気迫、情熱、思い入れとなってビシビシと伝わってくる。そんな名訳・怪訳の時代を現代の人気翻訳家が紹介します。
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    所在番号:新書||910.2||コウ
    資料番号:10172246
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  • さらっと読みました。おもしろかったのですが、かといって、本書に載っている明治大正時代の翻訳本をわざわざ読みたい、というほどのことでもありません。

  • 2005.10.20.初、並、帯なし
    2013.3.22.白子BF

  • 翻訳の初期のあれやこれやが、まとめて読めるし、読み易い。

    「日本文学(の言語)は最近まで、明治20年代にインストールした外国文学のソフトウェアでずっとやってきた」…という話がでてくるけれど、ナルホドと思いますね。

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著者プロフィール

英語翻訳家、文芸評論家。古典新訳にマーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』、シャーロット・ブロンテ『嵐が丘』、他訳書に、J・M・クッツェー『恥辱』など多数。著書に『翻訳ってなんだろう?』、共著に『翻訳問答』など。

「2020年 『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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