国家の品格 (新潮新書 141)

著者 :
  • 新潮社
3.44
  • (616)
  • (932)
  • (1855)
  • (259)
  • (121)
本棚登録 : 8054
感想 : 1191
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101410

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2021/11/19

  • 大ベストセラーだから読んでみたが、発刊された日からかなり経過しているため流し読み気味になってしまい残念。内容としては日本人らしさ、まさに日本国家としての品格を保ち続けることの大切さを説いており、世界が誇るべき日本人の素晴らしさを力説してくれている。

  • この本を題材にして昔、読書会をやったな~!

  • ※2010.8.20売却済み

  • ベストセラー

  • とても保守的。
    保守的ではあるけれど、
    愛国心が平和の糧になるなら必要なのだろうと
    考えさせられた。
    でも、欧米は〜だ、みたいな考えが通用する時代は
    もうなかなか来ないのではないかなー。

  • 武士道。名誉は命よりも重い。金銭よりも道徳。
    運命を引き受ける平静な感覚、生を賤しみ死に親しむ(仏教から)▼主君への忠誠、祖先への尊敬、親孝行(神道から)▼為政者の民への慈悲(儒教から)

    新渡戸武士道は日清と日露の間。西洋列強が日本に警戒感を持ち始めた時期。

    敗者への共感、劣者への同情、弱者への愛情。惻隠(相手の心情を深く理解、いたましく思って同情)

    なぜ人を殺してはいけないのか。なぜ野に咲くスミレは美しいのか。ならぬことはならぬ。論理ではない。

    薔薇の西洋、桜の日本。薔薇は花の色も香りも濃厚で、美しいけれど棘を隠している。なかなか散らず、死を嫌い恐れるかのように、茎にしがみついたまま色褪せて枯れていく。桜の花は、香りは淡く人を飽きさせることなく、自然の召すまま風が吹けば潔く散る。清澄爽快(せいちょう)。清く澄んでいる。爽やかで気持ちがよい。

    能・敦盛。
    悠久の自然と儚い人生。
    鈴虫の歌声。秋の憂愁。

    桜の木は毛虫はつきやすい、むやみに太くねじれていて、肌はがさがさ。たった三、四日の美しさのために。

    もののあはれ。自然に対する畏怖。自然への繊細で審美的な感受性。 

    数学には美的感覚。

    家族の延長が郷土。郷土の延長が祖国。祖国の延長が人類。

    自国の利益を追求し、自国の文化・伝統・情緒・自然を愛する。
    自国の利益を追求せず、自国の文化・伝統・情緒・自然を愛する。
    自国の利益を追求するが、自国の文化・伝統・情緒・自然を愛さない。
    自国の利益を追求せず、自国の文化・伝統・情緒・自然を愛さない。

    日本・自己を知らない人は国際人とは言えない。縄文土器と弥生土器はどう違うのか。元寇は2回あったが違いはあるのか。中身空っぽ英語ペラペラではいけない。

    国際聯盟規約 第22条【委任統治】
    1 今次の戦争の結果従前支配したる国の統治を離れたる植民地及び領土にして近代世界に激甚なる生存競争状態の下に未だ自立し得ざる人民の居住するものに対しては、その人民の福祉及び発達を計るは、文民の真正なる使命なること、及びその使命遂行の保障は本規約中に之を包容することの主義を適用す。
    2 この主義を実現する最善方法は、その人民に対する後見の任務を先進国にして資源、経験又は地理的位置により最もこの責任を引き受くるに適し且つ之を受諾するものに委任し、之をして連盟に代わり受任国として右後見の任務を行はしむるに在り。
    3 委任の性質については、人民発達の程度、領土の地理的地位、経済状態その他類似の事情に従い差異を設くることを要す。
    4 従前トルコ定国に属したるある部族は、独立国として仮承認を受けうる発達の程度に達したり。尤もその自立しうる時期に至るまで、施政上受任国の助言及び援助を受くべきものとす。前記受任国の選定については、主として当該部族の希望を考慮することを要す。
    5 他の人民特に中央アフリカの人民は、受任国においてその地域の施政の責に任ずべき程度に在り。尤も受任国は、公の秩序及び善良の風俗に反せざる限り良心及び信教の自由を許与し、奴隷売買または武器若しくは火酒類の取引の如き弊習を禁止し、並びに築城または陸空軍の根拠地の建設及び警察または地域防衛以外のためにする土民の軍事教育を禁遏すべきことを保障し、且つ他の聯盟国の通商貿易に対し均等の機会を確保することを要す。
    6 西南アフリカ及びある南太平洋諸島の如き地域は、人口の希薄、面積の狭小、文明の中心より遠きこと又は受任国領土と隣接せることその他の事情により受任国領土の構成部分としてその国法の下に姿勢を行うを以って最善とす。但し受任国は、土著人民の利益のため前記の保証を与うることを要す。
    7 各委任の場合において、受任国は、その委託地域に関する年報を聯盟理事会に提出すべし。
    8 受任国の行う権限、管理又は施政の程度に関し、予め聯盟国間に合意なきときは、聯盟理事会は、各場合に付き之を明定すべし。
    9 受任国の年報を受理審査せしめ、且つ委任の実行に関する一切の事項に付き聯盟理事会に意見を具申せしむるため、常設委員会を設置すべし。

  • 高校の日本史の先生がおすすめしていたので読んだ。令和世代の自分には理解しにくい考えもあったが、新しい視点を手に入れられたのは確かだと思う。結婚はしたくないものだ笑

  • 「論理」は一見絶対に見えるが、実は現実社会にあてはめると欠点が多いという指摘が面白い。1、重要な事柄は論理で説明できないことがある。2、論理には始点が必要 3、論理の跳躍にはリスクあり=単純にならざるをえない。 とかく仕事は論理が重要視されるが、情緒・形といった、無常観が変形して培われた惻隠の情も、日本人独特の武器。論理とセットで車の両輪として重視したい。

  • 論理は確率の掛け算であり、現実社会で各々の確率は0でも1でもないため、長い論理の信憑性は低く本能的な危険を感じる。
    かといって短くわかりやすい論理は深みがなく、それに飛びつくことは危険。
    →論理はそれほど効用のないものなのに、もてはやされている。論理だけで突っ走るのではなく、情緒や形(伝統に由来)に基づいた判断を!
    論理の出発点、すなわちスタンスを選ぶことが大切であり(確率の高い論理を積み上げることの大切さは言わずもがな)、そのためには情緒と形が重要。
    国際人とは、世界に出て人間として敬意を表されるような人のこと。
    世界に向かって大声を上げる胆力もなく、おどおど周囲の顔色を伺いながら最小の犠牲でお茶を濁すという態度では、国際貢献などできっこない。
    →周囲との調和は確かに大事であるが、そこに囚われすぎると大事なものを見失ってしまう。ダメなものはダメだと声を張り上げることも時には必要であり、そのためには判断の元となる情緒と形、及び働きかける胆力が必要。

全1191件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2020年 『本屋を守れ 読書とは国力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤原正彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
劇団ひとり
三崎 亜記
大前 研一
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×