国家の品格 (新潮新書)

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  • 新潮社
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レビュー : 1125
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101410

作品紹介・あらすじ

日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。すべての日本人に誇りと自信を与える画期的提言。

感想・レビュー・書評

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  • 2周目。ハードスキルよりソフトスキルの重視、グローバル化による画一化とそれを拒絶する個別化の同時進行は近年世界中で議論になりますが改めて日本も例外ではないと感じさせられます。特にもののあわれや武士道精神など、古来からの日本の文化はこのソフトスキルを身に着けるためにはこの上ない材料であることは私自身も確信しています。それ故、これからは日本の古典を通して日本の精神を育み将来祖国のために活躍できるよう、日々精進したいと思う次第です。

  • 内を見直すひとつのきっかけになる。

    日本人が無意識に抱く、欧米諸国との比較に
    基づいた根拠の不明確な劣等感。それって本当に
    確かなの?
    と、日本を見直すための土台を照らしてくれる。

    ただし文中で著者自身が指摘を受けたと言っているとおり、
    半分くらいは誇張や極論、というフィルターを通して
    見るのがちょうどよいと思う。そうでないと、著者の意図と反して
    ナショナリズムに陥る読者が増える危険性がある。


    大切なのは情緒、美への感受性。
    これには足元を「洗われた」気がする。

  • この本を読んで妙に納得してしまい、これからの自分の生き方にまでなにか影響を及ぼすのではないかと思ってしまった自分はとても古い人間なのかもしれない。が、考え方によっては世界の諸課題に対しての日本、の、日本人の在り方を示すことで、その解決策を提示することができる人間なのかもしれない。

    大きな歪みが生まれ始めている国際社会。国として、社会として、人として、これまでとは違った生き方、在り方に対する疑問が生まれ、何かが始まろうとしている今。
    この日本人らしい価値観、生き方は、新しい一つの解決策になりうる、少なくとも提案になりうると考える。

    そして幸い自分は日本人だ。そしてこの本を読んでまだ納得できるほど日本人らしい感覚持ち合わせている。
    そういう生き方いいんでない、と思ってしまう。

  • 数学者である藤原正彦氏の日本人論。著者の経験から西洋的論理主義を批判し、日本的な「情緒と形」の有効性が提唱されている。本書では敗戦によって失われた武士道精神の教育と、欧米的イデオロギー支配からの脱却が主張される。数学的視点から論理を量的に捉えるなど、独自の視点で近代的合理精神の限界を明らかにする過程が面白い。第三章では民主主義のポピュリズム的傾向を非難し「真のエリート」による抑制が主張されていたが、関連して読んだノーム・チョムスキー著『メディア・コントロール』と(対極的に)重なる部分があった。第四章以降では日本古来の「情緒と形」「武士道精神」について解説され、その役割と価値が説かれている。本書がベストセラーになり15年近くが経つものの、残念ながら日本人の武士道精神に復活の兆しは見えない。相変わらず横行している的外れな「国際人」の育成や、欧米追従型の国際貢献をやめ、今こそ国家の品格を取り戻すべきかもしれない。 

  • 【気になった場所】

    各国の品格の特徴
    ・アメリカ→論理と合理
    ・イギリス→慣習と伝統
    ・日本→情緒と形

    論理だけでは世界が破綻する理由
    ・人間の論理や理性には限界がある
    例)国際化だから英語を優先すべき?
    ・最も重要なことは論理で説明できない
    例)人殺しはなぜダメなのか
    ・論理には出発点が必要だが、その出発点はそれを選ぶ人の情緒
    ・論理は長くなり得ない
    →量的思考には、知識や情緒、大局観が必要

    国民は永遠に成熟しない
    →民主主義は世論がすべて
    →国民の判断材料はほぼマスコミであり、世論≒マスコミ
    →真のエリートの存在が必要

    真のエリートとは
    ・教養を身につけている
    ・有事の際に国家や国民に命を賭ける

    武士道精神こそ世界を救う
    ・惻隠をもって他者に接する
    ・卑怯を憎む心を持つ

    情緒や形とは
    ・自然に対する繊細な美的感受性
    ・インドの無常観→日本の「もののあはれ」

    天才を生む国の条件
    ・美しい土地
    ・伝統や自然への敬意
    ・直接役に立たない教養も尊ぶ風土

    品格ある国家の指標
    ・自らの意志に従って行動できる独立国
    ・高い道徳
    ・美しい田園
    ・天才の輩出

  • 近代以降欧米が支配した教義、すなわち自由・平等・民主主義とは一線を画し、美しい日本人としての情緒、すなわち祖国愛や武士道(誠実、忍耐、正義、勇気、惻隠の情など)を重んじて国家の品格を守ることが日本人としての真の責務である、と説く。
    個人的に気になるのは自由・平等・民主主義と美しい日本人としての情緒を二項対立的に論じている点。自由・平等・民主主義は、「未来」のことはいざ知らず、歴史的な時間軸における「現在」においては、人類の幸福を追求しうる最適解なのでは、と思う。
    美しい日本人としての情緒を大切にすることによって、より理想的な自由、平等、民主主義を追求すべし、このことにより国家の品格が保たれるのでは、と感じる。

  • 日本人の誇りについて考えられる内容だった。英語の勉強をした人が、英語が五割で国語が五割の実力になるくらいなら、国語を十割できる日本人になれとい極端でもあるが、その通りだと思った。

  • ベストセラーだったのと、タイトルの仰々しさに読みのを避けていました。読み始めてからも著者の主観が強いなと思い、冷やかし半分で読んでいましたが、三章『自由、平等、民主主義を疑う』の辺りから、グッと説得力が増してきて、一気に最後まで読んでしまいました。
    武士道の精神や情緒を重んじる心など、現代の日本人が失いかけている大切な心が書かれており、最後には深く共感しました。

  • 平成ベストセラーシリーズ
    平成18年(2006年)
    ・1月 ライブドア・ショック
    ・3/3 第1回ワールド・ベースボール・クラシック開幕
    ・8/24 冥王星が惑星から除外
    平成18年はトリノ五輪で荒川静香選手が金メダル獲得、WBCの日本優勝、中田英寿選手の引退と特筆すべきスポーツの話題が目立ちました。

    そんな平成18年のベストセラー年間売上1位は藤原正彦著『国家の品格』(トーハン調べ)
    ・・・・・・・・・・
    <目次>
    はじめに
    第一章 近代的合理精神の限界
    第二章 「論理」だけでは世界が破綻する
    第三章 自由、平等、民主主義を疑う
    第四章 「情緒」と「形」の国、日本
    第五章 「武士道精神」の復活を
    第六章 なぜ「情緒と形」が大事なのか
    第七章 国家の品格
    ・・・・・・・・・・
    「民主主義」「自由」「平等」という美しい形をした論理(そして硬い)を、いびつな形でそして柔らかい現実世界に当てはめようとするからおかしな事になってしまう。硬い論理を無理やり押し込んでうまくはまらない箇所からは、論理に弾かれた人たちの悲鳴が聞こえてくる。
    ではどうすればいいのか。それは、日本人が古来から大切にしてきた「情緒」で解決していこうよ、というのが本書の骨子です。

    「筆者は数学者なのに論理を否定するなんて…」と思いましたが、それは本書で「論理的思考の欠陥」と言われるものが理由となります。

    「AならばB、BならばC、だからAならばC」という論理があるとします。
    これを「A→B→C」と矢印で表現すると、Aにはどこからも矢印が来ていない、思考者の仮説から生まれたもの。
    つまり、どんなにB以降の論理が筋道立った素晴らしいものでも、Aの仮説が間違いである時点でその論理はおかしなものであるということ、これが「論理的思考の欠陥」。

    だから論理の出発点である仮説Aを正しく選択することが大切、つまり仮説を生み出す本人の「情緒」が大切になってくるというのです。

    「情緒」の育み方まで説明すると、とんでもない量になるので割愛します。興味のある方は読んでみてください。内容は濃いですが、新書なので文章のボリューム自体はありません。

    そう。骨太の内容ですが、第4章はエッセイとしても面白い読み物だったので、藤原さんのエッセイを今後ぜひ読んでみたいと思います。

  • ・心や日本語を勉強していない日本人がいくら英語が
    話せるようになっても意味がない
    →日本の歴史をよく知ろうと思う。

    ・「もののあわれ」「武士道精神」が日本人にそなわっている気品
    →「武士道」+「サラリーマン」の本ってある?

    ・経済的に優位になっても、世界から尊敬されない
    イギリスの経済の反映は、年十年も昔のことなのに、
    いまだ、世界から尊敬されているのは、普遍的な秩序を
    生み出した国だからだ。(議員内閣制、、、)
    →家族写真を撮るなど。

    ・国の底力の指標→天才の輩出→その条件とは?
    1.美の存在 :美しい田園風景
    2.跪く(ひざまずく)心 :神、仏、武士道精神
    3.精神性を尊ぶ風土 :文学、芸術、宗教
    →美術館に行く。

    ・今のおかしくなった民主主義、世界を救えるのは、
    この世界からみて「異常な国」日本である

  • そうだそうだ、その通り、と思いながら読みました。

  • 高校時代に教師からオススメされた一冊。

    国際人=英語が出来る ではないというのは確かにわかる。
    美的感受性など、日本人らしさを無くしてはいけない。自分の生まれた日本を誇りに思っていこうと思った。

  • 分からんでもないし美しいなと思う。納得できる箇所もあった。けど全力で肯定する気にはなれなかったのは「もう、そういう時代でもないのかもよ」みたいな悪い意味での諦めが自分の中にあるからだと思う。今の時代にこそ必要な思考かもしれないけど、「日本だけが特別なんだ」と鵜呑みにするのは怖いと思った。

  • 2019/3/16

  • 著者のズバッと主張するところ、個人的に好きですね。
    世界のあらゆるところに自ら赴き、様々な国の歴史を広く学んでいるからこそ見える国家のあり方。

    特に印象的だったのは、学校のいじめ問題と武士道を絡めているところです。いじめはなぜダメなのか?という問題は、理屈で説明できない。卑怯なからダメだと、ならんものはならんのだと、頭ごなしに子どもに教えなくてはならないというのは、将来教育者を目指す私にとってはグッときました。当事者の気持ちになってみようなんてヌルいことは言ってられないのです。いじめられた経験なんてものは、想像で理解できるものではないからです。こうなって、ああなるからダメだなんて理屈で説明する方がピンとこないのです。

    論理的でなくていいというのは、新しい発想のようで、実は戦前の日本人に根付いていたというのが面白かったです。

  • [展示]平成のベストセラー本特集:2006(平成18)年ベストセラー1位(トーハン調べ)

  • 小気味良く、欧米の論理重視を批判。
    情緒と形を身に付けるべしと説く。

  • 面白くなかった
    この本が売れることこそ日本人が弱っている証拠
    この本が売れれば売れるほど
    著者が心配している通り日本人が
    自分たちの美徳を失って自信がなくなっている
    著者としてはある意味悲しい
    逆せつてき

  • 数学者が日本をどう論じるのか興味が湧き、読んだ本。
    賛否両論かもしれないが、私は頷けた作品。
    国家にも品格は必要で、日本、あるいは日本人のあるべき姿を考えさせられる。

  • 半分、同意だが、かなりステレオタイプの思考がなんだかなぁ。イギリスと日本の比較が大雑把。
    でも、ここまで振り切れる人格が潔くて惹かれる。

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