- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106101465
作品紹介・あらすじ
明治政府の国策として、創立以来、官僚機構はもちろん政財界にも幹部候補生を供給してきた東大法学部。それは、そもそもが国家公務員試験および司法試験にむけた「予備校」であり、巨大な公共投資であった。維新から高度経済成長期へと続くその栄光の歴史、そして霞ヶ関の落日以降に訪れた変化とは-。現代社会における「真のエリート教育」についても考察。
感想・レビュー・書評
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BOOKOFF店舗で前に買っておいた本。時間ができたから今回読了。
私は東大文学部卒だ。学生時代にESSに入ったら文科三類であることを(3年時から法学部に進学するのは文科一類)かなり露骨に馬鹿にされた。馬鹿にされたのはそれだけが要因ではなかったのだろうが、田舎の公立高校から東大に入った私にはわからないことだらけだった。その後ESSは自分の居場所ではないとわかってすぐ辞めた。
大学を卒業してから30年近く経つが(そして私は一流企業に入ったわけでもなく今は一介の専業主婦だ)、あれは何だったんだろうかと今でも考える。
この本にはその答えの一片があった。要するに中高一貫などの有名難関高校から東大文科一類に入る人達というのは、人種が違うのだ。見ている目線も違う。司法試験や国家公務員試験を経て弁護士や官僚になる人達、選ばれたエリート達なのだ。
彼らは選ばれるべくして選ばれたエリートであることを誇りに思っていただろうし、私は単に成績が良かったから東大に入った(とはいえ、文科一類を目指すほどには成績が良くなかった)だけの人間だったから、お互いに分かり合える余地はなかったのだなぁ、とつくづく思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「インターネットで検索ができる現代に知識が豊富な人を教養人とは呼ばない。真の教養人は、学ぶ方法を持つこと、問題を発見する力を備えるということである」
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前半は東大法学部についてうまくまとまっていたが後半がひどい
東大を叩きたいだけの筆者の脳内をそのまま紙に落とした感じの内容で、作者の主張もエビデンスも弱かった
研究者や専門家が書いたんじゃなくてメディアの人間が書いたんだなって本だった -
以前「天皇と東大」(立花隆)を読んだが、東京大学の成立と戦前の歴史についてはその方が詳しかった。
本書は戦後について詳しく書かれているのと、政治との距離をも書き込んでいるのが目につくが、書体は週刊誌的にも感じられ深みがない。
新書であるからこの程度で充分なのかもしれないが、知ることができるのが概略のみというのにはやや不満が残った。
2017年8月読了。 -
よくある東大批判。官僚のこぼれ話は興味深かった。
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東大=官僚養成の大学
↓
エリート育成(途上国であった日本にとってキャッチアップは至上命題
現状・・・日本の国益を侵害
*すべて民営化すべきとの意見です。 -
うーん。著者のスタンスがわからなかった。
官僚を育てるべくして設立された東大法学部、けれども官僚が力を失い腐敗するに従って東大法学部の意味もなくなってきた……というような書かれ方をしているけれど、その当時、著者は記者クラブで官僚たちを見てきたのでは? なぜそこできちんと糾弾しなかったのだろう。なぜ今更言うのだろう? と不思議でならない。
こういう目で見られたら、東大って名乗りたくない気持ちもわからなくは無いな、と思いました。 -
2011/11/26 No.30
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ブックオフをぶらぶらしてて、タイトル見て即買っちゃった本。東大法学部の歴史でも書かれてるのかな、それなら知ってても悪くないかな、と思った。
最初は東大法学部の歴史が書いてあった。日本を成長させる官僚を養成する学校だったんだって。
それがだんだんそうじゃなくなってきた・・・。官僚たちの夏みたいな時代じゃなくなってきて、官僚の魅力が薄れてきて、学生の質も落ちてきて・・・・。といった流れ。途中からはかなーり厳しいことかかれています。ちょっとへこむ。
でも昔の学生の様子とか知れるしいいと思った。途中多くのOBも登場するからOB訪問している気分になるし。昔はゼミに入れる人は3人に1人だったらしい。昭和までは2類が一番多かったらしい。
自分たちが無批判に受け入れている体制を批判的な視点から書かれた本を読むことでまた違った感じで見ることが出来る。自分が批判されているような気がして身が引き締まった。
そして、大学だけじゃなく、官僚制にまで突っ込んでいくところはすごい。当然なのかもしれないけれど。
とにかく、東大法学部の人には読んでほしいな、すぐ読み終わるし。貸します。 -
東大法学部を憂う内容になっています。
否、東大法学部のみならず、
日本の教育自体を憂いているといった方がいいかもしれません。
一側面の捉え方としては、著者の言っていることは正しいのだと思いますが、
一方的すぎるのではないかと思うところもありました。
しかし、著者の言っているように、
このままの日本の教育制度のままでは、
完全に世界においていかれるのは間違いないと感じています