超バカの壁 (新潮新書 (149))

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101496

感想・レビュー・書評

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  • 「バカの壁」、「死の壁」に続く三冊目。2006年発行。

    著者は、昔ながらの自然の中での暮らしは、「仕方がない」、「水に流す」といった感覚をもたらし、何が起きてもそれを受けとめて平穏に暮らすことができるのだ、という。一方、都市化=全てを人間がコントロールしている(と思い込まされている)世界では、何か起こると人のせいにするクセがついてしまい、人間関係がギスギスしてくるのだという。

    確かに、このところ災害が頻発しているので、自然に対して畏怖の念を持ち続けるとこの大切さを実感する。

  • 読みやすく、私は好きである。
    自分に合う仕事などない。これにつきる。行き着いた先で全力を尽くすと、その先が開けることは同感である。
    偉そうに「自分に合う仕事がない」だの言わず働けということである。

  • 「バカの壁」シリーズ第3弾。
    だいぶこの著者である養老孟司氏の考え方が分かってきた。大多数の事例で共感。
    表現が少し過激と感じる人もいるかもしれないが、1つの『人間に関する考え方』として、みんな読んでも良いんじゃないかと思う。
    矛盾もないし、一貫している。一言では言い表しにくいが。

  • ・・・「この「壁」を超えるのはあなた」帯コピーがナイスだった・・・。
    「バカの壁」「死の壁」の最終バージョン「超バカの壁」。

    柔らかい語り口でざくざくと切っていく。

    オンリーワンよりただの人だ、と若い人には言った方が良い。そう言わないと救われないだろう。
    社会の穴を埋めるのだと。それが幾ばくかたまってお金がもらえるのだと。 それが仕事。
    そのうち、本当に頑張っていくと、穴には入っていくのだよね、と。

    西洋の「自分」と日本の今の「私」を比較。

    興味深かったのは、震災と戦争のPTSDなど解釈について。
    震災で心のケアとはいうものの、戦争はもっとひどかったろう、と、大変違和感を持ったことが書いてある。
    そもそも、自然災害の多い国。
    そういうことには「水に流す」、また「忘れる」文化の根底になかったのかと・・・。

    文中、江戸末期に日本を訪れた、デンマーク人が
    横浜の大火事の後の日本人の行動を見て感嘆したことが紹介してある。

    日本人はいつも変わらぬ陽気さと、呑気さをたもっていた。
    持ち物もすべてなくなっても、不幸に襲われたりしないと。
    「彼らを宿命論者と呼んで良いだろう」

    実は、「超バカの壁」とは別の書籍で、
    明治時代にも西洋から来た技術者が あっけらかんとした日本人について
    (家族の時間を大事にして、働かないし・・・)「なんだ、この民族は?」と、
    不思議に書いていた。

    私たちの持つ、江戸時代の日本人像が本当は、
    もはや違うんであろうと、 私は思っている次第ですが・・・。

    人と人が違い、誤解があるのが当たり前。
    分をわきまえ、心を決めて手足を具体的に動かしなさいよ、なんて。
    個々は、別の役割のある「ただの人」で、
    自信のないオンリーワンなんて、ただの没個性。

    壁を超えるのは結局、腹の決まった
    自分の行動でしかないですよね。

  • 見方を変えれば世界も違って見える、賢人の声を聞き少し世間の見方を拡げていけば人生もまた愉し(カワバタ)

  • あらゆる問題が読み切りになっていて、読みやすく、今まで意識していなかった問題にふれることができ、読み終えた後はなにかすっきりした気分になりました。
    お金の問題では、自分はお金で買えないものはない派でしたが、本書を読みお金で買えないものもあると、考え改められました。

  • 社会の進歩とは、変化を無抵抗に受け入れ、その結果に不安を感じることではない。変化する原因を考え、日々平穏になっていくこと、深刻な問題を起こさないよう予防を進めることと、保守的立場から社会の進歩を定義している。確かにニュースや新聞報道は結果や映像を一方的に流しているばかりで、問題を起こさないための事象に対してはあまりフォーカスしない。このまま社会変化に無関心なまま、一方方向で受け入れることは過去の歴史からみてもあまりに危険だ。こうした危険を防ぐには、我々自らが予防する方法を積極的に考える姿勢を持たなければならない。カラスが増え、邪魔だから駆除する的な考え方では、問題が一層深刻なものへと発展しかねない。力でしか物事を抑えられない大国に対する日本に必要な姿勢を暗示しているかもしれない。

  • 養老先生の、~の壁シリーズ

    解剖学を専門としてきた著者が、脳科学者の観点から様々な問題に触れています。
    超バカの壁では、これまでの著書以上に多岐の分野にわたって話がされています。ちょっと広げすぎ、と思わないことはないですが、的を外したものはないと感じましたし、なんというかもっと根底にある心得のようなものがより伝わってくる内容でした。
    職業倫理の話と、子どもと都市の問題なんかは特に興味深かったです。

    絶対的なものがない、と言い、あえてはっきりとした物言いで、「違うと思うなら塗りつぶして」という著者の思想に共感できるタイプなら、とても面白いと思います。

  • 普段はこの手の実用書はあまり読まないが、「大人のいじめ」についての記載があり、職場で似たような事象があるので興味があって手にとった。歯に衣着せぬ意見がどんどん出てきて皮膚感覚により近い感じがした。「仕事というのは社会に空いた穴です。」「原則がないのはプロではありません」などなどなるほどって思わせる。
    一元論でまわりを見えなくしてしまうことが「バカの壁」という理解で良いのかな。

  • 養老さんの文章が好きです。バカの壁と死の壁とこれしか読んでませんが、いっきに読み進めてしまいます。

    自分も基になるものを考えて、自分のものにして行動する事ができるようになればいいなと、真剣に思いました。

著者プロフィール

解剖学者

「2019年 『世間とズレながら、生きていく。(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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