電波利権 (新潮新書)

  • 新潮社 (2006年1月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784106101502

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

電波の権利問題に迫る本書は、技術的な側面だけでなく、政治や経営の視点からも電波の歴史とその影響を探ります。田中角栄による認可制度の確立や、ハイビジョン・地デジ技術の発展、さらにはNHKの民営化議論や携...

感想・レビュー・書評

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  • この手の本は鵜呑みにするとコワイんだけど、書いてある内容はなかなか面白い。
    (少なくとも、「電波の今」を概観するにはよい本かもしれない)

    本来公共財であるべき「電波」を國家による免許制としたところから、利権構造が発生した。世界の情報情勢が急展開しているのに、利権の吸い主たちは、その「カネづる」を手放そうとはしない。そのため、いま國民にとって本当に重要なインフラに割かれるべき周波数帯が、無駄なメディアやほとんど使われていないサービスに占有されている。

    その代表格が、他ならぬTVである。

    「利権ありき」の歪んだ構造の中にあって、時代の要請に答えられるはずがない。

    ハイビジョンや地デジの嘘。
    2011年地デジ一本化の嘘。
    NHKの“独立性”の嘘。(國会の承認が必要ということは、少なくとも國民の負託より大事なものがあるということ)
    こうした電波行政の流れも、面白いを通り越してオシリが寒くなるような話ばかりである。

    ページは多くないが、NHKの権力闘争の歴史も面白かった。特に島桂次氏から海老沢勝二氏までの“政権交代”のあたりの機微はまさに奇々怪々。

    なんにせよ、そろそろTV離れを進めましょ。

  • <第10章 電波社会主義を超えて>p176
    無線通信の発展をさまたげるボトルネックは、技術ではなく周波数を政府が割り当てる社会主義的な制度にある。このため電波が政治と密接にむすびつき、既得権が強く守られる一方、新しい技術には実用性の低い帯域しか割り当てられない。いってみれば、都心に平屋建てのバラック小屋がたくさん残っているのに、それを立ち退かせる山奥の不便なところに高層ビルを建てているようなものだ。
    こうした非効率性は世界共通の問題だが、日本の場合はとくに政府と業界の「談合」的な体質が強く、携帯電話やデジタル放送への参入なども既存企業に偏っている。免許申請の際も、「一本化調整」によって免許の数と申請者数が一致するため、書類審査さえ必要ないことが多い。さらにテレビ局も新聞社もこの談合の輪に入っているため、アナアナ変換への国費投入のような疑問の多い政策についても、ほとんど報道すらしない。

    【電波を政治から解放せよ】p186
    ブロードバンド時代に価値を生み出すのは、いま放送局がもっているコンテンツと、それを創造する制作能力や編制能力なのである。放送局がその流れに抵抗しても、ライブドアや楽天が試みたように、企業買収で力関係は変わるかもしれない。

  • 電波というと技術的なものが多い印象があるが、本書は電波の認可などの政治的・経営的な権利問題を簡単な技術解説とともに著した本。2006年と地デジ放送前などの現状に比べて少々古いが、その歴史などは興味深いことだらけである。

    内容としては、電波の技術的な基本や日本の田中角栄による認可制度の確立、ハイビジョンや地デジ技術、NHKの問題、携帯、無線ラン、電波オークション等の開放、通信と放送の共存などであり、当時としては行政などの密室会議での権利に群がる構図を表している。

    今となっては、web上で改訂版も読めるようなので、機会あれば読んでみたい。

  • 電波利権がこんな昔からあったとは、よくよく考えればそうなんだが、想像にもしていなかった。
    確かに50年以上もの間、再編のない業界はある意味ではすごいことだが、時代にそぐわない中で、よくも放置、いや目をつけられずにいたなぁーと感心。
    意図的にそうされてきたとしか言い様のない大きなテーマだと思う。
    ただ、本書は技術的な話も一部あったので、そこらへんはあまり楽しくはなかったが、現状の大きな問題点に触れられたことは意義のあることだと思う。

  • 文字通り、電波にまつわる(主にテレビ放送とモバイル通信の)利権について書かれた著。
    携帯電話の料金が高い一因は、不当に高い電波利用料にある、ということを喝破している。

  • 「仙台じゃ、なんでこのアニメが放送されてないの? どうして全国で放送しないの?」という子供の頃の疑問に答えた本。

  • 頭に入りづらい、ツン読。

  • 電波行政は旧態依然としているなあ。

  • まもなくアナログ放送が終了する。では、何故終了日が2011年7月24日なのか。こんなに不合理でご都合主義的に決められていたことに驚愕。メディア業界こそ護送船団方式で保護された日本の病理。

  • 電波総論・各論が背景とともに書かれている

  • ………

  • 電波利権に一番最初に目をつけたのが田中角栄。電波は国際的にはITUが管理している。もともとは軍事用は船舶用だったが、民間企業にも提供するようになった。
    免許の最初は日テレ。日テレには正力さんがいた。この人は警察官僚で公職追放されていたが、メディア、電波の大衆操作性をよく理解していた。さすが戦前の警察官僚だ。人の洗脳方法をよく心得ている。
    日本くらいしかテレビ局と新聞社が結びついているような国はない。
    NTTドコモは政治的にできた会社だが、それが功を奏して、日本の携帯電話市場は花開いた。開きすぎて世界とかけ離れたが。

  • すっかりこのおっさんに興味を持ってしまっているぼく。
    こういうのも、震災成金と言えるのではないでしょうか?

    で、この本。

    まぁ、そんなことだろうと思っていたことが具体的に書かれると、腹が立ってくるものですね。

    彼らの言う「規制撤廃による、経済の活性化」というのは、ほんと、正しいと思いました。

    一読の価値は十分に有ると思います。

    是非、どうぞ。

    http://uchidashin1.blog117.fc2.com/blog-entry-37.html

  • 電波の可能性と、それを阻む問題点は何なのか。元NHKの職員である著者が、現状の電波と通信、放送を取り巻く世界にメスを入れていく。

    電波とは何なのか、その可能性を阻むのは、そして政治とは誰のためにあるのか。そんなことを考えます。

    全体的には、わかりやすく解説されているため、とっつきやすい一作だと思います。

  • 興味深く読んだ

  • 電波という公共の資源が国民の知らない間に割り当てが決められ、無駄にされている。このことは、テレビは報道することがないため、ほとんどの人は知ることはない。
    この本は、2006年発行と内容が古いが、電波の黒歴史が分かってためになった。田中角栄がなぜあそこまで影響力を持っていたのかも分かった。
    ちなみにこの本の改訂版が電子書籍として売られているので、環境がそろっている方にはそちらをおすすめする。
    この本を読んでいる時に、ちょうど周波数のオークション開始の話題が、少しずつ改善されてようとしているかもしれない。

  • テレビ関係者が絶対に触れたがらないであろうテレビの黒い裏側。政治、キー局・地方局、通信・インターネットの関係がよくわかる。
    (但し、技術的には納得いかない説明もある。)

  • ここにも利権。
    TV局、携帯会社の既得権の保護のため新規会社の参入妨害。よりよい解決法があるのに、それを選ばず個人(会社、省庁)の面子や利益を守り、結果無駄な金、時間の浪費につながり、ツケは国民が担う事になる。いったいいつまでこんな事続くのだろうか?

  • 政治家とマスコミの癒着について、書かれている。
    田中角栄時代からそういうことがあったんだ。なるほど。
    だから正しい情報を流さないのか、彼らは。
    でも、最近は総務省の力が及ばなくなっているらしい。

    既得権益の話も、またかって感じ。
    神の見えざる手の届かない世界はやっぱりこうなる。
    だからこそ、帯域を開放して市場競争を持ち込まなければ、
    彼らは寄生し続けるだろう。それはよくない。絶対。

    しかし電波利用料を携帯電話ユーザーが9割払っていて、
    放送は1,1%しか払っていないのに何故か彼らが、
    高所得をもらっているのだろうか?納得いかない。電波料払え。

    あとは、専門的な帯域関係の話が多い。
    まあ、興味深いといえば興味深いんだけど
    それほど興味がある分野ではないのでさらりと読んだ。

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著者プロフィール

1953年生まれ。東京大学経済学部卒業後、日本放送協会(NHK)に入局。報道番組「クローズアップ現代」などを手掛ける。NHK退職後、博士(学術)取得。経済産業研究所上席研究員などをへて現在、アゴラ研究所代表取締役所長。著書に『イノベーションとは何か』(東洋経済新報社)、『「空気」の構造』(白水社)、『「日本史」の終わり』(與那覇潤氏との共著、PHP研究所)、『戦後リベラルの終焉』(PHP研究所)他。

「2022年 『長い江戸時代のおわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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